月別アーカイブ: 2012年11月

11月28日、第9回古事記に親しむ(夜の部)開催。

古事記の四方山話として、古事記編纂時期の皇室の皇位継承の系譜と、女性天皇の御業績と元正天皇の譲位時の宣命(せんみょう:みことのり:天皇陛下のご命令)をお話し致しました。この時期は本当に重要な時代で、日本の国の根幹が固められつつある時期に女性天皇の御活躍あってこそと改めて感じます。宣命を読むとひしひしと感じられるんですね。親心といいますか、祖先と子孫とを繋ぐ役割の「中今」の在り方が。すばらしいです。

11月26日新川神社にて新嘗祭(にいなめさい:収穫感謝祭)、神宮大麻・新川神社御神札頒布式斎行

今年の収穫を御神前に並べ、たてまつります。

御神前には神宮大麻と御神札。すべての御神札には遷霊式を致し、お清めと御魂におうつり戴きます。

新鮮な神饌、平目。神饌は鮮度が命です。だじゃれではありません。我々神主の業界での定めごとに、お魚の配置の仕方には決まりがありまして、「川背・海腹(かわせ・うみはら)」と云います。川魚である鮎とか鯉は背中を神様の方角に向けて、海の魚は腹を神様に向けてお供えするしきたりです。さて、平目はどうなるのでしょうは。本来は腹を向けなければならないのですが、平目の腹はいわゆる「裏返し」になりますので、さてさて、どうしたものでしょうか。とりあえず、目が有る表向きにお供えしました。だって、裏返しだと変ですよね、そう思いません?

龍神の元、今年も天災も無く、台風の被害も無く、安泰に過ごせ、収穫を戴きましたことを感謝致しました。

11月25日鷹乃羽雅楽会温習報告

笙部会。今回は吹くのに時間を割きました。越殿楽の唱歌を二人づつ歌って貰いました。上手になられました、皆さん。あとは合い竹の解説と息づかい、気替えの練習を二人づつしていただきました。暖め方、暖める温度も各自確認して、暖め過ぎと暖め不足をチェック。みなさん、暖め不足の様ですが、慣れれば大丈夫です。

意外にむつかしい笙の呼吸。吹くのは楽ですが同じように吸うのが難しいです。

手が小さくて届かないのもなんのその、子供は素直で、やれと云えば出来てしまうところがこわい。

藤井先生休講に付き、高岡の射水神社より炭谷淳講師急遽駆けつけて戴きました。ありがたき幸せです。

なにか、神妙な雰囲気ですね。越殿楽と五常楽の演奏、陪臚の唱歌をやったそうです。

篳篥部会。越殿楽の唱歌と演奏は越殿楽の2行目までやったそうです。

年越し大祓の授与品・笑門来福注連飾り試作品。

禰宜です。只今正月準備にかかっています。水無月の夏越大祓に続き、年越し大祓式も本年初めて参列者を募りまして実施いたす予定です。
夏越の大祓の時は茅の輪でしたので、年越しの大祓には新年の注連飾りを参拝者に差し上げたいと常々思っていましたので、早速試作品を作ってみました。
茅の輪御守りと同じような形ですが、材料は今年収穫された稲藁で作りました。紙垂(しで:稲妻みたいな垂らす紙のことです)を御幣のように組んで、「笑門来福」の文字を入れました。市販されているリース型の注連飾りは豪華で色紙とか紅白の水引とか色々と装飾品が付いていて綺麗ですが、新川神社では敢えてシンプルで簡素な仕様に致しました。真ん中の紙札には御朱印の縮小版が捺印されている御守り扱いですので、強力ですぞ。日時は12月31日、午後4時より。新川神社本殿前にて斎行いたします。

簡素がいちばん。(simple is best)

古事記に親しむ昼の部第8回開催。

禰宜です。さて、鷹乃羽雅楽会の報告はお知らせしてきましたが、古事記も回を重ねてはや8回目。最初は夜の部だけだったのですが、御婦人方から「夕食の準備や、夜は行き帰りが危ないのでお昼に出来ないか?」との御要望により、昼の部を始めました。ですから1ヶ月に3回、古事記の素読をしていることになります。昼の部は11名、夜の部も11名、ひもろぎ苑(中巻コース)は8名ですから丁度30名ですね。
第8回目の今日は「少名毘古名神・みもろやまの神・大年神の子孫・国譲りの最初の部分、天菩比神と天若日子」を素読しました。日本の国づくりで大国主とすくなひこなの神の共同作業で医療の処方を広めて公民(おおみたから)を助けたご功績や、国づくりの最後の最後には「神を祭ること」が成されたことにより国づくりが完成したんだという、神祭りの起源をあらわす重要な部分、それが日本最古の神社である大三輪神社の起源譚であることをお話ししました。新川神社の御祭神である大己貴命の御事績ですので、つい、力が入ってしまうところです。今回は、神道で重要なキーワードをいくつかお伝えいたしました。元正天皇の宣命からの言葉です。
「随神(かんながら)」「中今(なかいま)」「浄明正直(清き明き正しき直き心を持ちて)」「天地の神々」「公民(おおみたから)」。
皆さんの心と記憶の隅に留まってくれることをお祈りいたしております。

好奇心旺盛な御婦人方。古事記を原文で読んだるわー、という方は「荒魂(新魂)」の強い方ですよ、本当に。

いつも休憩時間にお菓子持ち寄って戴いて、皆さんでお分けします。美味しいお菓子をいつもありがとうございます。

鷹乃羽雅楽会11月18日開催報告

鷹乃羽雅楽会もいよいよ三ヶ月目を迎え、始めた頃は暑くも寒くも無い、過ごしやすい時期でしたが、ついにストーブに火を入れる時期となりました。
この機会に本殿に大型ストーブを入れました。於保多神社の秋祭りの御輿渡御をお手伝いに行ったときに、あそこは流通センターが氏子区域で、たまたま目に入って、昨年の旧型新品ということで安値(といってもけっこうします)でしたので本殿の冬場の稽古では必要なので買いました。やはり暖かいですね。よかったです、あのとき見つけて思い切って買っておいて。ですが、旧来の石油ストーブもストックしてあります。災害時は電気を使わない機材が役に立つので常備するように心がけています。たいがい神社は電化されにくい環境施設ですので、かえって災害時は自存自営できるようにしておいたほうが良いと私は思います。

さて、進捗状況ですが、龍笛部会は越殿楽の唱歌と演奏をやったそうです。五常楽も演奏をしてみたそうです。陪臚の唱歌を初めてさわりだけされたそうです。篳篥は越殿楽の唱歌と、今は舌を調整して音が出るように仕上げるのが大変なのでなんとか越殿楽を二行吹いてみたそうです。笙部会は越殿楽の唱歌を二〜三人ずつ歌って戴きまして直しを入れました。五常楽もみんなで歌いながら二三人でも歌って貰いました。陪臚の唱歌を私が歌って初めて聞いて貰いました。陪臚のうんちくもお披露目しました。

笙の演奏については、楽器の出し方、しまい方、炙り方、持ち方、構え方、暖める温度の確認、乙の合い竹の押さえ方、四拍の息の気替えの練習、短い気替えの練習をいたしました。次回の11月25日までに越殿楽と五常楽の唱歌を一人で歌えること、合い竹の「乙 ぼう 一 乞 工」の押さえ方を覚えること、息の「着替え」を短くても良いから練習することをお伝えしました。

実際は雅楽を習得するというとは大変な労力が必要なのですが、まぁ、たのしみながら 参りましょうか。

笙部会。ストーブ初始動。

笙部会。まずは越殿楽と五常楽の唱歌。みなさんだんだん上手くなってきてます。自信が付けばもっと大きな声で歌えるでしょう。自信を得るには練習ですな。練習とビッチパイプ。私はいつも手放しません。

今日はかわいい女の子が初参加してくれました。

篳篥部会。鳴るまでの舌の調整が大変、だそうです。

何事に付けても「道連れ」は心強いです。

篳篥部会の皆さん。なんか、倉庫みたいですね、社務所。すみません。

龍笛部会。みなさん真剣ですな。こちらも小学生が見学に初参加。

実は私も龍笛が好きなので受講したいんですけどね。

毎回思うんですが、私も参加したい。

今月は次回、11月25日です。藤井講師はご都合により欠勤ですが、強力な助っ人が、高岡より参ります。乞うご期待。

お薦め。

秋の夜長、二冊一緒にどうぞ。

禰宜です。最近、知り合いのアーティスト(画家)二人が口を揃えてお薦め戴いたのがこの本です。私も強くお薦めするのは、絵の表現力もそうですが、漫画の吹き出しがすべて原文であること。やまとことばそのまま。国生みの表現、好きです。特にイザナミの命さんの「しかよけむ」。あらためて、古事記が好きになる本です。お薦め。

五色の御箸 納品

お久しぶりですなぁ、禰宜です。いやぁ〜、忙しいのに加えて咳き込む風邪が長引いて疲れ気味です。祝詞を読んでいても笙を吹いていても咳き込むときは咳き込みますので、いつもの薬が聞いていないので再診していただいて薬を変えましたが、まだスッキリ直りません。
さて、そんなところに待望のニューモデルが納品されました。一般的に神社で厄除けや初宮など御祈願を受けられた方には撤下神饌(てっかしんせん)と云いまして、神様にお供えした「お下がり」をお渡しします。「おみやげ」の語源は「お宮からのお下がり」で「お宮下(みやげ)」ともいわれますように、御神威の籠もった物としてありがた〜い物が貰えます。定番はお米、御神酒、するめ、昆布、干菓子など食物ですが、その神社なりに御祭神のゆかりの有る物や記念品が付いてくる場合があります。その中でも多いのが「箸」でしょうか。新川神社でも昔から箸をお下げしていましたが、数年前からモデルチェンジを試していまして、ようやく完全オリジナルの「五色の御箸」を調製することが出来ました。これは新川神社のオリジナルですので他には売ってません。富山市の箸製造業者にカスタマイズオーダーした物です。
詳しくは中身の栞をPDFで置いておきますので見ていただきたいのですが、色や箸にもこだわりました。私、実は「割り箸」愛好家です。割り箸もどれでも良いのでは無くて、やはり好みがあります。いつもは石清水八幡宮(私の修行神社)の祝い箸を洗いながら使っております。塗り箸は滑るのであまり好きでありません。素朴な素木の感触が好きです。一時期、割り箸はエコではないからマイ箸というのもなるほどと思いますが、使い捨てではなくて繰り返し使っています。ですから結構割り箸って溜まっています。寿司屋の出前の分とか。と、いうことで以前から納得のいく物を神様に捧げて、参拝者の方々にお持ち帰りいただきたいという純粋な気持ちで、経費がかかるにもかかわらず、調製致しました。財務局長、見積もり見て絶句しておいででしたが・・・。基本的に妥協を許したくない性格なもので、今後もより良い、厳選された物をお下がりとして皆様に提供したいと思いますが、何分予算もありますので、少しずつ進化させていきたいと思いますので乞うご期待ください。

どうぞ、お正月の祝い箸としてご家族の団欒に。また大切なお客様のお手元にお使いいただけますれば幸いです。

箸は神と人との「はしわたし」をする神聖な物なのです。

五色の色は緑・黄・紅・白・玄(黒・紫)で、それぞれ和の伝統色を選びました。台紙は黒で色が映えるように。

鷹乃羽社紋。御神威の象徴。

箸のうんちくが書いてあります。箸は神と人を繋げる物なんですよ、実は。

PDFファイル「五色の御箸」解説文はこちら→ 御箸栞解説文

新庄ジャイアンツ・優勝おめでとうございます。

禰宜です。急に寒くなりました。私も先月から咳が止まらないので、祝詞や雅楽の演奏などで咳き込まないかと気になる日々です。
さて、本日の読売新聞には読売ジャイアンツの優勝もそうですが、新庄ジャイアンツの記事もでかでかと掲載されました。
本当におめでとうございます。伝え聞きましたお話に寄りますと、本年、年頭に一年間の必勝をお祈りに来られました時に新川神社で必勝祈願をしてお授けいたしました木製の祈祷札を、試合ごとに父兄の方がベンチにお祭りされて試合に臨まれたと聞いておりました。
昨年まで私の愚息がお世話になっていましたので承知しておるのですが、やはりご指導される山本監督以下コーチの方々の並々ならぬ情熱と献身的なご奉仕によるご指導のたまもの以外のなにものでもありません。練習量、すごいですからね、本当に。児童達もそれぞれに個人練習をしているので、これだけ練習するから強いんだなぁと感心しております。
お祝いを申し上げますと監督もご父兄も「御神札のおかげですよ」と謙遜して言ってくださるのですが、やはり「人事を尽くして天命を待つ」人にはそれなりの結果がついてくるということだとおもいます。今後も怪我の無いようにご活躍されますことを新庄の守護神である鎮守の宮よりお祈りいたします。