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神無月は忙しくて・・・10月8日常盤台神社創建50周年記念大祭

宮司です。10月には雅楽の檜舞台が立て続けにありますので、毎日昼は祭典奉仕、夜は雅楽のリハーサルの毎日ですが、元々神主の家に生まれてなければミュージシャンに成りたかったので本望なんです。
10月2日の昼は籾米と藁の乾燥作業、夜は日枝神社の「雅楽と癒やしの音楽祭」でアンデス民謡のWAYNOと出演。4日夜は神社庁雅楽部のリハーサル、6日は東猪谷の春祭、夜に神社庁雅楽部のリハーサル、7日の昼は東猪谷の春祭、夜は鷹乃羽雅楽会のリハーサル。8日が常盤台神社創建50周年記念大祭と奉納演奏本番。その後楽器を能楽堂に搬入。9日は富山県神社庁主催の天皇陛下御在位30周年記念大祭・奉納演奏会本番。まぁ、なんとかなるもんです。

常盤台神社は戦後の高度成長期の昭和43年に新興住宅地に創建された全国的にも珍しい神社です。
過疎化で神社が統合され無くなっていくことはありましても新たに創建されたという事は当時の方々の熱意が綴られた「常盤台神社二十年史」に詳しいので要点を抜粋します。

「明けて四月二十九日、常盤台神社初の春季祭典ということで町役員外氏子一同参列、舟木宮司、司祭によって厳かに祭典が行はれました。
郷土愛の発露というべき、神社建立の尊い事業は、恐らく、新開地のおよそ団地としては、富山では囁矢であったと思います。その歓声を聞きながら、次代を背負う児童達よ、郷土愛に燃えて欲しい、そして若木のように、すくすくと育って、力強く根付き、大樹となって、常盤台の礎石たれと、氏子一同、心に願った記念すべき日でありました。時に昭和四十三年四月二十九日です。」

創建当時のお世話役の方々は働き盛りの40代を中核として進められたそうです。本業があり、家庭も大変な時期に神社創建に町内各戸1軒ずつ説得に廻られたそうです。本当に頭が下がります。

私は氏神神社に神職としてお仕えするときに当然、神社に奉斎されている御祭神に対しての祭祀では有りますが、その氏神と共に地域発展に尽力されたお世話役の祖先の御霊に対しても敬意を込めてお詣りいたします。

氏神というのはそうした歴年の地域貢献者の魂も宿る場所なので、地元に住んでいる人たちは新年に際してまず最初に敬意を持ってお詣りするべきだと言うことを伝えていきたいと思います。

当日は記念大祭の後に公民館を舞台と致しまして「鷹乃羽雅楽会」による奉納演奏をさせて戴きました。越殿楽、朝日舞、豊栄舞をご披露いたしました。

 

神無月は忙しくて・・・秋祭り篇

宮司です。表題の如く神無月は忙しくてようやく間が空きましたので今月のご報告です。
10月に入りますと各地の神社で秋祭りが催されます。6日、7日は大沢野の猪谷地域の祭礼で五社に出向きました。此の地域独特の「湯釜神事」がありましてこれが面白いんです。
祭礼前に境内にある竈に湯を沸かし、麻緒と紙垂を竹で垂らしておきます。
神社での祭典が終わりましたら笹葉を結わえた物に祓え詞を唱えて煮え立った湯に笹葉を浸して参列者に振りかけます。当然、熱いです。熱いですが参列者の宮総代、おじいさん、おばあさんも熱い湯が来ることを覚悟して両手を併せて潔く熱湯のお祓いを受けられます。その後、釜の上に垂らしていた紙垂を各自1枚ずつちぎり取り、熱湯の釜に浸してから自分の躰に擦り付けます。躰の都合が悪いところを念入りに撫でつけてから、この紙垂を境内の御神木に投げつけて、樹皮にピタッと張り付いたら災厄が祓われる、という神事です。なかなか樹皮に紙が付かないので最近では樹皮の隙間にねじ込んで居られます。大祓神事の人形の撫で祓いの要領ですね。古事記・日本書紀には「盟神探湯(くがたち)」という熱湯の湯釜に両手を入れて嘘偽りの潔白を証明する事が書かれていたり、湯立て神楽など五穀豊穣、無病息災を祈る神事が多く残っています。
この東猪谷地区の神事は行者が伝えた事だと言われています。
他にも本社とは別に「秋葉神社」が祭られていたり、太子堂があったり、此の地域ならではの土着の信仰があり興味深い所で、私は好きです。

田んぼ学校稲刈りの後日談。

宮司です。本日無事に玄米が奉耕者から納品されました!一俵半の収穫で昨年より多かったようです。昨年までは籾米の乾燥を奉耕者の作業所でお任せしてきましたが、今年は場所を新川神社でやりました。
稲刈りの29日はあいにくの雨でしたので10月1日の午前中に晴れ間が見えたので奉耕者の方がコンバインで稲刈りと脱穀までしていただき、10月2日に参集殿にて籾米を乾燥。曇り空なので室内で乾燥。扇風機と除湿器で一晩置きました。
しめ縄用の藁も濡れたままの収穫でしたので社務所で一晩陰干し、扇風機で水分を抜かします。その後10月2日に参集殿へ移動させて籾米と一緒に乾燥しました。
昨日の10月3日は「日本晴れ」といって良いくらいの晴天。朝から奉耕者の田添さんと水分を測るマシンを導入して籾米を14%〜15%を目標に天日で干しました。噂に聞いていましたがハイテクな「籾米を脱穀してサンプリングした米から適正水分量を検出する作業」を初めて教えて貰いました!これが凄いんですね。昔の人が直感でやっていた事を数値に残せれば、なんとなく来年にフィードバックできますんで。
藁は陰干しで青青とした「コシヒカリ」の藁が準備出来ました。収穫した藁から茶色い皮を取り除く作業を夕方しておりましたら川嶋咲四さんが仕事帰りに手伝って戴けました。ありがとうございました。写真でもわかると思いますが、収穫した籾米は脱穀して精米して白米となって我々の口に入るまでの間に凄く手間がかかるんですね。皮をひっぱがされ、乾かされるので水分は取られ、その後に精米されますので皮膚を削られ「因幡の白兎」状態になるまでに約4割は削り取られるということを「知識」ではなくて「体験」出来た事が何よりも貴重な収穫でありました。雨のお陰ですね。参加されたお母さんから雨について、「久しぶりに新川神社らしい日になったね!」との言葉。確かに、雨降れば雨降ったことで得したことがありましたので雨の日も悪くないです。私的には好きですね。雨男ですし。雨乞いのご祈祷は新川神社まで。