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卯杖・卯槌

卯杖・卯槌(うづゑ・うづち) 〔上の卯の日〕

 卯杖は、大学寮(後には六衛府)から朝廷に献上する杖。桃・梅・柳・椿などの木を五色の糸で巻いた杖で、邪気を払うまじないである。
 また卯槌は、糸所から朝廷に献上した槌。同じく邪気を払うまじないとして、五色の組糸を付け、清涼殿の昼の御座(ひのおまし)に掛けた。

 卯槌(うづち)は桃の木と五色の紐でつくったお守りのことです。四角柱状に成形した桃の木の中心部に五色の組糸10筋を通してつくったもので、室内の柱にかけたり、腰につけたりすることで、災いを避けることができると考えられていました。
 桃の木は、古来から邪をはらう不思議な力があると考えられてきた樹木ですので、卯槌の材料にも使用されたのだと思われます。
 正月の最初の「卯の日」に、宮中に献上されたり贈り物にしたりされたもので、清少納言の書いた『枕草子』などの王朝文学から、平安時代の貴族たちの間でも盛んにおこなわれていたようすがうかがわれます。
 また卯槌と同様に用いられたものに、卯杖があります。これは柊(ひいらぎ)・棗(なつめ)・桃・椿(つばき)・梅(うめ)などを材料にしてつくった長さ5尺3寸(約160?)ほどの木の棒で、室内の壁などに面して置かれたようです。
 このような卯槌や卯杖(うづえ)は、中国古代の魔よけの風習が源流となり、我が国でも日本風に変化して年中行事として定着していったもののようです。

卯槌(うづち)

 正月卯の日に、糸所から内裏に祝いの槌を献上する儀式。また、その時献上された小さな槌。桃の木で、長さ三寸、幅一寸の直方体を作り、縦に穴を開け、五色の組み糸を十本、または十五本、五尺ばかり垂らした物。邪気を祓うとされていた。内裏では清涼殿、昼御座の御帳台の南西の角の柱に付けた。内裏以外でも、貴族同士がお互いにお祝いとして贈りあった。