御前立社

　前立（まえだち）とは文字通り本体の前に立つ物の意味であるから、本社を拝む社という解釈ができよう。富山県立山町岩峅寺の雄山神社は立山の雄山山頂に鎮座する峯本社を遙拝する「前立社壇」であり、あくまでも雄山を本殿として祭祀が執り行われている。

　先ず持って明確にしておきたいことに、新川神社と雄山神社は直接的に本社と分社の関係ではないということである。御分霊をお祭しているわけではなく、それぞれに信仰の対象や起源は異にしているお社である。

　それに対して、新川神社は御祭神の相違や縁起の点からも確証は無いが、現時点で直接的な繋がりは確認できない。しかしながら、社紋が「違い鷹の羽」で一緒ということや、神仏分離の時の姥堂再興の嘆願書など随所に関係性が表わされてきた経緯と歴史があるので今後の課題でもある。