2月19日 午後1時より 祈年祭・鎮火祭
【祈年祭(きねんさい)】
祈年祭は「としごいのまつり」ともいい、毎年2月17日に全国の神社で行われるお祭りです。(新川神社は慣例により2月19日に行っています)
祈年祭の「年(とし)」とは稲(いね)をあらわし、稲のたねをまくきせつのはじめにあたって、その豊作(ほうさく)をおいのりするまつりです。
こらいより日本人は一つぶのお米にも神様の御霊(みたま)がやどるとかんじ、この人間の生命のもとをめぐんでくださるようにと、このじきにおいのりしてきたのです。
祈年祭では稲だけではなく五穀(ごこく:米こめ・麦むぎ・粟あわ・稗ひえ・豆まめ)のみのりと国のはんえい、皇室のあんたい、氏子のみなさんがつとめるありとあらゆる仕事がさかえるように、かぞくがしあわせでであるようにおいのりします。
【現代語訳 祈年祭祝詞(げんだいごやく きねんさいのりと)】
「ことばしてもうし上げることもおそれれおおい新川神社の神々の前に(宮司氏名)おそれおおくももうし上げます。
今年の祈年祭に「大神様の高くてとうといめぐみをおねがいしましょう」ということで、
神様の前にはえらびにえらびぬかれた新鮮(しんせん)なお米・お酒をはじめとして山の幸はイモなどのあまい野菜、
ネギやワサビやカラシなどのからい野菜、海川の大小の魚たち、沖でとれるワカメなどの海草、
岸辺でとれるコンブなどの海草をつくえの上に山のようにいっぱいにおそなえもうしあげまして、
そのほかにもいろいろな物をそえておそなえ物をいたしましておいのりいたしますことを心おだやかにおうけいただきまして、
農家(のうか)の人たちが手をひじまで田んぼの水の中につっこんで水のアワがそこらじゅうにあわだつくらいに、
足を股(もも)まで水の中につかってドロをかきよせるように苦労をしながらうえるお米をはじめとして、
ホウレンソウやちいさな草のようなやさいたちにいたるまでの農作物すべてに台風(たいふう)などのつよい風、
洪水(こうずい)などの荒(あら)い水にあうことなくスクスクと成長させてください。
工業(こうぎょう)、商業(しょうぎょう)をはじめとしていろいろなおしごとをますますよくするようにおねがいします。
天皇陛下(てんのうへいか)のおさめられますいまの世の中をかたい岩の地めんのようにいつまでもかわらずに、いつまでも神さまのまえでおまつりができますようにおねがいいたします。
そしてやがておとずれるしゅうかくの秋祭を豊作(ほうさく)でたくさんの海のさかなやヤサイ・くだものなどがおそなえできるりっぱなお祭りができるようにおみちびきいただきますようにおそれおおくもおねがいのおことばをもうしあげます。
【鎮火祭(ちんかさい)】
「ひ(ほ)しずめのまつり」ともいい、むかしは国が都(みやこ)で火の用心(ようじん)をおいのりしたのがはじまりです。
多くの人があつまってすんでいる都で1軒火事をだしたらみんなに燃(も)えうつってしまうからです。
このまつりは祈年祭とならんで古く、延喜式(えんぎしき:967年)といわれる古代の法律(ほうりつ)にならい、今日までつたえられています。
新庄町に火事がおきないように各町内のだいひょうがおまいりし、神様においのりをいたします。
【現代語訳 鎮火祭祝詞(げんだいごやく ちんかさいのりと)】
火の大神さまのひろくあたたかいご恩(おん)を言葉にして申し上げますと、朝夕の食事にお米をはじめとする食材を煮炊(にた)きする事はもとより、
さむい家の中をあたため、くらい夜にあかりをともして明るくし、よごれた物を焼きはらい、工場では物をつくる力をかもし、ちまたにはありとあらゆる物にあらわれていただいておりますが、
あわれにも人間たちはおこがましくも草木や鳥、ケモノにまさっているとえらぶっていますが火の大神のめぐみをいただかなければ一日もすごす事ができない。われわれ人間は先祖(せんぞ)からうけついできた火を、
ただただけんきょな心でおんけいにかんしゃすることを長くのちのじだいへとつたえるべきである。ひたすらひのめぐみをけんきょにうけとめ、とりあつかいをまちがえると災いとなる火の威力(いりょく)をおそれながらあつかい、
毎年の祭をつうじて感謝(かんしゃ)もうしあげ、火の災いがおきぬように、火の荒魂(あらみたま:荒々しいたましいのはたらき)がおこらないようにしずめるお祭りにおつかえいたします。
人々が朝、夕に火にたいしてあまり注意をむけず、いいかげんにあつかうようであれば、注意をうながすようにかがやきながら風にふかれるような炎(ほのお)を音たてていましめてください。
夜をつうじて、きよらかでしずかな炎の霊験(れいけん:みえないちから)をあたえてください。
天界の太陽がてりあたためていただきますおわりのない大御光、大地よりほとばしり出てたえずつきぬ霊威(れいい:温泉の源泉、火山の噴火のこと)をえいえんにおくばりいただきますようにおそれおおくもおねがいもうし上げます。
ことばをあらためてもうし上げます。
この神社の御殿(ごてん)にいらっしゃいます産土(うぶすな:土地のかみさま)の大神の御前(おんまえ)におそれおおくももうし上げます。
のようにおつかえいたします氏子達(うじこたち:新庄町にすむひとたち)がおちかいもうし上げ、御神前(ごしんぜん)にささげるごちそうを火産霊神(ほむすびのかみ:火の神さま)とごいっしょにおよろびいただきまして、
氏子達が家を出入りするときに火のあとしまつなどをわすれていたりしましたら火事(かじ)になる前にきづかせてたすけていただきますように。
大神様がおまもりされているこのちいきに今年も火災(かさい)がひとつたりとももえたつこと無くふさいでください、お守りください、ということをおそれながらもうしあげます。