- 鎮 座 地
- 富山市向新庄564番地
- 氏子町内会
- 向新庄町
- 祭 神
- 主神 白山比咩命(白山社)元、島村大字向新庄村字彦宗割22番地鎮座
- 合祀 天照皇大神(神明社)
- 合祀 建御名方命(諏訪社)※本郷島の宮
- 祭 日
- 春祭 4月20日
- 秋祭 10月20日
- 由緒沿革
白山社創建の由緒・歴史などは不詳である。白山社はもと現位置の南西、向新庄地内(現高等技能学校の東方)にあったといわれ、安政五年常願寺川大洪水以来たびたびの洪水で明治22年常願寺川改修工事と共に現在地へ遷座し、大正3年神明社(四ツ屋)、昭和19年諏訪社(本郷島)が合祀されたものである。境内には明治31年4月に建てられた狛犬、大正15年に建てられた鳥居がある。昭和49年10月18日内田信義ら氏子によって本殿幣殿が新築される。(参考:新庄町史・神社境内石碑記)
神が蛇をなだめる図(続新庄町史より)
この絵馬は扁額の障子絵馬である。紀年名はない。氏子が洪水除け、五穀豊穣を祈念したらしい。絵師は応真斉松浦守美。
志麻神社の祭神白山比咩命は山の神、いわば農業神である。また田の神、水の神とも関係がある。神社沿革によれば、安政五年(1858)、大正三年(1914)と洪水にあったとあるが、安政五年以前、しばしば洪水によって流されたといわれる。そんなことから、当時有名であった藩主前田利保の絵所預応真斉松浦守美に頼んで描かせ、洪水除け、五穀豊穣を祈願したと察せられる。
蛇はだいたい水の神の化身だとされる。これはほとんど世界共通。曲りくねって流れる河と蛇の姿が似ていることや、その水が冬になると地下に隠れ、春になると再び地上に現れ、田を潤すかと思うと洪水と旱魃をもたらす。こんなことから蛇が水を支配する精霊と崇められ、この怒りをなだめることによって豊穣がもたらされると信じてきた。農耕民俗共通の信仰である。
梵語では白蛇のことを「ウガヤ」という。食物をつかさどる稲荷神社の祭神宇賀御魂神は「うがかみ」といい弁財天と同視される。弁財天の使者は蛇である。絶えず洪水と戦ってきた氏子の心意が伝わってくるような気がする。
蛇に対し神はにこやかに話しかけている格好である。武器はもっているが、極く自然の形で向き合っている。蛇も頭をもたげて飛びかかろうとする姿勢ではない。
蛇と神がおだやかに話をしている図のように見受けられる。詳しい内容は知らされていないが、奉納された氏子が常願寺川の洪水が無きように祈りを込める意味で、産土の神と川の化身である蛇が話し合いをしている様子を描いた物であると伝わる。