出発。
大神神社大鳥居。快晴。
手水舎の蛇口は龍が多いのですがやはり此所では巳様です。
神社は拝殿のみ。三輪山が御神体です。
この真ん中に立ちますと三輪山から吹き下ろしてくる冷ややかな風が吹き続けているのです。
美鈴。麗しい音がします。新川神社でもいい音がする鈴を使いたいですね
平岡権禰宜さんがご案内いただけます。
正式参拝の証、記帳。
神・降臨みたいな日差しが。
倭健命の歌の「まほろば」
「たたなづく青垣」
山隠れる
倭し うるわし
箸墓古墳周辺に駐車場が無いので近くのお土産購入に併せて駐車させていただく事に。
おしゃれな装丁の三輪そうめん。
和モダンな商品で、お薦めです。
箸墓古墳へ徒歩で。宮内庁管理ということで大変麗しく手入れが行き届いていまして、感動しました。
「やまとととひももそひめのみことおおいちのはか」
古墳前の水田に美しい蜻蛉が。
古墳前の交差点。龍神様かな?
奥村泰輔さんとの21年振りの再会。びっくりサプライズ!
直会。ホントに直り合いしたいような、濃い一日でした。
一人1分間スピーチ。
一人1分間スピーチ。
一人1分間スピーチ。
さすがやまとの宿。古事記インストール済み。
明けて橿原神宮へ。日本建国の場所。
富山県民の灯籠発見。
畝傍山と本殿。くにの まほろば やまとし うるはし。
宝物館へ
通称・多神社、初見参。
多氏は歌舞を伝承する楽家でもあります。
和琴
国宝・古事記写本。
我が国の文字の開発者の御神像。
太安万侶実在の証拠となった墓誌のレプリカ。古事記偽書説を撃沈した貴重な品でもあります。大体、何でもかんでも証拠が無ければ不在、想像の人物とする学問はおかしい。大体、失礼やろ、子孫に。
現在でも○○不在説が大手を振って横行する世の中、学問とは何?勉強ばっかしてると頭が不自由になるらしいデスよ。現場に出ないとね。
林ご夫妻、差し入れごっつぁんでした。
古事記最古の写本のレプリカ。
古事記序文
本文が始まる部分。
宮司です。予てより念願の古事記に親しむ旅(大和編)は26名のご参加をいただき、無事に帰って参りましたー。感無量です。また、ひとつの目標であった夢が結実いたしました。
顧みいたしますれば、最初は富山市中央倫理法人会のモーニングセミナーでの講話をきっかけに有志より「神道に関する勉強会を開催できないか」との依頼を受け、平成22年2月より月1回のペースで古事記の素読会を開講、5〜6名が我が家の座敷で読み始めてより7年目にして古事記に登場する旧跡を巡る旅をいつかしたいと私自身が感じて居ましたが、こんなに大勢の方々と参拝旅行を独自に出来るまでになるとは其の当時は思いもしませんでした。
今回の旅行は古事記ゆかりの名社4社すべて正式参拝という、神社庁の旅行でもそこまでしないような、硬派な参拝旅行に敢えて組みました。
初回ということで、先ずは正式参拝という普段なかなか経験されないであろう参拝で御祭神にきちんとご挨拶をしたいと言うことと、各場所1時間30分の滞在時間を置き、宮司さんから縷々お話しをお伺いすることに目的を絞りこんでみました。
幸いに晴天に恵まれた二日間でしたが、少し蒸し暑く、結構歩きましたので参加者の方々はお疲れの事かと思います。参加者の中で一番若い私の長男も「神社参拝がこんなに大変だとは思わなかった」との感想。やはり正式参拝は張り詰めた緊張感のある時間ですので。
ですが古事記を素読するというマニアックな企画に参加される方々には、どうしても押さえておきたい神社と古墳でしたので、大変な思いをされたと思いますが、身に有り余る「御神気」をいただかれたこと、間違い無し、と確信いたしております。
今回は金岡英治総代会副会長を団長に、初日は最古の神社である大神神社とこれまた最古の古墳である箸墓古墳に参拝しました。
大神神社では私が東京で神職の資格を取るために國學院大學に入学して通学しながら明治神宮研修生として修行時代に一年間だけでしたが寝食を共にさせて戴いた平岡雅彦さんに境内をご案内戴きました。
年上ですが気さくなお人柄で、宿直の夜な夜なお酒を飲みながらいろんなお話しを聞きながら、中でも其の当時まだ今ほどの大ブレイク状態前の村上春樹さんの「1973年のピンボール」を薦めていただいたと記憶しております。今でもたまに読み返したりします。懇切丁寧なお話しとご案内、誠にありがとうございました。
本殿正面に向かいますと神体山でありますお山から吹き下ろす冷ややかな風がありまして、まさしく「御神気」。神様の息を身に浴びるような感じがしてすごいです。これは昇殿参拝しないと感じられないことですね。ちなみに私は20年前からの大神神社崇敬会の会員でございます。
宿泊は橿原神宮のすぐ近くの橿原ロイヤルホテル。
宿泊受付をしておりましたらなんと、懐かしい石清水八幡宮の笠井神楽の笛方で青年会で色々活動を共にさせて戴いた奥村泰輔さんが会いに来てくれました。
私よりずぅーっと年上なのですが気さくなお人柄で、公私ともにバンドや仕事や青年会で親しくも楽しい日々を過ごしました。久しぶりに小一時間、酒を飲みながら昔話をしましたが、本当に青春時代の甘酸っぱい物がこみ上げてきました。
昼の部と夜の部の参加者が初めて一同に回する機会は今まで無かったので、宴会では1分間スピーチで今日の感想をいただきました。
明けて10日、最初に日本国の始まりの場所、橿原神宮に正式参拝。ここでも思いがけずに京都時代に御縁がありました長倉健一権禰宜様がご案内をいただき、懇切丁寧にお導きをいただきました。
畝傍山の麓にて優しい初秋の風が吹き、此所でも厳粛な「御神気」をいただきました。
参拝後は宝物殿にもご案内戴き、古事記にも記されていた神武東征の御業績絵図や頭椎の太刀など拝見することが出来ました。
頭椎の太刀は想像よりも実物はかなり長く大きく、これを帯刀するには大男でないと・・・などと、あれやこれや古に想いをはせるのも興味深いですね。
次に多坐弥志理都比古神社(おおにますみしりつひこじんじゃ)。何回読んでも噛んでしまいます。
社名のいわれは「多」の地に御鎮まりになる「身を退いた」皇子様をお祭りする神社。ということになるそうです。すなわち、主祭神でいらっしゃいます「神八井耳尊(かむやいみみのみこと)」。多一族の祖神です。
宮司さんも多家の末裔が代々ご奉仕の由緒正しき古社です。古事記編纂の命をお受けになった文官である太 安万侶(おお の やすまろ)大先生を御祭神に合祀されているそうです。
境内摂社の木杜神社にも祀られているのは、時代の推移により、鄭重にお祭りしたいという当時の祖先の志があっての事だと思います。
古事記を読む者としては一生に一度は必ず参拝すべき神社です。
今の日本語の文字遣いの原型を編み出された太 安万侶さんの末裔である多宮司さんから直接に色々とお話しをお伺いすることが出来る。なんと素晴らしい体験でしょうか。
古事記の素読会を主催する者としてようやくお参りできて感謝することが出来て良かったです。
ここでもなんと、京都の石清水八幡宮青年会でお世話になった林さんご夫婦が面会と差し入れにお越し戴きました。
先月のBBQご参加に引き続き本当に有り難うございます。
関西の方はやはり情に厚いと言いますか、なんとも気さくで親しみのある人柄の方が多くて本当に心が和みますし、私も今後も常にそうありたいなぁと思いました。
さて、昼食を挟んで最後の参拝先は、これも古事記を読む者にとっては最終目的でもあります、語り部の最高峰「稗田阿礼」を主祭神とする賣太(めた)神社。
稗田氏は天岩戸開きに活躍する元祖巫女神である天鈿女命の末裔。やはり血筋なんですかね、エンターテイメント系の才能は。
父方は猿田彦命になりますのでかなりキャラの濃い御祭神の神社です。
境内に入りますと女性がやたらに足など気にしているようで、蚊に刺されまくっておられました。男は背広を着ておりますのでガードされているのでそうでも無かったのですが。後で聞きますと、稗田地区は古代からの環濠集落で廻りに水があるので蚊のメッカだそうです。どうりで。
参拝後は冷房の効いた社務所で女禰宜さんより御由緒と御祭神、古事記の講義をいただきました。
古事記の原本の複製本や当時の木版の発刊本、本居宣長の古事記伝の本物など拝見する事が出来た事が参加者も良い経験だったと思います。
全行程を終えて、時間通り午後9時30分に参集殿に無事到着しました。
バスの中でも行きは竹田恒泰先生の「古事記講義入門編」を観て予習をし、帰りはリラックスタイムで富山・高岡出身の化学者である「高峰譲吉」の生涯を綴った「さくら さくら」と、観光バス装備映画の定番「幸せの黄色いハンカチ」を上映。
新庄の交差点を過ぎたぎりぎりのタイミングでエンディングの場面である黄色いハンカチが風にはためく場面を迎えることが出来て、私の中で追悼・高倉健さんが出来て安心しました。
何しろ、今回の旅は晴天に恵まれ、参加者も元気で楽しく過ごして戴いたようで何よりでした。
私はつねづね、古事記を読む前に「皆さん自身が28歳の聡明な語り部。稗田阿礼になったつもりで読みましょう」と申し上げてから読んでおります。
この素読会の最終的な目標は現代の「語り部」に成って戴く人を増やすことだと感じております。
古事記の序文で太 安万侶大先生は稗田阿礼の事を最大の賛辞でこう綴っておられます。「時に舎人あり。姓は稗田、名は阿礼。年は28。人となり聡明にして目に渡れば口によみ、耳に触れたなら心にしるす。」
私、この表現が凄く好きです。
私の勝手なイメージですが稗田阿礼は「若くて性格もルックスも共に優れていて聡明な人格者で、一度目にした文字や書物はすべて本当に現場を見てきた様にリアリティ豊かに語ることが出来て、人から聞いた話、口伝の物語は一度聞いたならこれまた自分がその場に言わせたかの如く、感情を込めて言葉尻だけでは無くてその魂までも乗り移ったような、神がかった様に語ることが出来た」と感じて居ます。
そのような気持ちで稗田阿礼になりきったつもりで読む事をお薦めしておりますし、最終的には古事記に親しむの参加者お一人がお一人が語り部となって大和心を伝えていく伝道者になって共に先祖から受け継いだ日本を引き受けて行きたいと思います。
霊験の強いお社と最古の古墳に参拝し、かなり強力な御神気を急激にたくさんお浴びになられましたので神懸かりに成られはしないかと逆に密かに心配しておりますが、皆さんお元気でお過ごし下さい。
末筆ながら今回の旅行でも広報部長の川嶋一人さんに無理を言って同行をお願いしました。御陰様で素敵な風景と御神気あふれる大和路を画像として納めていただきました。いつもながら感謝申し上げたいと思います。
また、今回の旅行のアイデアをいただきました米山さんと参加者の皆さんに深く感謝申し上げたいと思います。