日別アーカイブ: 2014年1月16日

歌会始の儀に触れて。

禰宜です、風邪ひきました。最悪です。やはり健康が一番ですね、息が難なく吸えて難なくはくことが出来る、この単純な繰り返しを出来ることが一番ですよ。のどが痛いので唾を飲み込むごとに苦痛を伴い、咳こむごとに筋肉と気が滅入る日々です。健康って有り難いもんですね、風邪引いただけでそう思いますから、色々な病気を煩っていらっしゃる方の精神修行はすごいものだと思います。普段の不平不満など取るに足らない物ですね、健康に暮らせれば。と、いうことでふらふらしながらも仕事を進めなければ行けませんので所用で銀行にいった待ち時間、テレビで毎年恒例の宮中での「歌会始の儀」が放送されていました。待ち時間の間、これは良かったと思い、モニターの最前列に座って見ましたら丁度、皇后陛下の御歌の場面でした。

皇后陛下

み遷(うつ)りの 近き宮居に仕ふると 瞳静かに娘(こ)は言ひて発(た)つ

平成26年1月16日産経新聞より

今年のお題は「静」ということで、式年遷宮に臨時神宮祭主をお仕えされた黒田清子様から伊勢へ向かう前にご挨拶をお受けになられました時のお心をお読みになりましたこの御歌がぐさっと心に突き刺さりました。靖国神社の御英霊の「言の葉」に掲載されていた、特攻隊で出で立つ前の一時帰郷の息子の様子を母親が綴った文となぜか被ってしまったからです。その文章の大意は、いつもは帰省するときは帰るという連絡があるのに急に暇が出来た、と帰省した息子は静かに普段と何も変わらない様子で数日を過ごし、旅立っていってそのまま帰ってこない、という内容の文章でした。

神宮の式年遷宮という国家の最も重要な祭祀に臨時祭主としてお仕えになる我が娘の瞳に重大な決意と落ち着きを感じられた事が御歌となっているのですが、その裏には大変ご心配されているご様子が感じられます。それと静かな目でご挨拶をされた黒田清子様も多分に不安なお気持ちを心に秘めながらも余計な心配を親に掛けたくない、というお心の表れでは無いかと思うのです、静かな瞳は。そんな母娘の心情が伝わる本当にすばらしい、良いお歌だと思います。本当にたまらんですな、こういった御歌に触れると。

それとこれは勝手に私が想ってしまったことですので皇后陛下のお心は別でしょうが、古代の神宮祭主である「斎王」はやはり皇女様がお勤めになったのですが、斎王、斎宮(いつきのみや)として皇女様がお勤めになるということは古代では今生の別れを意味しました。昔であればこれで会えないかも知れない親子の場面での神つかえに出で立つ娘が愛おしく感じられる母性を感じられたように私が勝手に想ってしましましたので心に突き刺さりました、すみません。ですが、お陰で体調不良ながらもシャンとする心意気を戴きました。有り難うございました。

 

富山第一高等学校、全国制覇おめでとうございます。

禰宜です。昨年夏の甲子園も新庄町を始め富山県は熱くなりましたが、野球に引き続き、ついに新庄町に全国制覇の優勝旗がもたらされました。本当におめでとうございました。実は富山第一高等学校の所在地は向新庄町で私どもがお仕えしております鎮守神社「志麻神社」の氏子さんということで、色々とお祓いなど神事をお仕えさせて戴いていますので尚更嬉しく思います。約400年前の元和元年(1615)の常願寺川の洪水で新川神社を浸水させた時に出来た支流を「中川」といい、それ以降、新庄町と向新庄町に分かれたと伝わっていますので、元は同じ新庄町だったんですね。第1高校は私立ですから送迎バスや校舎の改築などお祓いの神事はなんの問題も無く依頼されますし、私どもも正々堂々とお祓いをしております。とにかく、試合の内容がエキサイティングでした。野球の時も感じましたが、逃げずに真っ正面から勝負する姿が潔い。私自身、正月は神棚のお祓いにずぅ〜っと廻っていたのですが、寄る家では数多くの皆さん第1高校の試合を見ておられましたので、断片的に試合の流れを見てるような感じでした。優勝した晩には奉賛会の会報編集会議があったのですが、皆さん、酒やら肴やらをてんでに持ち込んで、会議が終わればすぐ祝宴会ですよ。新川神社の奉賛会長の貫江和夫会長は富山県サッカー協会の方ですので、詳しいコメント、解説など戴きながら酒を飲みました。多分、新庄校下の方々は自分の事のように嬉しいに決まってますから、いろんなところで酒盛りが始まったことでしょう。酔いが廻ってきたところで出る話が、やはり相手が星稜(石川県)でしたので、「加賀100万石に勝ったじゃ〜」ですね。富山もんはやはりこれですよ。遺伝子に組み込まれてしまっているんですかね。若い人はそうでもないのでしょうが、廃藩置県で分県した経緯を知っている年配の方は行き着く話はここに落ち着きそうです。実は新庄は加賀藩領だったんですけれどもね。私は特にそんなことは思いませんが。そんなことはどうでもいいことで、とにかく、今までサッカーの試合を見なかった人たちも巻き込んでをテレビの前に釘付けにして叫ばせて泣かせた功績は大きいですね。益々の武運長久をお祈りいたします。