月別アーカイブ: 2014年12月

いよいよ大晦日。新しき年の新しき御守りのご紹介。

毎年のことですが正月準備に追い詰められている禰宜です。だれが追い詰めるわけでも無く、自分が自分を追い詰めるんですけれどね。命令する人と命令を実行する人が一緒ですから。と、いうことで新年にデビューする新しい御守りのご紹介です。毎年、巫女さんから「現場の意見」を取り入れております。何事も「現場で起きている」からです。参拝者からの要望を取り入れた三品をご紹介します。

先ずは子授かり御守りです。安産御守りはあるのですが、子供を授かりたい方の御守りはありませんでしたので本年デビューです。実は新川神社の境内に子授かりの御利益がある「陰陽石」があるんですが、御守りはありませんでしたのでご要望で謹製いたしました。

デリケートな祈りですので、人目に触れないようにさりげなく房で隠れるようになっています。子供を身ごもれるように御神札を抱きかかえるように織り込んである意匠が素敵ですね。

これもよく参拝者からリクエストの多かった「こどもの御守り」です。とんぼのビーズがかわいいですね。裏にはクロスウイング(違い鷹乃羽)に神社のロゴ。

最後は「龍の珠」に続く龍神さま御守りの第2弾、「昇運守」です。「しょううん」ですから「祥雲」「勝運」「商運」と当て字出来ますので何でも来い、の御守りです。新川神社の木彫りの龍神さまが刺繍されています。新川神社オリジナルです。

裏面には龍神さんの下半身と社紋・社号が金糸で織り込んであります。御守りとしては薄いので財布などに入れておくことが出来ます。お父さんの立身出世を願い、プレゼントされると喜こんでいただけるのではないですかね。

と、いうことで本年は充実した活動が出来た良い年となりました。

いよいよ来年は待望の参集殿の建築と奉賛活動の最後の詰めになります。

HPのトップにもお願いページを置きましたが、目標金額まであともう少しです。

何卒御寄付ご協力戴きますようにお願い申し上げます。

皆様がお元気で良き年をお迎えになられますことを心よりご祈念申し上げます。

来年も是非「たかのたわごと」に遊びに来て下さい。お待ちいたしております。

 

新川神社奉賛会、参集殿建築を(株)オリバーと正式契約しました。

禰宜です。いよいよ満を持してのご報告です。

昨年より奉賛会で幾度となく審議されてきた奉賛事業の目玉である参集殿の基本設計が常任理事会で承認されましたので

12月15日午後7時、社務所にて(株)オリバーと契約に至りましたことをご報告いたします。

今後基本設計を元に詳細にわたり建設委員会にて審議していきます。

工事着工は来年春頃、竣功は11月頃で引き渡しが12月の大まかな予定です。

今までの経緯は奉賛会会報第2号をご覧ください。

奉賛会会報第2号PDFファイル 奉賛会会報2号

(株)オリバーと奉賛会の契約書締結式。貫江会長挨拶。

宇野氏より契約内容確認の上、代表役員宮司が契約書に捺印。

12月6日お宮で飲もう会神道講座&忘年会

禰宜です。外は吹雪でまた積もりそうです。でも雪が降ると夜、月光が雪が反射してけっこう明るいんですよ。
だいぶ日が経ってしまいましたが、しめ縄講習会と同日の夜に行われた今年最後の飲もう会の報告です。
今年の「お宮で飲もう会」の活動は目覚ましい物がありました。よく会の名前がこんな名前ですので(命名は私ですが)、酒飲みの会・のんべえ会と揶揄されてしまいがちですが、実は硬派な活動をさりげなくしているところが味噌です。表向きはのんべえ会のようでも、やるときはやるぞ、と中身が濃い方がかっこいいでしょ。名前負けしてしまいそうな高尚な名称よりも、「一回、行ってみようか」みたいな敷居が低い方がお気軽に参加して戴けるのでは無いかと思います。名前だけで実質が伴わないといけませんし。
本年は2月にみそぎ・鎮魂作法錬成会、4月に春祭り神輿曳き奉仕、6月に第一回目の神道講座付き飲もう会開催、8月のバーベキューは雨天にて中止、10月に神輿担ぎ講習会、12月は神道講座と忘年会でありました。

今回の神道講座は新川神社の新庄御鎮座400年の歴史と意義をテーマに30分間ほどお話しをしました。今回は宮総代さん達にも案内をしてありますので、世代間交流も図ろうと言うことで開催しました。新庄町は古来より交通の要所であり、戦国時代は戦略の拠点である為、新庄町の新庄城(太田城)を征した者が富山城を落とすことが出来る事、上杉謙信(長尾景虎)が新庄城に本陣を置いたこと、明治天皇が北陸行幸の際、新庄町で御休憩されたこと等お伝えしました。来る平成28年に400年を迎える経緯とその意義をお伝えしました。

神道講座。今回は満を持して「新川神社新庄御鎮座400年の歴史と意義」でした。

いつもの顔ぶれに総代さん達も加わって。

ということで、乾杯。

今回は特に、参集殿の基本設計案が奉賛会の常任理事会で承認された直後ということで早速若い世代の意見を聞くために、この度工事を発注することになった株式会社オリバーからプレゼンをしていただきました。貫江奉賛会長の希望ですが、参集殿で今後活動していくのは若い世代ですので、彼らの意見を取り入れていきたいとの要望もありましたので丁度良い機会でした。

(株)オリバー担当宇野氏。神社が求める機能性と地域を繋ぐ建築というコンセプトをプレゼンしていただきました。周辺環境も考慮して戴き、神社へのアプローチをどうするかと言うことまで考慮して提案して戴いたのがオリバーでした。

参集殿建築計画の経緯は話すと長くなりますので奉賛会報2号に譲りますが、境内開発設計の段階で建築業者三社から意見と建築案、見積もりを出して戴きました。その中で境内地全体と地域との繋がり方を考慮して案を出して戴いた(株)オリバーが奉賛会にて選定されたと言うことです。

オリバーの社長はお宮で飲もう会の小川博司代表、担当者は宇野君で荒川出身のばりばり新庄育ちです。しかも小川君とは同級生で第一回お宮で飲もう会からの参加者です。はじめはオリバーでは無くて他の建設会社に在籍していたのですが、多分新川神社の神様に引き寄せられたのでしょうか、今はオリバーの社員として新川神社400年記念事業のプロジェクトに参画して戴くご縁となりました。本当に不思議な縁ですね。宇野君はいつも酒を飲んでいるときしか話をしたことが無かったので、今回仕事の話になると当然ですが目つきが変わり、毅然としたプレゼン姿を見て頼もしく思いました。
そして設計に入ってくれたのが中斉拓也建築設計。若い建築家ですが逸材です。こちらの要望を取り入れてそれ以上の何かをプレゼンしようという意気込みが感じられます。私、高岡のそば蕎文の和モダンな建物が気になっていたんです。神社の参集殿もあんな感じの建物になればいいなぁと思っていたら、なんと独立される前にそこを手がけた本人でした。びっくりしました。もう、ばっちりです。オリバーと中斉拓也建築設計の組み合わせは本当に不思議なご縁です。

中斉氏作成の模型を元にプレゼン。建物の中央を貫通する参道であるコンクリートのトンネルは建物に強度を与える事にもなっている。

入りきれずにフロアにお座りの方もいらっしまして、申し訳か無かったです、すみません。来年には新しい参集殿ですから。

私は今回の400年奉賛会事業立ち上げの頃、良く記念事業を経験された宮司さんから話を聞くことが多かったのですが、皆さんやはり苦労するなかでも不思議な縁や人と人との繋がりなど神がかったような事が起きた、と言われました。なるほど、こういうことかと納得しました。今後も次々と不思議なご縁があれば良いなと思います。

プレゼンを終えた宇野氏、旧友と盛り上がる。地元愛のあるお祭り野郎が新たに参加してくれました、うれしいです。

小川代表も盛り上がる。何で盛り上がっているのはわかりませんが。

午後10時、とりあえず中締め。2次会は隣の社務所へ。夜はこれから。

小川代表、代表と言うより番長にもどる。

このあたりになると記憶が断片的にしか残っていません。

 

田んぼ学校「しめ縄作り講習会とイセヒカリ試食会」ご報告。

上手に出来ました。伊勢神宮+新川神社のハイブリッドしめ飾り。

おひさです、禰宜です。半月以上も更新が停滞してしまいました。なにせ、奉賛会も只今参集殿の建築に向けて打ち合わせが進んでいるところですのでなかなか忙しいです。先ずは12月15日付、今日発刊の「奉賛会会報第2号」「鷹乃羽6号」、無事に仕上げました。これの編集にかかりきりでした。奉賛会報は奉賛会の広報委員会で編集されましたので私は原稿だけですが、鷹乃羽は全部私が編集・執筆ですので。

しかし今年を振り返りますと誠に充実した活動が出来た良い年だったと一年間の写真を振り返りながら思いました。大収穫の年でした。みそぎ・鎮魂作法錬成会が出来ましたし、神輿を担ぐ講習会も出来ました。そして「田んぼ学校」が絶妙なタイミングで実施することが出来、富山県神社庁の教化委員会の神職さん達、また田んぼを荒れ地から開墾してくださった地元氏子総代会有志の方々、友愛会の方々、そして参加して戴いた沢山のご家族の方々のお陰様です。特に、奉耕者を務めて戴きました吉田榮一様、田添啓一様、イセヒカリの種籾を早苗に育てて戴きまして、最後には米俵にして奉納戴きました、富山市水落の稲垣幸三様(吉田榮一氏義父)には深く感謝いたします。田植えの仕上げや稲刈りのはさかけなど、手の込んだ仕事もフォローして戴きました。私自身が大変勉強になりました。また、稲を育てる楽しみと言いますか、我が子のように愛おしく感じる事が出来、それを皆さんと共有できたことが良かったと思います。
最後には収穫した稲わらで神社のしめ縄を作り替えました。お正月のしめ飾りも参加者の家に掛けて戴ける用に作って持って帰って貰いました。
田植えからお祓いにお祓いを重ねて神様のお膝元で育てた稲の藁です。強力にきまってるじゃないですか。しかも伊勢神宮からお譲り戴いた「イセヒカリ」ですよ。最強と言っていいでしょう。天照大御神プラス氏神パワーですからね。
先ずは神社の本殿でお祓いを受けてからお参りをしました。神様に捧げるしめ縄を綯うからです。その後、神社にかかっているしめ縄を外して公民館へ移動。

なんと前日から雪が積もりました。神社のしめ縄を持って公民館へ。同じ長さのしめ縄を綯うために現場のを外してくるのです。

最初の30分間ほどは解説です。古事記・日本書紀に記されている「しめ縄の起源」をお話ししました。天照大御神が「天の岩戸」からお出ましになったときに「布戸玉の命」が入り口にしめ縄を張って、「ここより内にな、還り入りましそ」、つまり「ここより中には二度と還ってはなりませぬぞ」と厳しい結界を張ったお話しが起源となっています。日本書紀では「端出之縄」と書いて「しりくめなわ」でこれが「左縄」だと明記されているので神社に掛けるしめ縄は普通の作業用の荒縄が右綯いに対して左に綯うのです。この時に急いでしめ縄を作らなければ行けなかったので、本来は丁寧に継ぎながら編むところ、藁の端を出したまま力業で継ぎ足していったから、神事用のしめ縄には藁がぶら下がっているのです。または、禁忌を示すためにわざと端を出しながら作ったのではないかなと思ったりします。古語拾遺には「日影の像(かたち)なり」とありますので、日章旗のイメージでしょうか。

まずは古事記に書いてある天の岩との話から、しめ縄の起源を解説。わかってくれたかな〜?

その後、実際に編み方を実演しながら解説します。なかなか最初は戸惑っていらっしゃる様でしたが、上手に綯われる方もいらっしゃいまして、私は汗をかきながら皆さんの手元を助けながら編んでいきました。子供達には輪っか型のしめ飾りを作って貰いました。これは継ぎ足す必要が無いので比較的簡単に編めます。子供達の分の他に、自宅の神棚用のしめ飾りを作って行かれたお母さんもいらっしゃいましたので、たいしたもんですね。
絶対、ホームセンターのしめ飾りより御利益有りますよ。

本来神主は縄を編むことは専門ではありませんが舩木家では代々綯うことを親から子へ伝授されます。小学生の頃からまねごとはさせられました。蛇が這っているようなへなへなしか作れませんでしたけど。

いよいよしめ縄作り伝授。イセヒカリは台風が来ても倒れないだけに藁に芯があり、針金の様です。本来は打たないのですが、やはり打たないととても編めません。私は堅めが好きなのですが、さすがに打ちました。あまり打ち過ぎると柔らかすぎてかえって編みにくいのであくまでミディアムレアくらいですかね。

総代さん達もチャレンジ。

結局、田添宮総代会長さんたちが仕上げてくれました。氏子の方々のしめ縄だからこそ神様は喜んで戴けると思います。

なかなか様になってますな。

みんなで作ると楽しいですよ。いつも一人で粛々と作っていますから。

出来た。田植えから稲刈り、そしてそれをしめ縄に。達成感あります。

しめ縄作りを正味1時間30分ほど掛けて行った後、いよいよイセヒカリの試食会です。イセヒカリは硬質米ですから「塩おむすび」にするのが一番美味しいかも、ということで各自ラップに包んで、具材を好きな物を選んで入れて自分で結んで貰いました。具材も定番の梅干し、鮭の身、こんぶの他に鶏の唐揚げや鶏そぼろ、肉味噌など用意しました。トッピングの海苔も味付け海苔、焼き海苔の2バージョンを用意しました。何故か舩木家では昔から味付け海苔をおむすびに付けていましたので、味付け海苔は私好みだからです。バリエーションを持たせて自由にカスタマイズできるようにしました。その方が楽しいでしょ。子供達、食べるわ食べるわ、行列が途切れなくて、最後には賄いのお世話を戴いたお母さんの分が無くなりそうになったので、お代わり中止令を。男の子で最高8個も食べた強者がいたそうです。よかったよかった。同日の夜に行われる「お宮で飲もう会」の分も炊いたつもりでしたが結局、炊き直ししました。

おむすびカスタマイズ工房。行列が途絶えること無く続きます。結構「固め」って美味しいと思います。私の好みですが。家の倅も固め好きですからある程度歯ごたえ感があった方が美味しく感じるのでしょうか。

それぞれに握って海苔を巻いて食する。美味しいね。

総代さん達はご飯に漬け物。田んぼを開墾して戴きましたので是非とも試食して戴きたかった方々です。

お母さん謹製、御神前奉献用おむすび。お下がりは私がいただきました。美味。

証拠写真。新川神社の神様、絶対喜んでいらっしゃいますよ、未だかつて無かったことですからね!

「おにぎり」と「おむすび」と呼び方は二通り有りますが、私は敢えて「おむすび」と呼びたいですね。
お母さんが「手塩にかけて」心を込めてお米を「むすぶ」から「おむすび」、これは神道の神様の御神名にあります「産す日(むすひ)」の意味が込められています。手に塩をかけるのは殺菌と味付けの両方の意味があるそうです。産まれた霊(れい)の事です。霊は「ひ」とも呼びます。「人(ひと)」は「霊止(ひと)」で霊魂が肉体に留まっている存在を表すと解釈できます。ですから「むすこ・むすめ」は「産す彦(ひこ=男)」「産す姫(ひめ=女)」なんですね。

お母さん達、子供達のおむすびには心を込めて、「産すんで」あげましょう。ただ単に「おにぎり」にするよりも心を込めて「おむすび」した米を食べることによって子供達は母親の愛情と力を受け取って健やかに育ってくれると思います。

コンビニの「おにぎり」には籠もっていないですからね。忙しいときはしょうがないですけれども。

片隅でつまつまと食する親父さま。居酒屋の片隅でしみじみ飲む、みたいな。一升瓶があれば完璧ですかね。