日別アーカイブ: 2019年5月7日

4月8日第2回日本書紀に親しむ・4月15日、24日18回古事記に親しむ中下巻

宮司です。一ヶ月前の報告になりますが、日本書紀と古事記に親しむ、それぞれの進捗状況をお伝え致したいと思います。

4月8日は日本書紀の第2回目です。今回は当初の予定第1回目の場所までなんとか読めました。
神代の巻は「一書(あるふみ)」が多いのですが、古事記の素材だと思われる記述もありますのではしょらずに丁寧に解説を進めて行ければと考えています。
大日孁貴ーおおひるめのむちー(天照大御神)の御誕生から火の神・軻遇突智(かぐつち)の誕生、伊弉冉の死、黄泉国に至る神話の場面です。本文に対し繰り返し別伝である一書(あるふみ)を読みますので、それはそれとして読み流していけば何となく流れがわかるところで有ろうかと思います。しかし、大筋としては大きく違わない別伝を掲載しているところなんか、民主的といいますか、それぞれ提出した氏族からの苦情を恐れたのか、集約することを諦めて一書(あるふみ)をすべて放り込んだのかは定かではありませんが、興味深いところであります。

4月15日昼の部、24日夜の部の古事記に親しむは下巻の允恭天皇(いんぎょうてんのう)の御世を経て允恭天皇の皇太子木梨軽太子(きなしかるのみこ)と、実妹・軽大郎女(かるのおおいらつめ)と許されない恋におちた悲劇のお話しです。

此の段は歌でもって物語が進められるので、歌謡劇舞台での語り部のパフォーマンスを想像しながら読んだ方が情景が浮かび上がるところだと思いますが、以前から歌の現代語訳に苦心しておりまして。と、いいますのも現代語にすると野暮ったいといいますか、なんか真意がつたわらなくなるのでやはり原文から感じ取るのが一番良いように思います。ところが、その歌の原文の意味と話の流れが大筋では合っているのですが部分的に矛盾する箇所もありまして、解説書を色々調べてみましても「意味不詳」などと言うところです。そこで私が閃いたのは、歌はあくまでも「挿入歌」ではないかと言うことです。大体、エンタメは演劇、漫画、映画、TVドラマなどメディアや媒体は時代により進化していますが、根本的な演出方法は昔も今も共通するところが残っているはずだという考えから、現代の映画や TVドラマでも良くある「主題歌」、そしてストーリーのここぞという場面で流れる「挿入歌」、これは歌詞の内容は全く一緒じゃ無いけれどもその場の流れに即した楽曲が選ばれているので物語りに緩急をつけますよね、多分これだと。此の場面では語り部が複数名いて、手振り身振りを交えて歌が読まれている情景を想像しますと合点がいくような気がします。
このことは今のところ何処の本にも書いてありませんので(もしかしたらあるかも)舩木説です。へへっ。

令和元年初ブログ更新

お久しぶりです、宮司です。最後の更新から今日まで、不休の日々でようやく時間が取れたのですが、ブログの更新せんにゃこころおきなく羽根を伸ばせないのでもう少し頑張らんといけんのです。

さて令和になりましたね。10連休と言うことで、私は四方神社の春祭りの4月30日から昨日まで県内外からの参拝者の御朱印の対応をさせて戴いておりましたので自宅社務所に籠もっておりました。本当に大勢の方々、しかもご遠方の方が多く御朱印をさせて戴きました。

御世替りということで4月30日と5月1日には御祝いの言葉と何かしら書かせて戴きました。
今日では令和の典拠である万葉集の「初春令月 氣淑風和」を記させていただいております。

上皇陛下、上皇后陛下におかせられましてはごゆっくりと御静養いただきたいと思います。
上皇后陛下にはゆっくりと御公務のため、後の楽しみにおひかえになっておられました読書と、お忍びで学生のころよく通われたという神田や神保町古本屋廻りの夢を是非実現されて戴きたいと思います。
今はネットでも全国の古本屋から取り寄せが出来ますが、やはり古本屋での偶然の出会いと言いますか、現行の本屋には無い「タイムマシン」みたいな魅力があります。中古レコード屋もそうですが。
御皇室の皇族方には本当に我々一般庶民が何気なく過ごすささやかな楽しみも享受できないお立場で有られ、御公務に身を捧げられておられますことを思えば、我々諸民は自由を満喫できる環境にあることに本当に感謝ですね。

今上陛下も皇太子御在任の頃、立山登山の計画が内々にあったようですが御皇室の御都合で中止になられて以降、来県されたときも車中から雅子皇后陛下と山岳書籍を参照されながら立山連峰を遥かに眺められて居られたご様子をお付きの関係者から漏れ聞いております。せめて室堂まででも御行幸戴けるようなお導きが出来ないものかと県民の一人として思うわけです。昭和天皇様の御製の御縁もございますし。

でもネットの古本屋は便利ですね、必要な書籍を探すには。予てより「日本書紀に親しむ」を開催致しますので日本書紀の注釈書を買い求めていましたが、ネットで全国の古本屋のストックと値段、状態など吟味してポチッとすれば届きますので、這いずり回って探さんでも良いところがメリット。意外に富山の古本屋にあったりして、びっくりしました。

平成時代は自然災害が多く起きて日本は甚大な自然災害と人災に見舞われました。その反面、近代国家になってから続いておりました「戦(いくさ)」が起こらなかった初めての時代だったともいえます。私は明治・大正・昭和を通じて今日の不戦の平成時代30年間を守って戴いたのは国づくりの為に命をかけた我々の祖先の御霊のお働きの上に今日があるとつくづく感じます。

令和の新しい時代も「古事記」「日本書紀」を通じて御皇室と共に国づくりをしてきたお国柄を広める使命をみなさんと共に「やわやわ」(※注)と全うして参りたいと思いますので、宜しくお願いします。

※注「やわやわ」・・・富山弁で「ゆっくりと」とか「そろそろ」の意。「和らげる」が語源か。
逆の意味で「やちやち」という富山弁は「せっかちな」の意。
使用例:「あそこのおやじちゃ、やちやちの言ばっかゆうとる」