月別アーカイブ: 2021年5月

令和3年度神饌田御田植え祭5/9、田植え5/10無事完了。

宮司です。今年も田んぼ学校は中止ですが、神饌田の田植えは実施しました。
田植えに先立ちまして御田植えの奉告祭を5月9日の早朝に致しました。
この日は「おはよう倫理塾」の日で、午前6時から7時開催の後行いましたが、かなりの強い雨が降っていたのですが、いざ神饌田にお祓いに行くときに晴れましたのは龍神様の思し召しでしょう。いつもありがとうございます!

翌日の10日午前11時ころ、奉耕者の吉田さんに田植え機で植えてもらい、端の空間に手植えをしていきました。幸い、田植えの日は晴天に恵まれ、たまたま別件で来ていた近所の桑名聖子さんにも手伝って貰いました。

後日、水橋開発の日吉神社の氏子の方から毎年戴いている古代米の田植えも致しました。
古代米はお正月に「穂宝」にして頒布致しております。年々知れ渡りますと好評で、直ぐに在庫切れとなりますのであらかじめご予約された方が良いと思います。神棚に飾られますと家の繁栄を象徴するアイテムとして毎日お参りされるときに気持ちが上がります。

今年も粛々と稲作を続けますが、いつかまた子供達と田植えが出来る日まで継続していきます。

皐月女性作家3人展開催中

宮司です。5月に入り、ゴールデンウィークも過ぎたのにまだ天候は不安定な感じですが、暦では立夏、夏ですよ。真夏日も有りましたのでクローゼットの入れ替えをしております。
今は外出する機会が減りましたが、家に居るときも私服で毎日同じ物を着ないようにしていますと
「今日は何を着ようか」と朝の気分や今日一日の過ごし方で選ぶ服が違って来ますので毎日が楽しくなりました。若い頃から年取ってからおしゃれをしよう、と思っていたのでその年になったということでしょうか。

さて、本題の「皐月女性作家3人展」開催中です。
参集殿の雰囲気にピッタリはまってますので是非ご覧下さい。入場無料です。作品は購入出来ます。既に私的に欲しいものが何点か有ります。

参集殿の施工は地元新庄町の小川博司さんが経営する(株)オリバーが担当しまして、今回の出品作家の小川玉寿さんの書が展覧されていますので親子コラボですね。
もともとがギャラリーの様な建物ですが、作品のわびさびと打ちっぱなしのコンクリートが意外にマッチしているのもうちならではですね。

セルフ地鎮祭???ついに。

宮司です。ゴールデンウィーク中にも地鎮祭が有りまして、今日も天候不順の中奇跡的に晴天に恵まれてご奉仕して参りました。
地鎮祭が終わり、後片付けをしながら施工業者と話をしておりました内容を要約しますと・・・

①最近地鎮祭をしない施主が多い。

それは以前からの傾向で、認識しております。

②建築業者の営業担当が施主に説明の時に「地鎮祭なんて最近あまりされないですよ」と言ってるようだ。若い営業マンはその親自体が神棚を祭ってなかったりするので、意味合い自体わかってないし、こだわりもないので自分の感覚で判断しているようだ。

それも富山市の神職間ではそのように言っている営業が居ることはかなり昔から認識しています。

③最近、セルフ地鎮祭なるものがあるらしい。

なぬ???セルフ地鎮祭???なんじゃそら。 でも、ついに出たか、という感じです。

それで早速、ネット検索したら確かに少なからず掲載されていました。
言論の自由、信教の自由が保障されている現代ですのでその事自体、内容の是非には言及しません。
しかしながら、現代の色々な社会的変化やコロナ禍の事情も含めて私の地鎮祭に関する考えと今までの経験から、これから家を建てられる方々に有益な情報を提供しようと思います。
ネットでは色々な情報が流れていますが、プロの神職の意見として受け止めていただければ幸いです。

結論から言いますと、後々後悔しないためにも、やはり伝統的な方法による地鎮祭をお薦め致します。私が神社の宮司ですから当然といえば当然ですが。神職になり京都で初めての地鎮祭を奉仕してから早25年。年間少なからずご奉仕してきた経験上、感じる事をお伝えしたいと思います。

地鎮祭はしなければいけないの?

しないと刑罰があるわけでは無いので自由です。
ですが、ここは経費と手間をかけてでも、この際キチンとやっておかれる事をお薦め致します。

なぜなら、結局地鎮祭をせずに建築をして住んだ後に色々とトラブルがある事例が多いのと、施主さん自身が「あのときに地鎮祭しなかったからかな・・・」と思われるからです。
「後の祭り」という言葉がありますが、結局建築後に何かあったからお祓いするのであれば最初からキチンと盛大に、後悔がないように神祭りをしておくべきです。
住居環境が変わると良くも悪くも色々な事が起きます。後々色々と困難があったとしても、霊のせいにして責任転換せずに自分たちで乗り越えていけるのです。

ですが、実際地鎮祭をしていない住宅に霊障が起きることが多いです。経験上確信していえます。
特に建て売り住宅で地鎮祭をしていない物件と中古住宅で入居の際のお祓いをしていない、神棚を祭っていないご家庭からいわゆる「後の祭り」を依頼されることが多いからです。
建て売り住宅でも業者さんが建てる前にキチンと地鎮祭される良心的な業者も富山市におられますが、建てて売りっぱなしの物件も多いので、確認されて地鎮祭がされた内容でしたら入居前後問わず、家のお祓いと神棚の奉斎をお薦め致します。この場合、「後の祭り」でも大丈夫です。

自分でやったらダメですか?

自分で出来るのであればそもそも神主という職業は必要ないですよね。では何故地鎮祭を地元の神職にお願いするかと言いますと、現地に氏神様に降臨いただいて神様に対しておまつりを施すからです。塩やお酒をまいて清めるだけが地鎮祭では無いのです。

もうひとつ、神様に対して正式にお願いするには仲介役を立ててお願いするのが一番だからです。
仲人ですね。地元の神職にお願いするのは先祖代々氏神にお仕えしてきた神職に仲介してもらった方が神様は身近に受け入れてもらえるからでしょう。

神と人との「縁結び」が地鎮祭にありますので、セルフ地鎮祭にはこの項目が大きく欠如していることになります。

業者の中で、地元の神職では無くて契約神主を連れてくる業者は注意してください。その神職はお祓いしたらそれっきりで、神棚の御神札のお世話やアフターフォロー無しの地鎮祭の謝礼金だけが目的の悪質神主です。富山県神社庁、富山県神社総代会でも問題視しておりますので詳細は当社、もしくは富山県神社庁にご相談ください。

大切なのはどのような地鎮祭をするかでは無く、工事の安全を祈る施主の気持ちではないでしょうか?

その通りです。
気持ちさえ有れば、今までの歴史伝統や固定概念にとらわれずにフリーフォームで、自分たちに似合った家族だけの地鎮祭をしたい!お金も手間もかけなくても神様に伝わるはずだわ!

その気持ちはよくわかります。

ですが、私の好きな言葉ですが

伝統なき創造は盲目的であり、創造なき伝統は空虚である。

天野 貞祐 Teiyu Amano  哲学者 教育者 文学博士 獨協大学の初代学長 1884〜1980

家の建築も先祖が培った技術の上に安全な施工がされます。経費節減のために、柱を少なくしてくれ、という施主さんはいないと思います。現代は地盤調査もされていますので進化していますね。

地鎮祭も目に見えない力を発動させ、土地・地域との一体化を図り、地霊や過去の因縁、罪ケガレを祓い清めていただく氏神様に祈る作法として必要最低限の儀式、儀礼を含んだ祭典が今現在継承されて行われています。
それを簡略化するとどうなるのか???
このあたり、お酌み取りいただければ幸いです。

とりあえず、今日はこのあたりで。