第二回古事記に親しむ富山中下巻完全読破編開催

夜の部。第2回目は予てから紹介したかった「和琴(やまとごと)」を紹介しました。古事記にも何度か出てくる重要な楽器です

禰宜です、いゃ〜、忙しかった。時間に追われながらも何とか乗り切りました、夏越の大祓。アップしたくても出来なかったご報告をアップしていきます。先ずは古事記完全読破編です。今回は2回目と言うことですが、中下巻から参加された方も数名いらっしゃいまして、少しずつに輪が広がっています。古事記は短編逸話、系譜、上代歌謡を流れの中に組み合わせているような構成ですので、途中から参加されましても大丈夫です。割と話としては独立していますので。中下巻を進める上で私が心がけていますのは、上巻からの流れの上に国づくりが語られていますので、その都度、上巻を振り返りながら進めたいです。月に1回の開催ですので、実際に昔の部分は忘れていたり、繋がらなかったりしますので、何度も振り返ることが大事ですね。

今回は「かむやまといわれびこの命」、後の初代天皇である神武天皇が熊野から「八咫烏(やたがらす)」に導かれて北上して苦心しながら連戦、連勝していく「戦記」が「上代歌謡(じょうだいかよう:神代の時代の歌」にのせて語られます。大伴氏や久米氏など、もののふ(侍)として武力でお仕えした氏族の話や物部氏の祖先神である「にぎはやひの命」が登場します。古事記では語られない逸話を「日本書紀」「万葉集」で補ってご説明いたしました。このあたりになりますと日本書紀もエピソードが単一化されてきます。

時間の関係で橿原の宮で「かむやまといわれびこの命」が御即位され、皇紀の元になったあたりの解説が出来ませんでしたので次回に補いたいと思います。日本の建国神話の大事なところですのでみっちりやりたいです。

また、今回は雅音楽祭の後ということで、予てから雅楽の紹介もしたかったので第1回目は「和琴(わごん:やまとごと)」を紹介しました。日本独自の六弦琴で、不思議な音律です。大己貴命が根の堅須国から持ち出したのも「琴」ですし、神霊をお招きする時に奏でる楽器として古事記に出て参ります。「天皇の楽器」とも云われる、和楽器の頂点に立つ楽器だと私は思っています。その素朴な音色は海の彼方から渡ってきた楽器とはちがう「やまとごころ」を感じさせる音です。

最後になりましたが、中下巻から参加されました方は、今、古事記に関する書籍が大変多いのでご自身で上巻を読んで戴けますればより理解が深まると思います。おすすめは「ぼおるぺん古事記」です。コミックですが、原文で書かれていますので、原文の素読にこだわるこの会の趣旨に沿った物と感じました。上巻が三冊にわかれています。解説もありますし、なにより愛らしい「絵」がありますので、すんなりと読めます。コミカルな現代風解釈も楽しいですので是非読んでみられまして中下巻を素読されたら話が繋がると思います。

ですがまぁ、スターウォーズの様に、あとから「エピソード1」を読むのも一興かもしれませんな。