夏越大祓。たくさんのご参列、ありがとうございました。

禰宜です。いや〜今年は2回目ということで、雅音楽祭など色々行事が重なりまして「仕込み」が遅くなり、最後の追い込みが大変でした。私はどちらかというと周到に準備を進めていきたい方なのですが、今回は最後の3日間は夜中の2〜3時まで作業をしました。学生のころの試験勉強を思い出しました。私のこだわりで、人形、茅の輪御守りは手作りで新鮮な物と思っていますので。本年は雨があまり降らないせいかどうかわかりませんが、昨年に比べて茅の長さや茎の太さが少なめのような気がしましたが、新鮮な物を収穫できました。

昨年は香積廣野神社の二宮宮司さんに色々とご教授いただきまして有り難かったです。昨年に教えて戴きながら実践したことを本年は独り立ちして実施しなければいけませんでしたので、なんとかやりきった「達成感」に、本年は包まれました。

大きな茅の輪作りですが、なんとか一人でできるもんですな。家族もいつ兵役に徴収されるか、戦々恐々していたようですが、声もかからず出来上がっていましたので驚いていました。こちらとしては手伝って貰うために声をかける余裕すら無かった、というところが本音でしたが。

本年も昨年に引き続き、近所の方々から近隣の方々まで、子どもからご年配まで広い世代の方に参加戴きまして、お仕えする神職としましてはこれにまさる喜びはございません。連日の夜中の作業の疲れもふっとびました。いゃ、本当に。

皆さんが心身共に清められ、若返ってお元気に夏を乗り越えていただきたく、ご祈念申し上げます。

 

 

 

  

 

 

「切りぬさ」という紙吹雪と麻を刻んだものを混ぜた物を身体にかけ、その後に人形で身体全身を撫でて、罪穢れを清めます。

解き縄の儀式。右綯い、左綯いの縄を紐解く事によって「罪穢れを解き放つ」という祈りを体現している儀式です。

祓え津物の儀。晒しを八つ裂きにし、様の無き物に帰する事により「罪」をあがなう意味があるとされています。今日でいう「罰金」みたいなものでしょうか。

次に麻を八つ裂きにします。

いよいよ茅の輪くぐりです。左、右、左と三回廻ってくぐります。母親の胎内から産道を通って「生まれ変わる」という意味から「胎内くぐり」とも云われる儀式です。肉体と魂を浄化して新たに「生まれ変わる」という古代日本人の「清浄」に対する考え方がうかがえます。

 

 

  

 

本年も、満員で全員昇殿できずにすみませんでした。

ご参列の皆様方の心身健康とご家運の弥栄をお祈りいたしました。

祝詞奏上の後に「鈴振り」を行います。神様にお祈りした事に対する神様からの「お返事」だと思って戴きたいと思います。

二礼二拍手一礼でお参りのあとに・・・

茅の輪御守りをお持ち帰り。

新川神社境内神域に自生していた「茅」製です。正真正銘地物で、お宮の中で乾燥させていますので御利益満載ですな。

皆さんに良く聞かれる「茅の輪守りはどこに祭れば良いのか?」ということですが、疫病退散の意味からすれば、家の玄関に掲げるのが一番良いと思います。良く、年末年始に玄関に「クリスマスのリース」や「しめ飾り」をかけておられる様にしていただけるように、フックに掛けやすいように紐を付けて輪にしてありますのでご利用下さい。これを付けるのに私、苦労していますんで。設営上玄関に飾れない場合はそのほかには玄関の中や神棚に置いても良いと思います。舩木家ではご覧の通り、玄関のど真ん中に掲げてあります。ご参考までに。