大和国・石上神宮紀行記

禰宜です、久しぶりの更新です。しばらく大和国(奈良県)の石上神宮にてお籠もりしておりました。ちょうど先月に「古事記に親しむ 中下巻編」にて読んでいました「神武東征」のところで、起死回生の霊剣「ふつのみたま」の御神霊を御祭神とする古社です。物部氏の氏神として古来より物部氏が所管しまして、大和朝廷の「武器庫」として数多くの神宝を伝えてきたと云われますように、神道行法である「鎮魂の儀」を古くから伝承してきたお宮です。新川神社の御祭神「大新川命」は物部氏の先祖神ですので、本宮ということになりますかね。我が家系も物部氏系の様ですので、氏神の本家のお宮にあたります。いずれ皆様には「禊・鎮魂」の神道行法をお伝えできればと思い、修行して参りました。石上神宮へは、京都の石清水八幡宮奉職時におりました時に偶然、初参詣いたしましたのでかれこれ20年以上空いてほんとうにひさしぶりです。ほとんど初めての様な感じですが、どこか懐かしい感じがします。本当に良い意味で「鄙びた・神さびた」ところだからでしょうか。当時は不思議な経緯でお参りしたことを今でも覚えています。社会人になって、いっちょまえに車なんぞ買ったので休みの日に奈良方面へ一人旅に行ったときに、道に迷って天理市にたどり着いて、この際に天理教を観光しようと思って車を走らせていたのですが、ここでもまた道に迷って、どこがどこだかわからなくなったときに、「石上神宮」の看板が目に入ってたどり着いたような記憶があります。そのとき、なんとなく「第六感」が働いてまずはここにお参りすべきだ、と感じたことを今でも覚えています。今から考えますれば、氏神さんが導いて戴けたのかなぁと感謝しています。当時はそこまで氏神として意識していませんでしたからね。本当に私は生来、方向音痴ですから。母親からの遺伝ですな、これは。今でもGPSがあっても間違いますからね。
と、いうことで修行中、富山はすごい猛暑だったと聞きましたが、わたくしは神さびた古宮の境内にて清々しい日々を送っておりました。なんか、修行とはいいながらも癒やされておりました。写真からも感じて戴けると思います。長鳴き鳥のかんさびた鳴き声が印象的な梅雨明けの境内でした。