第七回古事記に親しむ富山中巻下巻完全読破編ご報告 11月25日昼の部・27日夜の部

禰宜です。久しぶりです。私は元気なのですが、ブログが書きたくても書けないのに困っています。色々と進展していることがありますし、年内にお知らせしておきたいことがたくさん有りますので、仕事に追われながらもブログアップしていきます。
先ずは毎月恒例の古事記に親しむ富山中巻下巻完全読破編ですが、11月で本年分は終了し、第八回は明年3月24日月曜日が昼の部、3月26日水曜日が夜の部です。基本的に昼の部は月曜日、夜の部は水曜日です。
第七回は垂仁天皇の御代の後半、本牟智和気王・丹波の円野比売命・時じくの香の木の実の物語りです。垂仁天皇の御事績は盛りだくさんで、しかも文面が物語風になって来ますので、結構読んでいても何となく
察しがつきやすい処です。なんとも切ない話ばかりですが、このあたりが日本人の情感の表れでしょうな。上巻から素読してこられました方々は何となく「あれっ、どこかで聞いたことがあるような話だなぁ」というエピソードが綴られています。上巻は高天原、いわゆる神代の世界の話で、中巻に入りますと中つ国、いわゆる現世の話です。神霊界と現世は鏡写しだともいわれることがありますが、正にそんな感じのストーリーです。夢占(ゆめうら)、太占(ふとまに)、誓約(うけい)と、神意をお伺いする占いが連発されるところが興味深いです。「たじまもり」の処では、YouTubeを利用して、文部省唱歌の「田道間守(たじまもり)」を紹介しました。常世の国から垂仁天皇の為に「ときじくのかくのこのみ」、つまり時を選ばずに麗しい香りを放つ木の実、今の橘の木の実の伝説です。私が京都修業時代に奉職させて戴きました石清水八幡宮の本殿にはこの「橘の木」が二本植わっておりまして、小さなミカンのような実を付けておりました。たじまもりの話は、いわゆる帰化した人たちの忠誠譚であります。古代大和朝廷は渡来系の帰化人を大切にしたのでしょうな。土地を与えて仕事を与えて、位を与えて姓を与えて重用した、そのご恩に対する忠誠心の物語りですね。素直に読みましょう、古事記は。古代日本人は率直で素直でおおらかでしたから。