寒中みそぎ・鎮魂作法錬成会ご報告。実践編

禰宜です、だいぶ間が空いてしまいました。只今、新庄御鎮座400年記念事業奉賛会のお願いに会社企業を始め氏子町内を一軒一軒廻ってお願いしております。皆さん、玄関先で寒いのにお話しを聞いていただきまして有り難いことです。ですがこうやって一軒ずつ氏子のお宅を廻ってお話しする機会もなかなかありませんので、この400年は色々な意味で新庄町を知る良いきっかけとなりました。私は今後ともなるべく皆さんのお住まいまで足を運んでお話しすることを続けていきたいと思います。ということで前置きが長くなりましたがいよいよ水をかぶるシーンの報告です。

先ずは参加者の皆さんを御守りする特製焼き印入り木札御守りを配ります。先ほどの鎮魂作法の時に十種の神宝の霊験を込めた御守りです。皆さんと共に御神前でお祓いにお祓いを重ねた御守りです。それを更にみなさんが我が身を禊ぐと共に、御守りも清められますので、皆さん自身が祓い清めた御守りと言うことになります。これは強力ですよ、御霊験あらたかなり。

先ずは改めまして祓い詞の奏上。竹串に飾った白い御幣に対して拝礼します。

いずれはみなさん、そらでよめるといいですね。

いよいよ鳥船行事です。いえーい、えい、いえーい、えい、

鳥船は三段あり、それぞれに微妙にかけ声と作法が変わります。かけ声の途中で大きな声で和歌を唱えます。この和歌が良い歌なんです。日本人のみそぎはらえの精神がこめられた歌ですので、それ以上なんの説明もいらんとおもいます。みなさん、なんとなく感じていただけた事と思います。

第一段「朝夕に 神の御前にみそぎして すめらが御代(ミヨ)に仕へまつらむ」

「雄ころび」という邪なるものを切り祓う作法で、手刀をもって目前の空中を斜めに切ります。自分の心の中の邪心を切り捨てると解釈しても良いでしょう。

息吹。両手を天に掲げて天の気を戴いて手中に納め、頭から躰の中に鎮めて地面に返します。私自身のイメージですが、天と地の気を自分の躰を通じて繋げることによって自然と一体化する様な気持ちでやっています。自然と一体化すれば水も冷たくない、というわけにはなかなか行きませんのでまだまだ修行不足ですな。

いよいよみそぎです。水に向かって気合いを入れたら桶で自らの躰に水を掛けます。

自ら水を被るという克己心を顕すので気合いが感じられますね、写真からも。

女子は意外に楽しそう。

参加者が35名と多かったので2班に分かれて被りましたが、なかなか水が冷たくて水槽が減りませんので、三回に分けて被りたい人は何回でも被ってもらいました。

みなさん、物怖じもせずにたんたんと水をかぶられました。あっぱれじゃ。

3回目被る猛者たち。

水を被り終えたら、またもう一度最初から同じ鳥船を始めます。第二段「遠つ神 固め修めし大八洲(オオヤシマ) 天地共に永遠(トハ)に栄えむ」

第三段「天津神 国津神たち みそなはせ おもひたけびて我が為す業(ワザ)を」

濡れた躰ですがもう一度鳥船を繰り返すことで気と躰の体温を高めていきます。

最後に二礼二拍手一礼をして、お互い向き合い、お手を拝借、一発締め「おめでとう」で締めくくります。なぜ「おめでとう」というかは良くわかりませんが、私自身は無事にみそぎ行を終えて清々しい気持ちに成って新しい自分に生まれ変わった事をお互いに讃えて「おめでとう」というのではないかと感じております。

みんなで記念撮影。カメラを向けられているので笑っていますが実はかなり寒いです。

来たときと同じように「えいほ、えいほ」のかけ声で走って帰ります。つづく。