禰宜です。若鷹会主催の第4回目の寒中みそぎ・鎮魂行法錬成会ですが、過去最高の63名の参加者をもちまして無事に終えることが出来ました。天気予報では曇りのち雨でしたが前日の晴天が持ち越しになりまして午前中は快晴、午後は曇り空でしたが、参加者の日頃のご精進のお陰様で「ノーレイン」で禊ぎを終える事が出来ました。新川神社の神様と龍神様に感謝です。昨年が55名ほどでしたので、本年水槽を2槽増やしまして5槽設営しましたので昨年よりはスペース的に余裕を持たせました。
そして今回の禊ぎが特別なのは、新築参集殿での初めての禊ぎということもあり、私としましては一生忘れることの無い、感慨深い日となりました。昨年の禊ぎにはまだ竣功していませんでしたので400年の記念行事としては最後の最後の締めと考えておりました。神事的には400年祭は昨年の禊ぎに始まり、今回の禊ぎで納まったという事です。
今回は常連の参加者に加えて新規の方も多く、富山第一高校の弓道部の顧問先生を始め8名の生徒が参加してくれました。また小川頭の息子さんも自ら志願して友達と共に参加してくれました。親に言われてでは無く率先して参加するところが素晴らしいです。やはり親の背中を見て育つのですね。
当日は日中気温も穏やかでしたので過去に比べたらやりやすいだろう、と思いきや、毎年参加者は口を揃えて「今年が一番きつかった」との感想。夕方になると少し風が吹いたのと、多分気温と水の温度差がかえって辛かった印象を与えていたんじゃなかろうか、ということです。水道水ですからね、よく冷えてました。
ですが今回も全員無事に行を終え、薬師鉱泉でぽっかぽかに温まっていよいよ直会です。
「みそぎ」と「鎮魂」は立春前に身を清め、新しい年を迎える前に「新たな自分に生まれ変わる」、そんな気持ちでみなさん清々しい顔で御神酒を飲んでおられました。
途中から貫江奉賛会長も参加され、最後には自然な流れで皆が肩を組んで中締めとなり大盛況のうちに閉会いたしました。
新築の参集殿にはど真ん中に打ちっぱなしコンクリートの「トンネル」が建物を貫通しています。これは神社境内に繋がる「参道(さんどう)」でありますが等しく「産道(さんどう)」でもあります。参集殿の大広間は母体の「胎内(たいない)」に当たります。
参加者は参道を通り参集殿の胎内に入り、自らの魂を振り動かして強くし、臍下丹田に納め(鎮魂作法)、生命力を高まった状態で冷水を被り(寒中みそぎ)、心身を清める。そして産道を通り元の世の中へと新しい自分に生まれ変わって出て行く。最初からコンセプトが有ったわけでは無いのですが、結果として現在の建築様式が導き出されたのはやはり神通力ではないかと思います。建築を請け負って戴いた小川博司頭率いる株式会社オリバーの方々も大勢禊ぎに参加いただきましたし、設計の中斉拓也氏も禊ぎに参加いただき、この行事をこなすための建築を想定してデザインして戴きましたのでやはり神がかった施工だったと今さらながらに感じ入ります。
ちなみにこのトンネル、私的には「龍神の寝床」とも呼んでいます。何となく龍神様がトンネルの中で横たわってお休みになって
いるんじゃ無いかと思ったりしています。結構冬場温かくて、夏場ひんやりしてますしね。
最後になりましたが前日から設営の準備や買い出し、今日は仕事帰りに後片付けをして戴きました若鷹会の皆さんに深く感謝申し上げます。こうやって頼めば忙しくても寄ってくれる、神社の行事に力を貸してくれる。そんな若衆がいて誰よりも新川神社の神様達がお慶びになっていると思いますしこれほど神主冥利に尽きることはありません。