宮司です。当社では参集殿を拠点にした鷹乃羽伝統文化継承道場というコンセプトで「古事記に親しむ」を平成24年3月から「古事記選上1300年記念 日本文化再発見講座」として開講いたしました。昼の部、夜の部併せて100名以上の方々が古事記上中下巻を完読されました。平成28年には新川神社遷座400年記念と言うことで再度始めから古事記を読む講座を開始し、80名を越える方々が参加され現在も講義は続いております。
昨年は「古事記に親しむ旅」を開催致しまして26名の参加者の方々と古事記ゆかりの地を訪ねる旅として奈良県の大神神社、橿原神宮、多神社、賣太神社、箸墓古墳を参拝致しました。
「古事記に親しむ」の講座の中で最も多く引用する書物が「日本書紀」でした。折に触れて日本書紀を紐解くときにその多様性とあっけらかんとした逸話の数々。こんなこと、書いていいんかい?的な下ネタあり、グロいネタあり、これが公式日本の正史か、と思うような「突っ込み処満載の面白い書物」であり、しかも今日まで繋がる我が国の「かたち」が著されている書物であり、その魅力に見せられておりました。いつかは全巻完読したいとふつふつと感じておりました。
日本書紀には現代に生きる我々が意外に知らない「我が国の起源」「建国の理念」「建国の経緯」が記されています。国際化社会という言葉が世に出てから久しいにも拘わらず、日本の国の成り立ちの事を知らない日本人が多いこと。国際化社会だから英語を学ぶのは良いことですが、外国人から聞かれるのは日本の建国の由来や皇室、日本の起源や文化などオリジナルに関する事が多いのです。
色々な場で色々な方々と話をする中で、そのように感じる事が多かったので、それをなんとか広めるには微力ながらも古事記・日本書紀を共に素読する事が大事だと思いましたし、私自身も神主の端くれとして一生涯をかけてこの二冊は極めていきたいと思うわけです。
ということで以前から古事記の次は是非皆さんと共に全巻30巻、余すところなく素読する会を立ち上げよう、それは日本書紀撰上1300年に照準を合わせて行おう、という無謀且つ壮大な計画を思い立っておりました。
そして本年。日本書紀撰上された養老4年(720)より1300年を迎える平成32年(2020)に先立ち、満を持して本年企画を立ち上げ、一人でも多くの参加者を募り日本書紀全30巻、ページにして700ページの素読会を開講致します。
実は今年から開講しようと考えていましたが、1月2月は社務多忙と積雪の関係で休講期間が挟まるので開講して3回目で途切れてしまうこと、3月始まりの方が10回連続して講義出来ると言うことと、募集期間を長くしてなるべく最初から読み始める方が途中参加より良いのでプロモ期間を8ヶ月間設けることにしました。なにせ、古事記は3年で最初に戻りますが、日本書紀は予定では4年半かかりますので。
「古事記に親しむ」でも事あるごとに申し上げて居りますが、堅苦しい学術的な考察を行う講座ではありません。声に出して読むこと、素読をする事によって「体験」して戴く事を主眼にしております。全てを理解しなくても良いんです。神様の世界の話は人智を越えた処の話ですから、そのまま受け入れておけば良いんです。素直に受け入れる、そして親しむ。ここから始まる体験が、皆さんの人生を豊かにする出来事の始まりであることを祈りつつ、翌年の開講まで準備を進めて参りたいと思います。
Are You Experienced?(経験したことあるかい?)日本書紀(やまとぶみ)
私の敬愛するJimiHendrixのデビューアルバム名から拝借いたしましたキャッチフレーズですが、何事も経験だと師匠も仰せでございます。
是非お誘い合わせの上、多数のチャレンジャーの参加をお待ちいたしております。