11月10日鷹乃羽雅楽会温習

宮司です。10月19日秋祭りの奉納演奏を終えまして納会も致しましたが、11月は2回、温習を致しまして本年は修了です。

3月から3期生を迎えての鷹乃羽雅楽会ですが、皆さん熱心に通われまして進歩しておられます。
龍笛は特に音が出るまで、また出たとしても吹き続けるには個人練習が必要で有ろうかと思います。
雅楽を通じて自己研鑽をしていただき、今まで出来なかったことが出来るようになる感動を味わって戴きたいと思います。練習は今まで出来なかったことを出来るようにするための道のり。夜に出来なくても朝起きてやってみたら出来た!なんてことは良くあります。

何事もそうですが、雅楽が上達する人は素直であきらめない人。
人って、未知のことに出くわすと「私には無理!」とか言って、自分に「ブロック」をかけてしまいます。私もそうところがありますが、自分を俯瞰して「あー、自分にブロックかけてるな」と感じたらまずは自己暗示を解いて「やればできる」で取り組んでみましょう。真面目な大人の人程、自己ブロック懸かりやすいようです。身の程知らずの子供が何でも出来るようになるのがお手本でしょうか。今は出来なくても「俺はやるぜ〜」が、良いみたいです。

そうそう、私も「身の程知らずのこども」みたいな所がありまして、まだ雅楽も駆け出しの頃、雅楽楽器の展示販売に先輩と行きましてまだ笙の演奏もかじりかけの時に、楽琵琶が展示してあったんです。高校からギターを趣味でしておりましたので琵琶を初めて見て直感で「琵琶、弾かせてください」とお願いしました。当然、教えて貰ったこともありませんので弾けませんが「いつか、弾こうと思って・・」と言いましたら、先輩が「けっ、そんなもんできるわけ、なかろうが」と上から目線でディスられました。その時はなぜか、自分はいつか弾くことになるだろうと予感していたんでしょうかね、そんな言葉も屁とも思わず「いまにみとれ」というよりか「あんたにゃわからん」と思っていました。生意気ですな、これに関しましては。普段は謙虚な好青年なんですけれどね。
実際に琵琶を持ってみて感じたのが「重さ」でした。ギターよりも倍程重く感じました。これは立って弾けんな、と。その時は当然弾けないんですけど弾いている自分にワクワクしていたような気がします。そして数年後、笙の基本をマスターした後に物やテクニックは後から訪れてきました。

その後神社庁に楽琵琶を神社庁備品として購入戴きまして、富山には楽琵琶を教えてくれる人はいませんでしたので東京の天祖神社の福岡三朗宮司様に習い、こんにちでは富山県神社庁雅楽部は三管三鼓に楽琵琶と楽箏を加えたフルオーケストラで演奏出来るようになりました。

いまでは当時私をディスった先輩には感謝しています。私、頭にきた方が燃えるんですわ。

「未来の自分の姿にワクワクする」イメージをしっかり持っている人。神様もそんな人を応援してくれているんじゃ無いかと思います。音が出ない人、諦めないで続けてくださいね。いつかきっと出来ますから。