紅梅・白梅咲きました。

宮司です。境内の紅梅は先週から咲き始め、白梅はつぼみがあちこちほころんでいたところ、陽気でパラパラと咲き始めました。毎年のことではありますが、ようやく春が来たんだなぁと感じる一瞬です。

さて、私事ではありますが、長男の信明がこの春から國學院大學神道文化学部神道文化学科に進学することになりました。併せて明治神宮の神職実習生として勤務しながら大学に通うこととなりました。私と同じ道のりを歩むことになります。昨日、ようやく普通免許を取得し、下宿先である明治神宮研修寮に入るための生活用品の買い出しに親子三人で出かけました。スーツに布団等身の回りの物を揃えて愈々旅立ちの日を迎えます。

私どもが住んでおります新庄町は明治11年に明治天皇様が北陸御巡行の際に御休止された御縁深き場所。我が氏神・新川神社の前をお通りになって富山城下へ御行幸された御縁と、時代を超えて明治天皇陛下にお仕え出来るように「明」の人文字を頂戴いたした事も倅には伝えました。

平成32年には明治神宮鎮座100年記念大祭という大きな歴史の節目を迎えられます。併せて東京オリンピックも同年に開催されますので、彼にとっては貴重な大学時代を過ごせるのでは無いかと思います。北陸新幹線の御陰様で東京も近くなりましたのでこれから色々楽しみですね。

平成30年度鷹乃羽雅楽会始動。

宮司です。2月の大雪の残雪が陽気に溶け始めているこの頃です。3月4日、昨年12月から休講していました鷹乃羽雅楽会の温習が再始動しました。恒例の通り、午後6時30分〜8時までが二期生で平調五曲(越殿楽・五常楽・陪臚・鶏徳・皇麞急)の習得を目標とする初級コース。午後8時から9時30分までが一期生で、本年は課題曲として盤涉調と神楽を習得します。

雅楽温習としては通算77回目ということになります。思えば平成24年9月に初回を初めましてより7年目ということになります。年末年始は私が多忙である事と、積雪の為交通事情の危険回避ということで休講していますが、12月、1月と演奏活動をしておりますので実質、年中演奏をしております。

昨年の12月には新庄小学校の学童保育の「ひばり学級」のクリスマス会に雅楽演奏を奉仕しました。たまたま鷹乃羽雅楽会の会員がお世話をしておられましたので、御縁と言うことで演奏しました。過去にも富山県神社庁雅楽部で学校での訪問演奏を経験してきましたが、今回のひばり学級は放課後の時間ですので、子供達ものびのびと元気が良く、素直に反応してくれて演奏している我々が楽しませて戴きました。「陪臚(ばいろ)」というテンポが軽快な曲があるのですが、それの太鼓が打たれるのに合わせてロックのライブの様に「オイ!オイ!」と歓声をあげてくれてノッてきてくれるのには「雅楽でのれるンや!」と感動すらしました。名前の通り、「ひばり」の様に元気な子供達でした。おまえら、最高や!

また、1月にはミタホームさんの新年会の席に清興でお呼ばれで演奏して参りましたが、会場がなんと、昨年出来たばかりのTAD、Toyama Prefectural Museum of Art and Design(富山県美術館)内のレストランである「たいめいけん」でした!TADは私の尊敬する建築家である内藤廣先生の設計ですので、建物が醸し出す空気感そのものを感じられる箱ですので、そんな場所でいち早く演奏できたことが大変光栄でした。

そんなこんなで、本年も張り切って雅楽という音楽を通じて、おのれの魂の浄化と研鑽を積み重ねて、神様と人との仲介役としてレベルアップして参りたいと思います。

3月24日(土)第22回お宮で飲もう会開催、神道プチ講座もやります!

来る3月24日(土)第22回お宮で飲もう会開催です。今回のプチ神道講座はゲストに松井機業の松井紀子さんをお迎えしての「神道と絹織物と蚕」のお話しです。松井さんは「Johanas – ヨハナス」ブランドで有名ですね。http://www.shikesilk.com/2_1.html
新川神社の朱印帳はJohanas製です。現在在庫切れで入荷待ちですが。絹にまつわる当社の「お宝」も初公開しますのでお楽しみに。

平成30年2月19日祈年祭・鎮火祭奉仕

宮司です。久しぶりの豪雪で毎朝雪よかしの日々でしたが、ようやく一段落したようです。昨年の2月19日の朝、現在の名誉宮司つまり父親が宮司交代の意思表示をして以来、宮司交代後初めての祈年祭・鎮火祭奉仕と言うことでこれで一通り宮司としての祭典奉仕を経験したことになります。祝詞も浄書しまして心新たにお祈りいたしました。

この祈年祭・鎮火祭の祝詞は、平安中期の法典で延長五年(927)に完成した「延喜式(えんぎしき)」に掲載されている祝詞を奏上いたします。些少現代に合わせて新川神社に即したアレンジは施されていますが、ほぼ内容は原文通りです。ちなみに祝詞の元は祖父の祝詞を書き写しておりますので新川神社の神様も聞き慣れた文体では無かろうかと思うわけです。

千年以上前から祖先が奏上した祈りの言葉を先祖の魂と共に一体となって同じ神々にお祈りするという立場に有る者として、過去と現代、そして未来に繋がっているところが日本の神道の凄いところだと改めて感じます。

新庄町の農家である生産組合から献穀を戴き、直会も氏子の料理屋・浜木綿から松花堂小鉢の酒肴をご準備戴きまして直会を致しました。

お供えのお米は田んぼ学校で子供達と育てた神饌田のコシヒカリをお供えいたします。積雪の年は豊作だというジンクスがありますので本年も自然災害の無い、穏やかな一年でありまして、五穀豊穣、皇室の御安泰、工業、商業ありとあらゆる事業の発展と国の隆昌をお祈り申し上げました。

併せて、新庄町から火事が1軒たりとも出ないようにお祈りを致しました。残念ながら我が新庄町でも数年に何件か火事があります。しかも鎮火祭を奉仕する2月あたりに消防車が出動することが多いので火の扱いに慣れてきたこの時期に油断から起きやすいのでは無いかと想像しておりますが兎にも角にも火の用心、心がけましょう。

平成30年度第5回寒中みそぎ・鎮魂行法錬成会、無事終了。

お久しぶりです、宮司です。ようやく私にとってのお正月が終わったような気分です。安堵感と、心地よい達成感を得て、ブログを書ける日が何よりも楽しいことで有ります。今回のみそぎは、年々参加者が増えて参りまして、60名を越えますと禊ぎ場も参集殿もキャパシティーオーバーで、狭いところでやると怪我の要因とも成りますので限定60名で開催させて戴きました。参加者は一ヶ月以上前の12月中旬で満員御礼状態でした!今時の若い世代のチャレンジャーがこんなにたくさん居ることを嬉しく思いますし、一人でも多く神道の神髄を経験して戴きたく今後共工夫を凝らして開催していきたいと思います。本年は過去最高の寒さで残雪、水が凍る氷点下の水をかぶる事になりましたので、導師としても時間を考慮しながら進行に気配りを致しました。この日は寒くとも天候にも恵まれ、全員無事に行を終える事が出来て何よりでした。

冒頭の座学の時間に「何故、行をするのか?」という問いかけをさせて戴きました。「みそぎ」や「滝」、「座禅」や「写経」など神道、仏教問わず「行」があります。最初は好奇心や興味などで門を叩かれるのは、それはそれで入り口としては良いのですが、「行」をする事が目的になってしまっている様に感じる事もあります。最近は「滝行」が流行っている様で、マニアックに評論家みたいな感じで「あそこはどうで、あそこはたいしたことない」とか、なまじ教養がある人がお話になっていることが有りました時に、私自身「?」と感じたことが有ります。何を信じるかとか、何に帰依するとか、参拝する場所とか、何の行をするかとかは、個人でピンと来る、相性が良い物を選べば良いので、優劣を論じても意味が無いような気がしました。

みそぎと鎮魂作法を体験することにより自らの魂を浄め、生命力を高めた魂を自らの丹田に納めるのが神道のみそぎ行です。みそぎで新たな生まれ変わった魂になり、他の人々に元気を分け与えてあげる、弱った人を助けてあげる事により世の中を良くしていくことが行ずる意味だと云われます。みそぎは唯一人自分だけを清めるにあらず、自然と一体となって世界全体を清めるところに奥義があると伝わりますので、先ずは身近な家族から始めて、少しでも世の中を浄く明るくして戴ければ新川神社の神々も皆さんを応援してくれるはずです。そう願っております。

また、「年に一度みそぎをすれば、一年間大丈夫だ」と思いがちですが、やはり日々の日常もすべて「行」であることを昔から云われます。神道の格言で「それ神道と云は、人々日用の間にありて、一事として神道にあらずと云事なし」(度会延佳・陽復記)というものが有ります。

毎日の生活、洗顔も歯磨きも手洗いもみそぎですし、部屋の掃除や整理整頓も「おはらい」です。そう意識して、日常の事も「神道の行」だと云う意味だとおもいます。

人生において、仕事や結婚生活、育児もそれぞれが人生という「行」ですから魂を磨き浄める為の現象だと考えれば、辛いことも意義有る事として乗り越えていくしか無いですね。

是非、毎朝神棚にお参りをして日々、みそぎを終えたときのすがすがしさを維持出来るようにお勤めいただければと思います。寒中みそぎ・鎮魂行法錬成会に参加されました方々の人生が益々有意義で充実した日々で有られますことを鎮守の杜よりお祈りいたしております。

平成30年謹賀新年其の弐

新年の更新第2弾です。本日は午前中は企業の仕事始めのお祓いをご奉仕致しました。午後からは氏子の各家に参上致しまして新年のご挨拶と神棚祈祷のご奉仕にまわりました。

本年元旦は悪天候ながらも雪では無かったので除雪作業が無かったのは我々にとって有り難い限りです。本年は宮司交代して初めてのお正月ですので、先代宮司の担当範囲も廻っておりますので、毎年の時期に訪問できないのは予め判っておりましたので回覧板にてご案内しておりましたが、予想通り、昨年より二日ほど遅れ気味の家祈祷です。鏡開きの11日までには終えたいので明日が勝負です。次年度は新規職員と共に廻りますので多分、本年は過渡期と云うことでご容赦いただきたいと思います。

平成30年謹賀新年其の壱(大晦日準備〜年越し大祓)

明けましておめでとうございます。本日は9日ですがようやく息継ぎができるような頃になりました。お正月は奉務神社の歳旦祭、氏子新庄町を1軒ずつ新年のご挨拶と神棚祈祷に訪問する「家祈祷(やぎとう)」に加えて神社にはご祈祷や御守りの授与に参詣客が大勢お参り戴きます。また、仕事始めの頃には会社関係の新春祈祷が年々増えて参りまして賑わっております。誠に有り難いことです。駐車場と参拝者休憩所も出来ましたので以前よりは何かと利便性が良くなったとは言え、参拝者の方々にはご不便や行き届かない事が多く、年々少しずつ改善しているところですので温かい目で眺めていただきたいです。

お正月の報告の其の壱は大晦日から新年を迎えるまでの様子です。本年は神社内の収納棚導入や古札納め所の新設、掲示板の掲示物の変更など、些少ながら社頭を整然とするための工夫を致しました。

簡易神棚を無料で差し上げる展示スペースと今時の住宅に似合う「モダン神棚」の参考展示スペースも設けました。参集殿には「お休み処」を設営、お茶は最勝寺で御縁をいただきました高橋太郎さん奉納の「月読(つくよみ)」という新川神社をイメージしてブレンドしていただきました新川神社オリジナルハーブティーを振る舞いました。太郎さん、有り難うございました。

書道家・漆器工芸家の黒田昌吾先生からは昨年に引き続き、謹賀新年のおめでたい書を4枚もご奉納いただきました。神社の本殿と参集殿の両玄関に掲示してあるのが黒田さんの筆に依る物です。本当に有り難いことです。一段と格が上がりますね。黒田昌吾先生、有り難うございました。

年越し大祓も大勢のご参列をいただき、平成29年の罪穢れを祓いやって、新年を迎えます。年越し大祓参加者には恒例の新川神社神饌田で収穫した神聖な稲わらで宮司が精魂込めて縒りましたしめ縄の「笑門来福」御守りを授与致しております。来る年も笑って過ごせる日々であるように御祈願を籠めました。夜も更け、石灯籠の蝋燭を灯して新年を迎えます。

本年も新川神社と当ホームページを宜しくお願いいたします。(続く)

12月3日お宮で飲もう会#22しめ縄講習会&忘年会開催

宮司です。師走も半ば近くで、慌ただしい日々が続きます。
本日、除雪車を初走行させました。事前に天気の良い日にオイル交換やら、バッテリーチェックやら、可動部オイル差し、塗装の剥げた部分の再塗装(雪が付着するので大事)などしてますのでバッチリ!
これを怠ると余計な時間と労力を費やしますので除雪車だけは自分の手で念入りにメンテします。
総代会の上井石庭さんもブルで境内除雪戴きました。本当に有り難いことです。

では、12月3日、夜の部の様子を紹介したいと思います。

ご覧の通り、今回も大変盛り上がりました!参加者の皆さんからの差し入れも当会ならではのしきたりです。初回から会費はなるべく抑えて手弁当で集まって楽しむ、というのが意外に面白いんです。持ち込まれた物が意外に美味しかったりすると、ボキャブラリー増えるじゃないですか。「いや、今まで食べず嫌いだったけど好きになった!」とか有るわけですよ。いやー、今回も楽しく過ごせました。色々差し入れなどお気遣い戴きました方々に御礼申し上げます。

多少、近所にご迷惑をお掛けしていますが、ご理解戴きたいと思います。こちらも節度を以て大人の酒を飲みたいと思います。

次は、寒中禊ぎですね。かなり募集が多いようです、定員60名ですので「我こそは!」の方はお早めのエントリーをお薦めいたします。

菅原道真公御真影掛け軸 修復

こんちは、宮司です。ようやく社報の原稿を入稿しましたので遅くなりましたがご報告です。

伝説に因りますと初代新庄城主三輪飛騨守長職が新川神社に奉納されたとされる土佐将監(光信)筆・菅原道真公の御真影の掛け軸の修復が完了して12月3日、納品されました!

越中志徴(えっちゅうしちょう)には

「元和元年夏の洪水に、社頭水底と成、神器悉く没失。其此相残るものは、天満宮の御影と云て一軸今にあり。(略)」とあるので、四百年前の洪水ですべてが流された中で唯一、四〇〇年以前の遺品であり、初代新庄城主三輪飛騨守長職[生没:生年月日不肖〜天文十九年(1550)]が新川神社に奉納した神宝だと云われる伝説の掛け軸です。

絵師は土佐将監(光信)[生没:永享六年(1434)〜大永五年(1525)]で、大和絵の土佐派の中興の祖であり、狩野派と共に日本画の二大流派として江戸時代まで続いた名門です。
代表作は北野天神縁起絵巻(重文)・清水寺縁起絵巻(重文)など多数有り。
歌舞伎の演目「傾城反魂香(通称:吃又)」のモデルにも成っています。
錦の表装から今からさかのぼる事およそ500〜550年前の室町時代中期、土佐光信が三十代前後の頃の作では無かろうかと素人ながら推測しております。
毎年富山の天神講の風習に倣い、舩木宮司家の床の間に十二月二十五日から一月二十五日まで掛けられます。

永年の傷みが激しく、絵の具が割れて落ちてくる様になったので近いうちに修復をしたいと思い、貴重な神宝を預けることが出来る職人との出会いを待っておりました。
また、一度鑑定をしておいた方が良かろうとも思っておりましたが、何処にどう頼めば良いかわからず、先ずは参集殿にパネル展示をして好機を待っておりました。
案の定、神様のお導きにより、この度井波の表具師・岩﨑正克氏(岩﨑清正堂)に出逢うことが出来ました。岩﨑氏は京都での修業時代、三輪晃久氏(日本画家・初代新庄城主後裔・新川神社奉賛会顧問)と仕事上の取引も経験されていたと聞き、これは時代を超えて導かれた御縁だと感じましたので即、修復を依頼致しました。

丁度お宮で飲もう会が開催される日でしたので、皆さんにお披露目も兼ねて表具師の岩﨑さんから掛け軸の修復に関するプチ講義をして戴きました。

そしてなんと、納品に併せて岩﨑さんから、三輪晁勢筆の額の奉納を戴きました!
思いもよらなかった事ですが、何もかも三輪さん繋がりの御縁を感じまして大変感動いたしました。本当に有り難く感謝申し上げます。

三輪晁勢氏は日本画家で参集殿の三輪山の絵を奉納戴いた三輪晃久氏とは親子です。
昭和46年新川神社改築の時には奉賛会顧問として御寄進を賜っております。
親子二代に渡り、御崇敬の御縁を戴きますことに御神縁を感じております。
奉納の記念撮影も親子の絵をお揃いで撮らせて戴きました。
「慶雲」というおめでたい言葉の額です。

新庄御鎮座四百年記念事業の締めくくりにふさわしい、締めの作業を無事終える事が出来、大変嬉しく思います。

12月3日田んぼ学校しめ縄作りとコシヒカリ試食会

寒くなりましたね、宮司です。今日まで年末発行の社報の編集作業をしておりましたので更新が遅くなりましたが、田んぼ学校の締めの行事の報告です。

平成26年から開催した「田んぼ学校」は本年で四年目を迎え、全国的には夏の日照不足にて昨年と比べ減の地域が多い中、新川神社神饌田は過去最高の豊作でした。奉耕者の田添啓一様、吉田榮一様の御陰様でございます。

先ずは子供達が植えた稲から穫れた稲わらでお正月の玄関に飾るしめ縄を綯います。左縄で綯うことが日本書紀に書いてありますのでなかなか難しいのですが、なんでも自分でやることが大切ですので体験して貰ってます。今の時代ではプロの農家の方でもなかなか綯える人が少なくなっていますので、「誰もやらないことを馬鹿真面目にやる」ことが多分、後世に良いことを伝える事が出来ると私は強い信念を持っています。まぁ、実際は自分で作った方が良かれ悪しかれ、大変ですけれど楽しいですよね。達成感がありますから。

神饌田で穫れたお米をみんなでおむすびにして食べます。おむすびの中に入れる具も自分で色々選べるところが楽しいですね。新川神社の田んぼ学校はDIY(Do It Yourself:専門業者ではない人がする自作や修繕のこと。)がポリシーですので、お互い少しずつ学びながら成長していきたいですね。私も毎年新しい発見と少しでも自分で出来る事を探して実践していきたいと思います。

恒例のクイズゲームはテーマを「お米」から「古事記」に変えて、「古事記かみしばい」を見てから出題します。クイズが優しすぎたのか、みんな全問正解でした。

お土産は自作のしめ縄御守です。自分で植えた早苗を収穫して自分でおむすびにして食べて、その稲わらでしめ縄を作って氏神に備えてお正月を迎える、という祖先が繰り返してきた業を体験しながら自分の住んでいる新庄町と一体化する気持ちになっているような気がするこの頃です。昔の人はやはり土地と一体化してたから氏神さんに対する「想い」が自然とあったんでしょうね。

平成29年度新穀感謝祭並びに神宮大麻・新川神社御神札頒布報告祭斎行

11月26日、恒例の新穀感謝祭並びに神宮大麻・新川神社御神札頒布報告祭を斎行致しました。本年は日曜日ということも有り、若鷹会の役員も総代会理事ですので参列して戴きました。

顧みれば丁度1年前に「新庄御鎮座400年記念大祭」をこの日に併せて斎行いたしましたことを感慨深く思い出しながらのご奉仕でした。本年は宮司に就任して初めての一人奉仕でした。倅達は高校生になりますと学校が優先されますので今までのようには奉仕が出来ませんのでさみしい限りですが、いずれは複数名で出来る事になると思います。

本年は夏の日照時間が短かったので昨年より収穫が少なかったところが大半のようですが、新川神社の神饌田は豊作でした!昨年の約二倍の2俵が収穫されまして当日お供えいたしました。今までは稲が倒れたりして収穫は出来たのですが、最大どれほど収穫できるのか見当も付かなかったので尚更嬉しく感じました。

今年から直会の酒肴が豪華になりまして、本当に田んぼ学校を始めてから稲作に対する意識と収穫の喜びが実感として感じられるようになりました。地元の神域で穫れたお米を食べて産土の神・土地神と一体と成ることが出来る。こういうことを田んぼ学校で一人でも多くの方に感じて戴ければ神主冥利に尽きるというもんです。

平成29年度秋祭・鷹乃羽雅楽会奉納演奏

宮司となりましてから初めての秋祭りです。今回は倅達は高校生にもなりますと学業と部活動が優先ですので一人奉仕でした。すべての所役を一人でやりますので慣れてはいるものの、いつもは二人でしたのでやはり新鮮な感じがいたしました。当日は曇り空ということでしたがまずまずの人出だったと思います。

そして午後7時からは鷹乃羽雅楽会恒例の奉納演奏会です。16名の参加を戴きまして祭典楽である平調音取・越殿楽・五常楽・皇麞急を演奏しました。一期生と二期生が交じっての演奏でしたので打ち物三鼓と、今回私が寝る間を惜しんで稽古した楽箏デビューを致しました。ぶっつけ本番でしたが、なんとか弾ききりました。今回はリハーサルの時間も無く、前回の練習日から日が空いていたので心配でしたが予想に反して、まとまりが良い演奏で、拝観者からも好評を戴きました。細かいところはまだまだですが、確実に昨年よりは良い演奏になったと思います。やはり打ち物が入ると演奏に締まりが出るようですね。演奏後は直会かねて早めの納会です。年末は何かと忙しいので秋祭りを一応の総会と致しております。会員の皆さんから普段の会に対する感想や要望や自己紹介など含めて懇親を取りました。益々進化していく鷹乃羽雅楽会を今後も応援してください。

 

第21回お宮で飲もう会で「羽根屋」テイスティング

宮司です。今回のお宮で飲もう会は、初の講師を招聘しての「日本酒講座」を開催致しました。講師は新川神社ご祈祷のお酒でもある「羽根屋」の富美菊酒造代表であり杜氏でもある羽根敬喜氏を迎えて、今日までの酒造りの御苦労や、物作りの哲学と職人としての在り方などお伺いすることが出来ました。私自身、羽根さんのお仕事と私どもの神社の運営は非常に親密な物が有りますし、伝統を如何に世の中の変化に乗じて昇華させていくかということに共通するものがあります。要はなんとなくですが、規模や、業界での立ち位置が似ている企業ではないかと思っていました。お話しをお伺いいたしましたらやはりその通りでした。

世界を凌駕する日本人の物作り哲学から触発された「すべての酒を大吟醸を造る様に醸す」というチャレンジ。年間通じて酒造りをするというチャレンジで感じた日本の季節の移り変わりを知るための二十四節気の意味。職人として長く安定した物づくりをするための秘訣など、どの業種にも生かすことが出来るお話しでした。

乾杯は、販売前でしたシャンパンの様な「スパークリング酒」で乾杯しました。今回は羽根屋さん人気で大勢の方が参加いただき、大いに楽しんでいただけたようで有り難かったです。今後も機会を見て日本の伝統を次世代に向けて前に進めている地元富山の経営者を紹介できればと思いますので、今後共お楽しみに。

神仏かふぇ〜鳴り物編〜ご報告

宮司です。久しぶりにブログ更新です。1年前の「町新庄祭騒動」を懐かしく想いながらも忙しい日々です。さて、たくさんの報告事項と活動予定が目白押しです。400年祭を終えたら燃え尽きるのでは無いかと思いきや、意外に新規の企画や自分なりに今まで出来なかったことに取り組む「攻め」の姿勢が取れているので不思議です。

今回の「神仏かふぇ。」は、温存してきた神社とお寺にある「鳴り物」の共演です。これは一回では消化不良になりますので、数回シリーズで取り得組むべきテーマです。今回は鷹乃羽雅楽会のメンバーによる雅楽デモ演奏と、禅寺の鳴り物を聞きました。意外に禅寺には鳴り物が多数有りまして、僧侶も修行段階で上手く鳴らす事も修行の一貫だそうです。詳しくは「鷹乃羽雅楽会」のページをご参照下さい。

我が国の宮廷音楽である「雅楽」こそ、神仏の調和を顕現していると言うことを今後共私のライフワークとして演奏しながら皆さんに広めてお伝えして行ければなぁとつくづく思います。

田んぼ学校・稲刈り祭、今年は豊作!

宮司です。今日は10月8日、伝説の400年祭記念行事の「町新庄祭騒動」から早一年が経ちました。昨年の今夜は出演者のDOZAN11(ex:三木道三)さんのシークレットアコースティックライブに行き、ご挨拶をしてきた夜を本当に感慨深く思い出しております。明日、祭典と一大イベントを控えて、祭典奉仕する神職としては参籠(さんろう:お籠もりの事)の晩ですので、静かに自宅で早寝するところですが、やはり礼儀を尽くしておきたいという「心の声」に従ってライブに行きました。本来は酒は飲まずにライブを観てご挨拶をして早く帰ろうと思ったのですが・・・。やはり良い音楽を聴きますと血が騒ぐと言いますか、ビールを飲んで盛り上がってしまいました。今だから言えますけど。そんで代行を待つ間、時間が45分程かかるというので、しょうが無いので駐車場近くの居酒屋「暴飲暴食」でマスターと客私だけで野球を観ながら代行が来るまでもう一杯。一世一代の祭典の前日にここに居ていいんかい?みたいな夜でしたが、当日は大成功でしたので良かったんだと思います。懐かしー。

と、言うわけで遅くなりましたが田んぼ学校の稲刈りのご報告です。本年は晴天に恵まれました。参加者も締め切りすぎても申し込みが3名という状態でしたので、到る処に「ヘルプ!コール」しましたら、結果、過去最高の参加人数になって、早乙女の装束を急遽借りたり、田男も早乙女も増員ということで結果オーライでした。本年は作柄も良く、お米も過去最高の取れ高で豊作でした!

稲刈り報告祭で田男・早乙女が神様へのお供えを伝供(でんく)して貰いました。雅楽会の先導と演奏の元、神饌田へ移動し、奉耕者のご指導をいただいてから稲刈り。子供達の中には何回も参加した子も居て慣れたもんですね、結局すべて子供達の手で収穫が行われました!偉い。

収穫後は参集殿にて恒例の昔ながらの精米過程の体験講座。脱穀、籾すり、玄米を白米にする精米体験など、稲刈りの後の大変な手間を感じて貰いました。

最後は恒例のゲーム大会ですが、今回は今までのお米に関するクイズ大会より趣向を変えまして、日本の神様「古事記」クイズをするために、先ずは最初に古事記の「かみしばい」を催し、その中からクイズを出題しました。ひねった問題も有り、全問正解者はいなかったのですが、あまり簡単だと子供達もつまらないそうですので、ちょっとは刺激になったんじゃないでしょうか。

今回収穫したお米は来る12月3日(日)に試食会でおむすびにして食べます。穫れた藁でお正月のしめ縄作り講習も併せて開催致しますので、大勢のご参加をお待ちいたしております。