禰宜です。本日三つ目のご報告です。昨日、7月1日(月)午前8時45分~に地鉄立山駅前広場(千寿ヶ原)にて開催されました立山夏山開き『立山・称名滝の祭典』立山夏山開き安全祈願式にお手伝いでご奉仕して参りました。斎主は芦峅寺・雄山神社の佐伯史麿さんです。祭典の後、立山町町長の舟橋貴之さんがご挨拶されましたが、これが良かったですな。立山の魅力はその自然そのものであると共に、黒四ダム、雪の大谷などその自然と共存しながら開発をおこなってきた先祖の苦心の歴史がある。富士山が世界遺産に登録されましたので富士山が注目されているところだが、立山にしかない魅力を発信していきたい、といった概要だったと思いいます。感銘したのは「人のしてきた業績が観光資源だ」という視点です。黒四ダムを見に来た人はその壮大さと同時に、建設にまつわる人の努力と信念の歴史を感じるために見に来るんだと。なるほど、と思いました。
立山は古来より地獄有り、と全国に轟いた有名な霊地です。大伴家持が歌に詠んだ神の山です。潜在的にそういった「何か」がある場所であることは、今後も変わらないと思います。ですが、小さい頃から立山連峰を見ながら育ってきた私にとっては、立山や芦峅寺あたりなんかは「鄙びた感じ」が魅力ですので、「鄙ぶり」を維持しながら栄えていって欲しいです。
さて、祭典終了後、お弁当だ、ということで折り詰めを貰いました。包みの風呂敷から山菜の混ぜご飯がちらっと見えましたので、「鄙ぶり」を感じられるかなぁ〜と期待して家に帰りまして開けてみたら、じぇじぇじぇー、って感じでした。期待を大きく上回る「山菜づくし」の折り詰めでした。
すばらしい。こんな折り詰め、はじめてでしたのでお見せします。
日別アーカイブ: 2013年7月2日
夏越大祓。たくさんのご参列、ありがとうございました。
禰宜です。いや〜今年は2回目ということで、雅音楽祭など色々行事が重なりまして「仕込み」が遅くなり、最後の追い込みが大変でした。私はどちらかというと周到に準備を進めていきたい方なのですが、今回は最後の3日間は夜中の2〜3時まで作業をしました。学生のころの試験勉強を思い出しました。私のこだわりで、人形、茅の輪御守りは手作りで新鮮な物と思っていますので。本年は雨があまり降らないせいかどうかわかりませんが、昨年に比べて茅の長さや茎の太さが少なめのような気がしましたが、新鮮な物を収穫できました。
昨年は香積廣野神社の二宮宮司さんに色々とご教授いただきまして有り難かったです。昨年に教えて戴きながら実践したことを本年は独り立ちして実施しなければいけませんでしたので、なんとかやりきった「達成感」に、本年は包まれました。
大きな茅の輪作りですが、なんとか一人でできるもんですな。家族もいつ兵役に徴収されるか、戦々恐々していたようですが、声もかからず出来上がっていましたので驚いていました。こちらとしては手伝って貰うために声をかける余裕すら無かった、というところが本音でしたが。
本年も昨年に引き続き、近所の方々から近隣の方々まで、子どもからご年配まで広い世代の方に参加戴きまして、お仕えする神職としましてはこれにまさる喜びはございません。連日の夜中の作業の疲れもふっとびました。いゃ、本当に。
皆さんが心身共に清められ、若返ってお元気に夏を乗り越えていただきたく、ご祈念申し上げます。

いよいよ茅の輪くぐりです。左、右、左と三回廻ってくぐります。母親の胎内から産道を通って「生まれ変わる」という意味から「胎内くぐり」とも云われる儀式です。肉体と魂を浄化して新たに「生まれ変わる」という古代日本人の「清浄」に対する考え方がうかがえます。

皆さんに良く聞かれる「茅の輪守りはどこに祭れば良いのか?」ということですが、疫病退散の意味からすれば、家の玄関に掲げるのが一番良いと思います。良く、年末年始に玄関に「クリスマスのリース」や「しめ飾り」をかけておられる様にしていただけるように、フックに掛けやすいように紐を付けて輪にしてありますのでご利用下さい。これを付けるのに私、苦労していますんで。設営上玄関に飾れない場合はそのほかには玄関の中や神棚に置いても良いと思います。舩木家ではご覧の通り、玄関のど真ん中に掲げてあります。ご参考までに。
第二回古事記に親しむ富山中下巻完全読破編開催
禰宜です、いゃ〜、忙しかった。時間に追われながらも何とか乗り切りました、夏越の大祓。アップしたくても出来なかったご報告をアップしていきます。先ずは古事記完全読破編です。今回は2回目と言うことですが、中下巻から参加された方も数名いらっしゃいまして、少しずつに輪が広がっています。古事記は短編逸話、系譜、上代歌謡を流れの中に組み合わせているような構成ですので、途中から参加されましても大丈夫です。割と話としては独立していますので。中下巻を進める上で私が心がけていますのは、上巻からの流れの上に国づくりが語られていますので、その都度、上巻を振り返りながら進めたいです。月に1回の開催ですので、実際に昔の部分は忘れていたり、繋がらなかったりしますので、何度も振り返ることが大事ですね。
今回は「かむやまといわれびこの命」、後の初代天皇である神武天皇が熊野から「八咫烏(やたがらす)」に導かれて北上して苦心しながら連戦、連勝していく「戦記」が「上代歌謡(じょうだいかよう:神代の時代の歌」にのせて語られます。大伴氏や久米氏など、もののふ(侍)として武力でお仕えした氏族の話や物部氏の祖先神である「にぎはやひの命」が登場します。古事記では語られない逸話を「日本書紀」「万葉集」で補ってご説明いたしました。このあたりになりますと日本書紀もエピソードが単一化されてきます。
時間の関係で橿原の宮で「かむやまといわれびこの命」が御即位され、皇紀の元になったあたりの解説が出来ませんでしたので次回に補いたいと思います。日本の建国神話の大事なところですのでみっちりやりたいです。
また、今回は雅音楽祭の後ということで、予てから雅楽の紹介もしたかったので第1回目は「和琴(わごん:やまとごと)」を紹介しました。日本独自の六弦琴で、不思議な音律です。大己貴命が根の堅須国から持ち出したのも「琴」ですし、神霊をお招きする時に奏でる楽器として古事記に出て参ります。「天皇の楽器」とも云われる、和楽器の頂点に立つ楽器だと私は思っています。その素朴な音色は海の彼方から渡ってきた楽器とはちがう「やまとごころ」を感じさせる音です。
最後になりましたが、中下巻から参加されました方は、今、古事記に関する書籍が大変多いのでご自身で上巻を読んで戴けますればより理解が深まると思います。おすすめは「ぼおるぺん古事記」です。コミックですが、原文で書かれていますので、原文の素読にこだわるこの会の趣旨に沿った物と感じました。上巻が三冊にわかれています。解説もありますし、なにより愛らしい「絵」がありますので、すんなりと読めます。コミカルな現代風解釈も楽しいですので是非読んでみられまして中下巻を素読されたら話が繋がると思います。
ですがまぁ、スターウォーズの様に、あとから「エピソード1」を読むのも一興かもしれませんな。