禰宜です。さて、6月28日、いよいよ鷹乃羽雅楽会としては初めて依頼を受けて演奏する公式デビューは岡村耕造市会議員の副議長就任を祝う会の開式の演奏枠です。デビューにはもったいないくらいの晴れ舞台です。しかも富山市長を始めそうそうたる政治家の先生達や支援者、地元の名士たちがお揃いで360名ですからね。結果としましては初めてにしてはなんとかやりきったのではないでしょうか。参加された方々からはお褒めの言葉をいただきましたので、お世辞としても今回はデビューですので素直にうけとめておきましょうか。私はなんと言いますか、感無量に陥ってしまいまして、何個かポカをしてしまいました。なにしろ、一から始めた雅楽会がようやくここまで来たかーと思うと本当に嬉しかったんでしょうね。焦る場面も幾度かありましたがそれすらも試練だ、と思い楽しめましたし、達成感有りました。ひとえに今までご指導を戴いた富山県神社庁雅楽部の講師陣の皆さんと参加戴いた会員の方々のお陰様です。ありがとうございました。ですが雅楽会としてはこれからが本番といいますか、活動が本格化していきますので練習も本番を想定した内容にシフトアップしていくことになりますのでお互い頑張りましょう。(写真撮影:川嶋一人広報部長)
初めて用意して戴いた控え室。カナルパークホテルは比較的新しいホテルですので良い感じです。
いざ会場へ。まずはリハ。
リハの様子。このあたりで私の頭は午前中の仕事疲れや、感無量から来る浮かれポンチ気味にあったと思います、今から思えば。
本番前ですので軽く打ち合わせのつもりですが・・・
なんと3弦がプツリと切れ、私の脳内もプッツン逝ってしまったようです、冷静な顔してますけど。本番10分前ですから弦の交換をして調弦する時間はぎりぎりか、押してしまいかねるピンチです。弦の交換が出来たとしても新しい弦は伸びますので演奏しながらチューニングをしないと調律が下がっていきます。いつも練習していますからなんとかするしかないですね。
今回は楽箏に生田流かたかご会の水谷先生に参加して戴きました。以前からかたかご会の琴演奏会には雅楽部で客演していましたので快く引き受けて戴きました。
最終打ち合わせ。この頃、私は弦の張り替えやらで本番の時間が迫っているのを忘れていたりして。
なんとか本番スタート。一曲目の越殿楽は客入りのBGM的に演奏しますので15分〜20分ほどですから長丁場です。
360名をお迎えするにはやはりフルオーケストラで望まないと。これも私の過去の経験からそう判断しました。一度、300名以上の宴席に3名で雅楽演奏に行ったことがありまして、会場を見たときに「しまった」と思いました。場の雰囲気に飲まれてしまった篳篥奏者の手元が震えているのを見まして、それ以来、場に合わせた演奏体制を心がけています。演奏者の技量にも因りますけれどね。大勢いれば良いと言うことでもありませんが、今回はこれで大正解です。大勢で演奏すれば長い時間でもなんとか乗り切れるものです。
参加者がぞくぞく入場されます。お迎えする音楽としてはやはり雅楽は良いと思います。宴会の最中のBGMとしても良いのでは無いでしょうか。酒胡子(しゅこし)とか胡飲酒(こいんじゅ)とか傾盃楽(けいばいらく)とか、お酒の文字が入った曲がいっぱい有りますので、そもそも宴席に演奏した曲では無いかと思います。
客入りのBGMということでお客さんも何となく聞き流しながら待ち時間を過ごして戴いていらっしゃるあいだの演奏です。ガン見されてるわけではないので演奏者もあまり緊張せずに演奏できたのでは無いかと思います。おもてなしの雅楽、なかなか粋な感じかも知れません。
お客さんが全員入りましたら、あらためてオープニングということで、神楽舞「朝日舞」の演奏です。編成を変えまして中央に舞の舞台を空けるために左右に分かれます。
舞人は四方神社の禰宜さんです。
禰宜さん曰く「久しぶりに気合いを入れて化粧をした」とのこと。気合いを入れるところがはたして正しいのかどうかはコメントを避けたいと思います。
衣装は女子神職の正装です。采女装束を基本に神道の祭祀をするために動きやすく改良された比較的新しい形態の装束です。
装束が鮮やかですので、皆さん、そちらに注目されますので演奏方は気楽です。
おしまいの一礼。後で聞いたのですが、舞台の左右に大スクリーンが降りてきて、舞人をカメラが大写しでリアルタイムで写していたそうです。気合いを入れて化粧をした甲斐があったかどうかは不明。