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祝・古事記撰上1300年(旧暦正月28日)

禰宜です。まずもって天皇陛下の手術の成功の報に触れ、御安泰をお喜びすると共に一日も早い御快癒を御祈念申し上げます。
さて、本日は予てより申し上げておりましたが古事記撰上1300年の大きな大きな節目の祝い日であります。2年前より有志の方々の会で有ります「ひもろぎ苑」で取り組んできました古事記の素読会を新川神社でも開講する準備が整いまして、満を持してこの日を迎えられたことは、新川神社の御祭神で有られます大己貴命(おおなむちのみこと)をはじめとする神々のお導きによるものと感謝する次第です。お一人でも多くの方々と共に我々の共通の先祖が語り継いできた神語りを共有して行きたいと思います。
特に、新庄御鎮座400年を平成28年に迎える新川神社の氏子の方々にこそ、参加をしていただきたいです。

古事記を読むことによって新川神社にまつられている神様の事がよくわかりますし、こんなにすばらしい神様が守っていらっしゃる新庄の土地に住んでたんだなぁ、と感じていただければ神様もお喜びになられ、ますます神様のお力、御神威が高まられるのです。神様のお力の源は皆さんからお祈りをされ、敬われることです。これがないと神様もお力を発揮できないのです。神様のお力が強くなれば強くなるほど新庄の町を護られる力が強くなっていくわけです。(このことは御成敗式目という武家の法律の第一条に書かれていることです。また別の機会にご説明いたします。)神主としてはこれに勝る喜びはないわけです。こうなれば神主冥利に尽きるといいましょうか。
なぜ、我々日本人は神を祭ってきたのか、なぜ伊勢神宮と氏神の御神札を一緒にお祭りするのか、なぜ鏡が神社に飾ってあるのか、などなど素朴な疑問の答えがすべて古事記が解き明かしてくれる事と思います。古事記を読むと日本の国柄がわかってくるような気がします。おおらかで、明るく、清い心で、力強く生き抜いてきた私たち共通のご祖先の物語です。「素読はむつかしい」と先入観で切り捨てずに一度体験してみられませ。最初は慣れるまでとまどいもあるかとおもいますが、慣れたら病みつきになること請け合います。
さて、話はかわりますが今朝、お宮に行くときに玄関を出たところで、ふと、何か神々しさを感じまして空を見上げましたら、屋根の軒先に龍の髭のような「氷柱(つらら)」がありました。さすが水を司る霊獣、変幻自在の龍神さんはこんなところにも顕現されているんですね、ご苦労様です。

龍の髭つらら

天皇陛下御病気平癒祈願奉仕

御病気平癒祈願祝詞

明日の祈年祭・鎮火祭に併せて祈願される祝詞

禰宜です。一般の方々はご存じないかと思いますので、この機会に少しご紹介をしようと思いますのが臨時の祈願祭の事です。神社のお祭りは昔から日時が決められた恒例のお祭り、いわゆる「鎮守の村のまつり」ですね、春祭りや秋祭りの事です。その名も「恒例祭」と言われる祭りに対して、臨時におこなうお祭りとして「臨時祭」があります。神社の恒例祭の多くは公共の安泰を祈るのが眼目で、御祭神のゆかりの日付を選んで神様の御神徳を讃えると共に国の安泰、すなわち御皇室の御安泰を祈ることが時代を通して祝詞で奏上されてきました。それに対して臨時に行われるお祭りであります臨時祭は、国家として大きな事柄、突発的に起きた国難に対して全国の神々に大和朝廷から使者を派遣し神々に祈り、早急なる事態の終息を国家としてお祈りしてきたお祭りです。元寇の時や、天災、異常気象の時など随時おこなわれてきました。今日でも事あるごとに、全国の神社を統括する神社本庁から富山県神社庁を通じて「かくかくしかじかでこのような祈願をするために各神社で祭典を行い、数多くの参列者と共にお祈りをしてください」という趣旨の通知文と共に祝詞の例文が郵送されてきます。今月も神社本庁・富山県神社庁から天皇陛下が2月18日に手術をお受けになられるので当日、あるいは手術前に病気平癒祈願をして手術の成功を祈ることと、御快癒の発表があるまでは毎朝お祈りするように通達が有りました。併せて来る3月11日は東日本大震災より1年が経過するに付き、原子力発電所の状況も含め、未曾有の大災害の影響は今尚深刻であるので神社界一丸となって被災地の一日も早い復興と、被災されたすべての方々に一日も早く平安が訪れることをご祈念するために、より多くの参列者と共に祭典をするようにと同じく例文祝詞が送られてきました。早速、例文に従い墨筆致しまして準備を整えました。

陛下の御病気平癒祈願は本日が手術の日ですので早朝に御祈願申し上げました。明日は新川神社の祈年祭・鎮火祭です。昨年に設立された新川神社新庄鎮座400年記念事業奉賛会の結成報告・事業完遂祈願祭も併せてお祈りしますので、本年はお祈りごとが多い祈年祭となります。

まずは神様に祈り、そして行動する。天つ神、国つ神、やおよろずの神達に「我々を良き方向にみちびきたまえ」と祈ってから行動してきたのが我々の祖先が歩んできた道です。神さながらに歩む道・かんながらの道、すなわち「神道」であります。

我々は人間ですので時として過ちを犯します。行動する前に神前で祈ることによって神様の魂と繋がって、「もし、間違った方向に行きそうになったら、正しき道へ導いてください」と、誓いを立てるわけです。このように大和朝廷の時代から今日でも変わらず、その精神は受け継がれています。昔は国家機関である朝廷や政府からお達しがあったのですが今は神社本庁から随時お達しがあり昔と変わらず、国家の安泰をお祈りする、それが全国の神社、神職のお役目で有ります。

多分、わたしがのほほんと暇そうな顔をしていたのだとおもいますが、たまにお祭りのあとに氏子さんから「あんたらいつもお祭り無いとき、なにやっとるがよ」と聞かれることが有りますが、賑やかな、屋台が境内にでる縁日だけがお祭りでは無く、人知れず祈りを捧げる、静かなお祭りもある、ということをご紹介しておきます。

そして我々神職の世界では歴史的に見ても、いちいち自分の事を「あーしたこーした」と、そのようなことを大っぴらには表だって言わないのです、どちらかというと。人知れず日夜、国家の安泰を祈る伊勢の神宮の祭祀がそうですし、その最たる御存在が天皇陛下でいらっしゃると思います。

国家として大きな国難に対峙する今の日本を支えるべく、先ずは皆さんと共に祈り、そして行動して行きたいと思います。

「古事記に親しむ」開講のご案内

「古事記に親しむ」おもて

 

「古事記に親しむ」うら

禰宜です。本日、以前にここでご紹介していました「古事記に親しむ」の募集要項の原稿が出来ました。目下印刷中ですが、お約束通りいちはやくここでご紹介いたします。ご希望の方は、「ホームページを見ました」と付け加えていただいて、電話にて申し込みください。皆さんと大声で「言霊の幸(さき)わう国」の神語りを楽しむ時間を共有できることを心待ちにしております。お試しでも結構です、お気軽に体験してみてください。 この古事記講座は、歴史のべんきょうをするのが目的ではありません。古典を声を出して、理屈抜きで読むことによって、なにかしら感じる日本人のものの考え方に触れること、再発見することを大きな目的としていますので、学術的知識はなくても大丈夫です。少しずつ興味が湧いてきたら図書館や本屋で見られたら良いと思います。逆に、歴史好きでいろいろな知識をお持ちの方は一度それを取り祓って、初心に返って素読すると、今までに無かった再発見があるかもしれません。巷には古事記や神話に関するさまざまな記述や解釈があふれていますが、原文を素読すると気持ちの上でぶれなくなります。原文に書いてあることと、想像の解釈の境界線が自分自身でわかるからです。私自身、古事記原文を読みはじまましたら、今まで気がつかなかった色々なことが点と点でつながっていくような気がします。

(ご参考)「古事記に親しむ」は日本文化興隆財団主催「古事記に親しむ」の講義を基調として進めます。
日本文化興隆財団 http://www.nihonbunka.or.jp/

日本はなぜ世界でいちばん人気があるのか

竹田恒泰氏講演会ちらし(PDFファイル)

禰宜です。神道政治連盟という富山県神社庁の組織の時局講演会のご案内です。
講師は竹田恒泰先生です。旧御皇室である竹田家の御子孫であられ、明治天皇の玄孫にあたられるお方です。
2月19日(日)午後3時〜4時30分、名鉄トヤマホテル 4階です。
参加無料ですので是非とも参加されてください。
私も拝聴したいのですが、この日は新川神社の祈年祭・鎮火祭の日なので残念です。

立春のめでたき日に焼納祭斎行しました。

お供え物は米、酒、塩、水。右は火打ち石。左の箱の中は切り麻という、紙吹雪に麻を細かく刻んだものを混ぜたお祓いの物。

禰宜です。本日は立春で、暦の上では春が立ち上がる日です。ちらほら雪が降ってはいましたが、早朝に正月三が日以降にお宮に寄せられた古い御神札や御守り、しめ飾り、書き初め、年賀状などお祓いをして焼納いたしました。京都の石清水八幡宮で修行中は、節分行事で有名な吉田神社にお手伝いにいっていましたので、その当時の思い出などを思いながら丁寧に最後の最後、燃える物がなくなるまで焚きあげていきました。吉田神社では節分の夜、11時に直径5メートル、高さ5メートルの八角形の柱型の網で囲った巨大な火炉を設置、祭典をし、清らかな火でたきあげる火炉祭が有名です。ものすごい火柱ですよ。富山の左義長の様な感じです。たくさんの方々が祈りを込められたお札や御守りを焚きあげたその火柱が天を焦がすときに春が立ち上がるので節分の夜に火を焚くそうです。私もそういう意味を込めて、立春の早朝に祭典をいたし、お焚きあげいたしました。みなさんの祈りが火柱に乗って高天原の天つ神たちに届くと良いですね。

点火。天に昇る火柱。

今日は節分・豆まきじゃ

新川神社の福豆


鷹じゃ。昨日から大雪が降ると天気予報に脅かされていたものの、新庄はさほどの積雪では無かったようじゃ。
さて、今日は節分。寒の入りも今日で終わりで明日からは春立ちあがる立春である。古くは立春が節気による正月とされたので豆まきをしたんじゃな。「まめ」は「魔を滅する」といったりしてな。元来、穀物には邪を祓う力が強い穀霊が宿ると言うから豆を撒くとも言われるし、いろいろじゃな。まぁ、祝い事の祭りや厄年のお祓いに「豆餅」を供える習慣があるところもあるんじゃが、要は「まめ」に働いて運気を「もち」あげてもらおう、という願いが込められておる、と言えばわかりやすかのう。
立春前の節分の日に、久しぶりの青空がまぶしいのう。北陸は雪が積もると除雪がたいへんじゃが、けっこう娑婆は夜でも雪の白さで明るいし、晴れたらきらきらと輝いて眩しいくらいじゃから、なんかすがすがしい気持ちになるのう。

節分の青空。明日から春じゃ。

病気平癒御守り謹製中・ひさしぶりの光景

和の文様:雪輪

 

禰宜です、よく降りますね。除雪など大変ですが、雪は古くから豊年の「瑞兆」とされ、和の柄として「雪輪(ゆきわ)」という雪の結晶を意匠化したものもやはり「吉祥文」として用いられています。私にとっては初詣で混み合う正月に降られなかったので御の字なんです。良いよ、今なら降っても、って思えるのは私だけですかね。雪が降らなければ困る方々もいらっしゃるのでこの際、「今日は涼しいのう〜」と涼しい顔して喜んで雪と戯れますか。

新デザイン案

さて、病気平癒の御守りが初詣にいらっしゃいました参拝者にすべて授与いたしまして、早々に在庫切れとなりその後お授けすることができなくなりまして大変申し訳ございませんでした。ただ今、装いも新たに謹製中でございますので、少々お待ちくださいませ。今回は五色の自然色を基調にした、お持ちいただけるだけで「元気」が戻って「病んだ気持ちを穏やかなな気持ちに癒やす」ようなデザインを考えました。病気の方が少しでも晴れやかな気持ちになっていただければうれしいです。完成して納品されましたらお知らせいたします。

昨日、久しぶりに我が家の社務所部分の屋根雪おろしをいたしました。すぅーんごい、久しぶりのシッチュエーションでノスタルジアにひたるんじゃないかと思いながら屋根に登りましたが、そんな余裕は無かったです。でもいつもは私の部屋からは見えないのですが遠くに立山、見えたのはうれしかった。高校生の頃は屋根雪を降ろした後はそのまま下に降りれたので、まだ昔に比べればたいしたことは無いですね。鷹さんはいつもこんなに見晴らしの良いところからいろいろな物を見ているんだなぁと改めて感じました。

なんか、受験の年に雪よかししていたかも。

 

古事記撰上1300年の佳節を迎えて素読会「古事記に親しむ」開催の件

禰宜の舩木信孝です。遅ればせながら、明けましておめでとうございます。本年もがんばっていろいろとやっていきたいと思いますので、たまにのぞいてみてください。さて、鷹さんのご報告の通り、年末年始にmacの調子が悪化しまして、忙しい合間をぬいながら新しいシステムに移行していました。完全復帰というわけではないですが一応は落ち着きました。

「古事記に親しむ」素読専用の本

和銅五年正月二十八日 謹上

読みやすい大文字に大きなふりがな付き素読本

さて、本日は古事記撰上1300年の佳節を迎えます。和銅5年(712)、語り部である稗田阿礼が暗唱していた天皇の系譜と古い伝承を、太安万侶が初めて文字にしました。
その古事記三巻を正月の二十八日に時の元明天皇様に献上されたのです。正確には旧暦ですので本年の2月19日をもって1300年となります。ちょうど、新川神社の祈年祭・鎮火祭のお祭りの日にあたります。新川神社では平成22年2月より有志の会「ひもろぎ苑」(主催者:向新庄町・今井均氏)で古事記の素読会を始めて今日まで続いています。
このおめでたい年に、新川神社の総代会と協力して「古事記に親しむ」素読の会を開講したいと考えています。詳細が決まり次第、ここでも募集をかけたいと思いますので、「ちょっとためしに読んでみるか」の好奇心で結構です、体験してみてください。古事記を原文で読む、ということはむつかしいのではと心配されるかもしれませんが、大丈夫。素読専用の読みやすいテキストを準備してあります。私の息子(小6、小4)でも読んでいますので心配いりません。

古事記の口語訳やまんが古事記など、今日ではたくさんの種類のものが発行されています。これも補助的なテキストに使いますが、一番の醍醐味はやはり原文で素読するに限ります。そこには、文字のない時代から日本人が語り継いできた言葉がそのまま書かれているからです。古事記を素読すると、まさに悠久の時空を超えて私たち日本人の祖先の心に触れることができます。
とりあえずは、正月二十八日の良きお日柄ということで、新年のご挨拶旁々お知らせまで申し上げます。
(ご参考)「古事記に親しむ」は日本文化興隆財団主催「古事記に親しむ」の講義を基調として進めます。
日本文化興隆財団 http://www.nihonbunka.or.jp/

新庄中学校第38期卒業生御一同様 奉納品「鈴の台」

 
新川神社の禰宜の舩木信孝です。平成23年1月30日午後6時30分、新庄中学校第38期卒業生の皆さん25名が、四十二の厄祓・初老祝いの御祈願に参拝されました。その節に古来より厄年に当たる者達は神社に何かを奉納することによって厄を落とすという習わしがありますので、「神社に必要な物を作って神前にお納めしたい」との志により寄付金をお預かりいたしました。ちょうど、御祈祷の時に参拝者に鈴振りの祓えをするのですが、その鈴を置きやすい台が欲しいと思っていましたので、ご寄付によりそれを作ることにしました。
御神前に置く物ですし、神様の御神威を込める重要な神器であります鈴の台ということで、ここはひとつ、良いデザインでオリジナルの物を作ろうとこだわりまして、井波の彫刻家・南部白雲氏に製作をご依頼致しました。鈴を置く首輪の角度、五色の絹をスムーズに置けるようにお願いいたしました。結果、雲形の彫刻をあしらった神々しくも清楚な新川神社オリジナルの鈴の台が出来上がりましたので、取り急ぎ、この場にてお披露目いたします。この鈴置き台は他にはない独自のデザインですので、私自身大変うれしく満足いたしております。これで私自身も気分良く鈴を持てますし、安心して鈴を置けることが出来ます。神様もお喜びのことと思います。新庄中学校第38期卒業生の皆さん、誠に有り難うございました。38期の皆さんがお宮に来られましたら、気軽に私に一言かけて下さい。間近でで見ていただこうと思いますので。

新川神社で御祈祷参拝者にほどこし致します鈴振りの儀式には大きく二つの意味が込められています。ひとつは神様の御神威(ごしんい:神様のご利益、お力)を鈴の音に託して参拝者の皆さんにお配りすること、もう一つは、古来から清らかな鈴の音には魔を除ける霊力があるとされ、鈴の音によって邪気を祓い、参拝者自らの身も心も清め祓う、という事です。

我々日本人にとりましては日常的に何気ない物ですが、神道の祭祀儀礼の中でも鈴には実は深ーい意味があるのですよ。詳細はまたの機会に。「神道よもやま話」に書こうと思っていますのでしばらくお待ち下さい。

新川神社新庄御鎮座四百年記念事業奉賛会始動

はじめまして、新川神社の神職で禰宜(ねぎ)の舩木信孝ともうします。宜しくお願いいたします。当ブログのカテゴリー「ご案内」では私が神社や総代会、奉賛会に関する情報をお知らせいたします。神使であられます鷹さんのカテゴリー「たわごと」と共に宜しくお願いいたします。

平成23年11月14日午後7時より9時 新庄町第一公民館にて新川神社新庄御鎮座四百年記念事業奉賛会設立の会議が行われ、総代会、責任役員、氏子町内会など氏子有志参集の元、規約、役員、趣意書など慎重審議され、活動を公に始めることが可決されました。今後、具体的な計画が審議されていきます。その都度、お知らせできることを広報いたしますので宜しくお願いいたします。

会議前の会場の様子 新庄町第一町内公民館