令和元年12月8日第30回お宮で飲もう会

宮司です。昼間の田んぼ学校しめ縄作りとコシヒカリ試食会に続きまして「お宮で飲もう会」。
しかも記念すべき第30回を迎える日となりました。
昼から夜までと準備も段取りも一日でやりますので大変といえば大変ですが、神饌田のおにぎりを大勢の方に振る舞うことを考えると一日通じての開催でないとかえって手間が増えますし、全て一日に集約した方が日程的にも準備も後片付けも一度ですみますので、毎年12月の第1日曜日に開催しております。

今回は記念すべき30回目ということで、何かプレミアムな事をしたいなぁと思い、とりあえず案内チラシには「なにかいいことあるかも」と文字だけ入れておきまして、後から何にしようか?と考えておりました。結果、宮司からプレゼントということで400年祭にも製作した特別バージョンの木札御守を製作いたしました。寒中禊ぎ参加者に授与していた御守です。特別バージョンは赤色の紐に決めてましたので今回も400年祭の「町新庄祭騒動」と同じ赤紐で。神紋の「違い鷹乃羽」と若鷹会の「モダン鷹乃羽」が刻印されていまして、「令和」のかの文字をトレースしてあります。

今回も沢山の差し入れ有り難うございました。あやなさんはモツ鍋とキムチ鍋を。いつもありがとうございます。南日味噌さんからもネギ味噌。お酒のつまみに最高です。小川頭からは貴重な酒「梵」、川森・米山さんからは酒「九頭竜」。内山さんからは自家製の米粉のパンとチーズ、バターなど。春日さんからはお菓子を沢山。貫江総代会長さんからはおにぎりの梅干し、漬け物を沢山。九曜さんからはお酒のつまみのお総菜。他にもワインや色々な物を差し入れいただき毎回ながら感謝いたしております。
今回急遽12月21日16時より「良楽のカレーなる落語会 その1」が当参集殿で開催されるに付、主催者の城生さん、三遊亭良楽師匠も参加いただきまして、今話題の「スパイスカレー」を差し入れしていただきました。
宮司からは恒例の宮司セレクト酒5本。宮司仕込み自家製御神木梅酒を5本差し入れです。

会費3,000円女子2,000円でこの充実した内容は皆さんからのお志による事と感謝申し上げます。

今回は過去最高の申し込みで61名の参加でした。机20脚で3名座りですので御誕生席も作ってギリギリでしたが、嬉しいことです。近隣の町内会からも、遠方からも、勿論地元新庄からと、入り乱れての会ですのであまりこういった感じの会は珍しいかも知れませんね。

宴たけなわの頃、今回は重大発表がされました。
小川博司頭が頭専用みこし特攻服を着て登場。御代替わりと飲もう会30回目の節目にも当たり、永年勤めた頭を引退すると発表。2代目頭を野村幸生(ゆきお)氏に指名ということで頭特攻服を脱いで2代目に渡しました。突然の出来事に皆初耳でしたのでビックリしたかと思いますが、2代目の野村氏は堂々と所信表明を語り、皆拍手にて承認戴きました。よかった、よかった。

顧みしますと、平成25年3月に第1回目のお宮で飲もう会を開催したと社報「鷹乃羽」に記録されていますので丸7年間、忙しい中を共に地域活性化、新川神社400年記念大祭の成功に導いて戴きました事は感謝の念に堪えません。
400年祭の計画段階で貫江奉賛会長(当時)と、「若い世代との関係が途絶えてしまっている総代会に如何に青年会を再興するか」との課題を相談していたときに丁度まだ若いのに町内会長になったばかりの小川君に相談してみよう、ということで最初に舩木家の座敷でお酒を飲みながら相談したことを今でも思い出します。

一番古い写真が平成25年5月17日のお宮で飲もう会。参加者10名ですよ。写真を撮ったのが私の弟ですので。本当の内輪ですね。しかも古い社務所で。今は倉庫になってます。なつかしいですね〜。

第2回お宮で飲もう会 at社務所

此の後、「寒中みそぎ・鎮魂作法錬成会」が始まり、愈々若鷹会が結成されまして今日に至るわけですが、小川さんにはその都度、参加者を集めるために行く先々で「新庄もん」をキーワードに集めて戴いた成果が今日に繋がっているのです。次第に「寒中みそぎ・鎮魂作法錬成会」や新川神社の春祭りの神輿担ぎの復活を試みる中で祭り好きな人々も参加して戴いて活気に溢れた神輿渡御、神社行事が出来るのはこの「お宮で飲もう会」の定期的開催が礎になっています。

そういう意味でも小川頭には公私に渡り、新川神社を新しい舞台に引き上げてくれたと感じております。
現在の参集殿は小川頭の経営する(株)オリバーの設計施工で、大勢の方々が居心地の良い建物ということで吸い寄せられるように集まってこられます。此の場所だから参加して戴いている方も少なくないと感じて居ります。中で使用する机と椅子はどうしても経費が及ばなかったので(株)オリバーに寄進していただきました。デザインがシックで参集殿に似合いますし、丈夫で使い勝手が良い物です。
若鷹会結成時も、400年祭に併せて神輿を人力で担ぐ事を復活させるに当たり、オリジナルのハッピを作る企画、そして経費を全て負担して戴きました。これもなかなか出来ないことだと思います。

平成28年の新川神社新庄御鎮座400年事業の「町新庄祭騒動」でも全町内神輿巡行の先導として、見事途絶えていた神輿担ぎを復活させてくれました。

その後も継続的に行事を進めてくれましたが最後の大事業としましてはやはり「次世代への継承」です。我々の先輩方が成し遂げられずに途絶えた青年団。次世代に繋ぐ事は新規に立ち上げたときのパワーを如何に持続させるか、これも大変な事です。
若鷹会の運営も年中行事が安定して次世代の若衆の頭ということで世代のひとつ若い野村君に特攻服が渡されたことが、実は一番大きな実績かも知れません。

小川初代頭、本当に7年間の長い間、ありがとうございました。
今後は顧問として2代目野村頭の相談役として吞みに来て下さい。

ということで第30回目の「お宮で飲もう会」は過去最高の参加者と御代替わりに併せて頭も世代交代というプレミアムな一時となりました。今後共新しい2代目野村頭共々若鷹会をご贔屓に。「お宮で飲もう会」にてお待ちいたしております。

次回は令和2年2月2日「寒中みそぎ・鎮魂作法錬成会」の直会になります。
特に厄年の方、新社会人を迎える方、今までの自分から新たなる自分へと生まれ変わりたい方、お待ち申し上げて居ります。

 

令和元年12月8日田んぼ学校しめ縄作りとコシヒカリ試食会

宮司です。本年も田んぼ学校の収穫の成果を五感で感じる最終の行事「しめ縄作りとコシヒカリ試食会」が開催されました。この日はしめ縄講習ということで参加された方もいらっしゃいまして子供、大人総勢で51名の参加でした。

先ずは集合の後神社にて参拝のため、手水をいたします。本式の作法をお伝え致しました。
左手、右手と清めて口をそそぎ、最後に次の人のために持ち手に水を流すという他人への「気配り」が手水の本式の作法に込められておりますので、ここは時間をかけてでも「キチン」とお伝え致しました。

修祓でお清めのお祓いを受け、金岡宮総代副会長に併せて拝礼の後、開式の言葉を戴き、参集殿へ。本年は御代替わりということで本年参加者だけの「令和記念木札お守り」を授与するということでこちらもお祓いをしておきました。

その後参集殿に戻りまして愈々本年収穫したコシヒカリの稲わらでしめ縄作り。最初にしめ縄の起源をお伝え致しまして古事記・日本書紀に伝わる神代の時代から今日まで伝わっている物だと言うことをお伝えしました。

早速綯うわけですが、いきなり一からというのも難しい過程がありますので綯い始めの所までは予め私が左綯いになるように仕込んでありまして、その続きを綯えば完成する仕組みになっております。

実はしめ縄を編むのは神主の仕事、専売特許ではありませんで、元々は農家の方々の農閑期の仕事で有り、神社のしめ縄は氏子や氏子青年団が中心になって奉納されてきた流れがあります。
昔は作業用の荒縄やむしろ、わらじなど手作りされていたんですねぇ。
ですから神主の学校ではしめ縄の綯い方は教えて貰えません。県下の神主でも綯えない人がほとんどです。氷見の方とか砺波の方の神主さんは綯われますけど。

大人だから上手いとは限りませんで、上手に綯える子供も居ますし、本格的な神棚のしめ飾りを作って行かれたお母さんもいらっしゃいました。
しめ縄に宮司自筆の「笑門来福御守」の御神札を結んで仕上げに来年の干支のねずみさんのシールを貼って完成!

新川神社の「しめ縄」の稲わらは、田植えから始まって稲刈りに至るまで、清浄を極めた稲わらです。何度もお祓いをし、清き心の田男・早乙女が植えて収穫したお米と藁です。神気溢れるしめ縄ですので、掲げる家門には邪霊邪神は近づくことも出来ないに違いありません。
そして「笑門来福」と御神札に記してありますように、家族の笑い声にまさる「祓いことば」は無いと思いますのでみなさん、楽しく声高らかに笑い声が出る正月をお迎えください。
「しめ縄」一本有れば「神降ろし」ができますので、神事に一番重要な物であることをお伝えして、各ご家庭に神様が来臨されて新しい年を迎えていただけますように。

しめ縄作りを終えましたら、皆さんが収穫した神饌田米の「コシヒカリ」の試食会です。
お茶碗にラップを敷いて炊いたお米を乗せ、具材は好きな物を乗せて自分で握ります。
具材は定番の梅、昆布、の他にシーチキン、鳥そぼろ肉、鮭フレーク、鶏の唐揚げなど子供に人気の具材を準備しています。おかずには昨晩より神社スタッフが精魂込めて作りました「豚汁」です。一晩寝かせてありますので、美味しくて毎年人気のある一品です。やはり寸胴鍋で沢山の具材で作るからですかね、ホント美味しいです。今回51名ということで豚汁の具もほとんど売り切れてしまったので夜のお宮で飲もう会の分まで作ったつもりが足りそうも無くなりました。
おにぎりの方は参加していただきましたご婦人達にお手伝いいただきまして夜の分も握っていただきました。ほんとうにありがとうございます。

さて食後は古事記かみしばいです。古事記のはなしもズンズン進みまして、今回は第11代垂仁天皇の御代のお話しです。サホビメとサホビコの悲しいお話し、ホムチワケの奇瑞なお話し、タジマモリの帰化人忠誠譚など、小さな子供にはむつかしい内容ではありましたが、「かみしばい見とらんと、クイズの正解がわからんよ」と、前置きしてありますので、子供達の目は真剣そのもの。お菓子ハンターの目ですな。

最後のイベントは古事記とお米のクイズ大会です。質問に対し、「ひ・ふ・み」の3択で、正解者にはお菓子1つ貰えます。箱に入ったお菓子群から選びますので、みんな自分の好みのお菓子を選ぶのに必死です。一人一個なのですが、幼児には理解できませんので「つかみ取り」している子も居たようで、分別有る児童からクレームなどあがったりして大騒ぎです。
クイズは12問ほどありますから結構な収穫ですよね。多分家庭内でお菓子は躾け上、そんなにだばだばと与えられていないんじゃ無いでしょうか、みんな必死で選んでました。

今回は御代替わりということもあり、大人もなかなか答えられないような質問も有りましたが、子供って吸収が早いので現在の小学校では教えない事を正に「田んぼ学校」として伝えるためにも質問に込めました。今回全問初公開したいと思います。毎回質問は少しずつ違いますが、大事な根本の質問、お米はどこから来たのか?とか、なぜ日本人はお米を食べるのか?とか、「チコちゃんに叱られる」的な事は毎回入れてあります。皆さん、全問正解できますか?

最後に田んぼの観察日記を提出戴いた室井環希さん(2年連続)、大津悠佳さんにはご褒美として図書券と可愛い来年のカレンダー、初めて提出してくれた大津悠佳さんには新川神社オリジナル御朱印帳に田んぼの観察日記を「奉納」して貰った証しとしてさしあげました。2年連続の室井環希さんにも御朱印をいたしました。
御朱印って本来そのような意味合いがあるんですよ。写経した経文を社寺に奉納した証しとして押して貰ったとか。ですから、それに習いまして昨年より観察日記を書いてくれた児童には御朱印帳をお渡しすることにしております。

田植え、稲刈りなどのイベントだけで無く、日頃より稲の生育とか、水の出し入れなど普段では気が付かないような事に気づいて貰いたくて参加者には勧めています。
「稲の花」って見たことあります?私も恥ずかしながら田んぼ学校を始めてから知りました。
オタマジャクシやアメンボなどの生物に久しぶりに触れたり、伸びていく稲穂を愛でる気持ちは自分で田んぼをするまで味わえなかった事です。

最後の最後に、宮司プレゼンツ、「令和」記念木札御守の授与をしてお別れです。
元号が令和になって初めての田んぼ学校の田植え・稲刈り・しめ縄作りとコシヒカリ試食会の日付け入りの御守です。余裕を持って50枚作りましたが、参加者盛況で結局すべてお渡ししまして、私の分だけが不足となりました。来年も多数のご参加をお待ちいたしております。

古事記(こじき)日本の神様クイズ
Q1 きょうのおはなしの主人公・すいにんてんのうは何代目のてんのうへいかでしたか?

ひ:10代目
ふ:11代目
み:12代目

Q2 ことし5月1日、天皇のみくらいをおつぎになられましたが、今の天皇陛下は何代目?

ひ:126代目
ふ:100代目
み:260代目

Q3 令和(れいわ)は何の本から考えられた元号(げんごう)でしょうか?

ひ:古事記(こじき)
ふ:日本書紀(にほんしょき)
み: 万葉集(まんようしゅう)

Q4 万葉集ってなにが書いてある本?

ひ:植物図鑑
ふ:古い時代の歌
み:神さまの話

Q5 すいにんてんのうのおこさまのお名前は?

ひ:ホムチワケ
ふ:ホンダワケ
み:タジマモリ

Q6 ホムチワケは何を見てしゃべろうとした?

ひ:へび
ふ:白鳥(しらとり)
み:サギ

田んぼ学校お米クイズ

Q1 お米ってどこからきたの?

ひ:川から流れてきた
ふ:山にあった
み:神様からいただいた

Q2その神様はだれ?

ひ:ににぎのみこと
ふ:あまてらす大神
み: おおくにぬし

Q3新川神社の神饌田(しんせんでん)で育てたお米のなまえは?

ひ: こしひかり
ふ: 富富富(ふふふ)
み: てんたかく

Q4 「いただきます!」のことばの由来は?

ひ:たべもののいのちをもらいます!
ふ:たいせつなものをあたまにあげる
み:作ってくれた人への感謝

Q5 「ごちそうさま!」のことばのいみは?

ひ:料理を作ってくれた人への感謝
ふ:お金をはらわずにただでたべれることへの感謝
み:食べるまでに走り回ってくれた人への感謝

Q6 おこめをあまてらすおおかみからもらって日本にもってきたのはだれ?

ひ:このはなのさくやひめ
ふ:さるたひこのかみ
み:ににぎのみこと

Q6 おこめを日本にもってきたににぎのみことのしそんはだれ?

ひ:てんのうへいか
ふ:さるたひこのかみ
み:このはなのさくやひめ

Q7 新しい天皇陛下が11月14日〜15日大嘗祭(だいじょうさい)で神様に何をお祈りした?

ひ:国民の平和と幸せ
ふ:たべものの豊作
み:悪い奴を追い払って

 

令和元年11月26日感謝祭並びに神宮大麻頒布式奉仕

宮司です。御代替りの儀式の中でも最重要とされる大嘗祭も無事斎行され、新川神社では収穫感謝祭と次年度の神宮大麻と新川神社の御神札の頒布祭を斎行いたしました。

本来は大嘗祭当日に移動しまして行う通達でしたが、当社は二度収穫感謝の大祭を斎行いたしまして今回の御大典に不足が無き様にいたしました。

11月24日令和元年最後の鷹乃羽雅楽会温習

3期生を新たに迎えた令和元年最後の温習になりました。
3月から始まりましたが、途中から参加される方もいらっしゃいまして、なるべく受け入れて差し上げたいと言うことで進めて参りました。真面目で真摯で意欲のある方々ですので、お伝えする我々講師陣もその姿勢に感心すると共にこちらも懸命にお伝えせねばと精進するばかりです。

1期生の方々も家庭の事情や病気などで一時的にお休みされたとしても、再度足を向けて戴けますこと、大変嬉しく思います。2期生の方々も1期生に交じって演奏されている姿を拝見いたしますと本当にたくましく成られたなぁと感慨深い物が有ります。

物事には誰でも「はじめて」の瞬間があります。特に社会人と成り、家庭を持ち、それぞれが何かのために心と時間と気持ちを捧げて生きているんだと思います。
ですが、たった一度の人生です。やりたいことに挑戦する。経験してみる。とにかく飛び込んでみる。このような「場」をご用意できる事に生きがいを感じて居りますので、来年も相変わらず、「雅楽」を通じて魂を磨く時間を共有させて戴きたいと思います。

入門したものの、仕事が忙しくてタイミングが合わないと思われる方々も、気晴らしに吹きに来ていただいて結構ですよ。うちはそのあたり緩いので、何度でも再チャレンジ、リベンジを応援しております。

来年明けて1月5日には近所の荏原新町町内会の新年会で演奏させていただきます。
私は流石にいけるかどうか判りませんので全て鷹乃羽雅楽会にお任せいたしましたので、日頃の成果を存分に発揮されまして新年が良き年になるであろう兆しを広めていただければその通りになるのでは無いかと陰ながらご盛会をお祈りいたしております。

奉祝令和・御神木梅酒ボトリング

宮司です。大嘗祭も無事に納められました翌朝。6月6日に仕込みましたのでまだ半年足らずですが、梅エキスも出ていますし、グダグダになるよりもフレッシュな感じが好きなので天下無双の大祭日に瓶詰めを行いました。
当日は晴天。紅葉も良い感じで気持ちの良い秋空。早速通販サイトでセレクトした瓶を洗浄してボトルに「神のエッセンス」を充填します。こういった無地のボトル、いろんな形・種類があるんですね。今回は梅酒ですのでかっこいいボトルタイプにしました。
今回、白梅と紅梅があるのでそれぞれ漬けようと思ったのですが、紅梅の収穫量が足りませんでしたので白梅と紅梅を半分ずつの量で漬け込みました。いわゆる「ロゼ」ですね。
やはり紅梅を漬け込んだ「ロゼ」は白梅より色が濃くなりました。
「神の精髄(エッセンス)」ですので一滴たりともこぼしたくないので、慎重に充填していきます。無事に全てボトリングに成功いたしました。

それぞれにデザインしたラベルを貼り、完成!
「令和」の元号は万葉集の「梅花の歌三十二首の序文」。宴会で梅を愛でる場からの出典ですので、梅酒で令和を言祝ぐにはぴったりではないでしょうか。
御神前にお供えしてから皆さんと戴きたいと思います。

11月14日大嘗祭当日祭斎行

宮司です。12日の大嘗祭二日前臨時の大祓式に続き、愈々14日は大嘗祭当日祭を斎行いたしました。神社本廳の通達は原則として恒例の11月23日に大祭として定められている新嘗祭を14日に大嘗祭当日の祭祀として日付けを移動して斎行するようにとの事ですが、附記に事情に依り日時を変更しても良いとの事でした。
当社と致しましては11月23日は朝から晩まで奉務神社8社を駆け巡っており、新川神社の新嘗祭は慣例として26日の平日に行っておりました。そこで恒例の祭礼の日時を移動しますと何かとスケジュールや祭礼の段取りが取りづらくなりますので、通達通りに11月14日に新嘗祭同等のお祭りを「大嘗祭当日祭」として、神職のみで斎行し、恒例の新嘗祭は毎年の通り26日に宮総代・生産組合の方々参列の元行うことと致しました。つまり新嘗祭という大祭を2回することとなります。神様の神饌もフルコースを2回。今年は特別な年ですので良いでしょう。神様も今年は喜んで居られると思います。
本来ですと14日の大嘗祭当日の祭祀にも総代各位参列をいただいて斎行すべき所でしたが、日程・諸般の都合上、神職のみで御奉仕いたしました。尚、本年は神社本廳から幣帛料もお預かりいたしましたので幣帛もお供えいたしました。また、お酒も清酒はいつもの羽根屋純米酒、今回は白酒として白川郷の濁り酒をお供えいたしました。魚は当日平鰤(ひらまさ)という魚が手に入ったのでお供えいたしました。私は知らなかったのですが食べると美味しいんです、鰤みたくて。見た目も鰤に似てますし。調べてみますと「ブリ御三家」と呼ばれるブリ、カンパチ、そしてヒラマサの中で、最も脂肪が少なく、さっぱりした魚で、独特の風味があり、身締まりも良く、ブリよりも高級魚とされるそうです。

なんと鰤よりも格上。良い神饌を特別な日にお供えできて嬉しかったです。

 

11月12日夕刻午後4時大嘗祭二日前大祓御奉仕

宮司です。本年御代替わりに際しまして神社本廳より通達にて即位礼諸儀式に伴う各神社での祭典の通達が有り、その中に大嘗祭二日前に大祓を各神社で行い国中を清めましょう、という指令がございましたので、当社でも斎行いたしました。今回は神職の大祓も致しましたが新川神社の境内の四方向、東北・東南・西南・西北と境内結界と我が氏子地域を清めるお祓いを致しました。
「国の大祓」という感じです。

令和元年11月11日第9回日本書紀に親しむ 夜の部

宮司です。さて、10月22日即位の礼に延期されました祝賀御列の儀も10日に無事納められまして大嘗祭が愈々という11日、日本書紀に親しむを開催致しました。

丁度、神武天皇の東征の場面で熊野から吉野に苦戦しながらも進駐するところであります。
来る大嘗祭、そして大饗の儀にまつわる奉祝の諸儀式には日本書紀を元とする神事・芸能が目白押しですのでご紹介しようと思いましてネットで検索致しまして、皇室の儀式の中でも秘儀とされて参りました大禮ですので手がかりを探そうと思っておりましたらなんと、本家本元の「宮内庁ホームページ」に「大嘗宮の儀関係資料」、「大饗の儀関係資料」という名称のPDFがあるではありませんか!
このPDFには今まで何となく伝わっていたような詳細が事細かに図案入りで記されておりました!
これで心置きなく自信を持って参加者に説明出来る訳ですよ、本家本元の資料ですからね。
皆さんも興味があられます方は上記の資料名でググって戴ければDLできます。

先ずは11月16日・18日と二日間に分けて行われる「大饗の儀」に演奏される「久米舞」と「五節舞」の動画を見ていただきました。久米は神武東征に従軍した軍事氏族。丁度今回も読んでいる場面は久米が活躍しているところでした。動画サイトで検索すれば見られますので端折って次へ。

興味深いのは大嘗宮の設営図、また天皇陛下が祭祀を御奉仕されます殿内の図、式次第に宮内庁楽師が演奏される曲目、そして歌詞までも記されてることです。吉野の國栖の古風(いにしえぶり)や御神楽、神社庁雅楽部も演奏させて戴いております其駒(そのこま)も演奏曲目に入っているなど、日本書紀に記されていることが今日まで儀礼として継承されている事、その時が近づいていることを感じて貰いたくて、まず最初にスライドでこの公式資料を見ていただきました。極めつけは天皇陛下が天照大御神、天神地祇に御祈りを捧げられる「御告文(おつげぶみ)」の先例文が5例も掲載されていたのです。これは参加者全員にお渡しを致しました。この御告文を読んでいただければ、新帝が国民を救い、国の平和を伊勢の天照大御神を始め、日本国中の神々、天つ神国つ神にお祈りされることが明確にわかるのです。
「伊勢の五十鈴川の河上にいらっしゃいます天照大御神を始め、日本国中の神々、天つ神国つ神皇神の広いお護りによって国中が平安で穀物も豊かに稔り天下を覆って諸々の国民を救わんと思いますゆえに、今年新たに収穫したごちそう、新米をたてまつりますので、我が身に犯すべき諸々の災いがきざす前に祓い除けてください、不祥事・悪事が来ることが無いように。また高い山、深い谷所々の社に名を記して悪しき呪いをする者を皆ことごとく蹴散らして滅ぼして戴く事、この事は天つ神、国つ神のあつきおまもりをいただきまして為せることでありますので恐れみ、恐れみまして申し上げます」というのがこの先例5例の例文の大筋でございます。僭越ながら現代語訳をさせて戴きました。

私は常々、声を上げて申し上げたいことがありましたがこの歴代天皇陛下の御告文を拝見して確信致しました。

神棚には天つ神である神宮大麻国つ神である氏神神社の御神札を必ず併せてお祭りしましょう、ということです。なぜならば、大嘗祭で天皇陛下が明確にこの神々に御祈りされておいでだからです。我々日本人の本家本元がなされているのですから間違いないです。現存する世界最古の国家をおまもりしてきた神々は我々の家の中においでなのです。

最近、「へんな神道」に少なからず出逢うことがあります。伝統的に伝わっているのに自分勝手な教義をお作りになって、「天照大御神の御神札だけで良いが」という方が少なからずいらっしゃいます。折を見て伝えているのですが「今までなんともなかったから大丈夫」だそうです。

確かに、氏神神社が小さな社で、神職も常駐していない、うらぶれた神社に御利益を感じないから有名大社やTVコマーシャルにお金をかける神社に御利益を求められるお気持ちもわかります。
私が神職ではなくて一般的な国民でしたらそう感じて居るかも知れません。ですが、此所では永くなるので端折りますが、まだまだ少ない年数ですが私の神職としての経験上、皆さんが住んでいる場所を守護していらっしゃるのは氏神神社です。神社は神界への入り口。大きかろうと小さかろうと、神主がいようといまいと、関係無く繋がる場所です。初詣は先ずは地元の氏神さんから。
普通に昔から伝わってきたことには何かしら意味がちゃんと有るのです。そしてそこにはやはり何らかの力が働いているのです。自分勝手な我心の神道は辞めて、今一度基本に立ち返ってみませんか、と声を大にして言いたいのです。皇室という尊いお手本が我が国に君臨されておりますので。

 

 

11月10日鷹乃羽雅楽会温習

宮司です。10月19日秋祭りの奉納演奏を終えまして納会も致しましたが、11月は2回、温習を致しまして本年は修了です。

3月から3期生を迎えての鷹乃羽雅楽会ですが、皆さん熱心に通われまして進歩しておられます。
龍笛は特に音が出るまで、また出たとしても吹き続けるには個人練習が必要で有ろうかと思います。
雅楽を通じて自己研鑽をしていただき、今まで出来なかったことが出来るようになる感動を味わって戴きたいと思います。練習は今まで出来なかったことを出来るようにするための道のり。夜に出来なくても朝起きてやってみたら出来た!なんてことは良くあります。

何事もそうですが、雅楽が上達する人は素直であきらめない人。
人って、未知のことに出くわすと「私には無理!」とか言って、自分に「ブロック」をかけてしまいます。私もそうところがありますが、自分を俯瞰して「あー、自分にブロックかけてるな」と感じたらまずは自己暗示を解いて「やればできる」で取り組んでみましょう。真面目な大人の人程、自己ブロック懸かりやすいようです。身の程知らずの子供が何でも出来るようになるのがお手本でしょうか。今は出来なくても「俺はやるぜ〜」が、良いみたいです。

そうそう、私も「身の程知らずのこども」みたいな所がありまして、まだ雅楽も駆け出しの頃、雅楽楽器の展示販売に先輩と行きましてまだ笙の演奏もかじりかけの時に、楽琵琶が展示してあったんです。高校からギターを趣味でしておりましたので琵琶を初めて見て直感で「琵琶、弾かせてください」とお願いしました。当然、教えて貰ったこともありませんので弾けませんが「いつか、弾こうと思って・・」と言いましたら、先輩が「けっ、そんなもんできるわけ、なかろうが」と上から目線でディスられました。その時はなぜか、自分はいつか弾くことになるだろうと予感していたんでしょうかね、そんな言葉も屁とも思わず「いまにみとれ」というよりか「あんたにゃわからん」と思っていました。生意気ですな、これに関しましては。普段は謙虚な好青年なんですけれどね。
実際に琵琶を持ってみて感じたのが「重さ」でした。ギターよりも倍程重く感じました。これは立って弾けんな、と。その時は当然弾けないんですけど弾いている自分にワクワクしていたような気がします。そして数年後、笙の基本をマスターした後に物やテクニックは後から訪れてきました。

その後神社庁に楽琵琶を神社庁備品として購入戴きまして、富山には楽琵琶を教えてくれる人はいませんでしたので東京の天祖神社の福岡三朗宮司様に習い、こんにちでは富山県神社庁雅楽部は三管三鼓に楽琵琶と楽箏を加えたフルオーケストラで演奏出来るようになりました。

いまでは当時私をディスった先輩には感謝しています。私、頭にきた方が燃えるんですわ。

「未来の自分の姿にワクワクする」イメージをしっかり持っている人。神様もそんな人を応援してくれているんじゃ無いかと思います。音が出ない人、諦めないで続けてくださいね。いつかきっと出来ますから。

10月28日古事記に親しむ昼の部・日本書紀に親しむ夜の部開催

宮司です。この日は昼は古事記、夜は日本書紀のダブルヘッダーです。参加者の中にもダブルヘッダーで参加される方がいらっしゃいますので、しゃべる方も聞く方も真剣勝負です。
今回は「古事記あれこれ」ということで、前回読み残した古事記の「序文」の後半部分の素読と解説をした後に、今回最後まで参加されました方々に証明証と粗品をお渡しいたしました。

全巻皆勤された方には「全巻読破皆勤証明証」を。しかも2回目の方には社紋・違い鷹乃羽が二羽付きます。都合により欠席する回があったとしても最後まで読み切った方で半分以上参加の方には読破証明証をお出ししております。

その後には質疑応答をいたしました。普段はなかなか進行上時間が取れませんでしたが、此の機会に疑問点の受け答えを致しました。参加者からは次から次へと質問が有りまして神道や神祭り、古事記の世界観など多岐にわたり、答えになっているようななっていないような返答でしたが、神代のことは人智を越えた分野ですのでそもそも未知の世界ですのでわからなくて当たり前ですので、良いんじゃ無いですかね、わからなくたって。

さて、午後7時からは「日本書紀に親しむ」です。今回は神代上・下を終えて神武天皇の巻に入りました。その前に神代に当たる巻1〜2のおさらいをいたしました。

私自身も日本書紀の素読は初めてでしたので進め方を試行錯誤しながらでしたので予定より丸2回分送れてしまいましたが、来年から始めます昼の部では上手く進めたいとおもいます。神代巻は「一書」の読み方がキモのようで、本文を本に重要な部分を押さえていく事が大事なところです。

来年は日本書紀撰録1300年の記念の年です。前倒しで始めました夜の部に続きましていよいよ昼の部がスタートします。主婦層の方々やご年配の方は昼の部の開催を心待ちにして戴いておりましたので、満を持して開講したいと思います。

 

10月24日鷹乃羽雅楽会温習

宮司です。さて、鷹乃羽雅楽会は秋の神前奉納演奏を終えて納会も終わりましたが11月まで温習は続きます。最近ここに来て雅楽に興味がある、ということで見学したいという方から数名問い合わせがありまして、雅楽に触れてみたいという方が潜在的にまだまだ居られるんだなぁと感じております。どうしても新規募集が3年に一度になります。本年は1年目ですので2年後の第4期生新規の新規募集を待つか、なんとか3期生に食いついていくかの瀬戸際でしょうか。
先ずは温習の様子を見学されて講師とご相談ください。
本年は残すところ11月10日、24日の日曜日午後6時30分〜8時まで。
12月から来年2月までは休講になり、3月から再スタートします。

10月23日古事記に親しむ夜の部 最終回

さて、3年間全36回の古事記素読の会「古事記に親しむ富山」夜の部が最終回を迎えました。
前回に全て読み終えまして今回は序文の後半の素読と解説をしました。

その後に読破証明書授与式を行いました。読破証明書には4種類ありまして、上巻から下巻の最後まで36回皆勤された方で2回目参加の方、これが最高の証明証です。次に1回目の全巻完読皆勤賞。
中下巻の24回の皆勤賞、そして36回の内半分以上出席のかたで、この日最終回にご出席の方には読破証明書を授与いたしました。
証明証を作成して印鑑を押しておりましたのは天皇陛下御即位礼正殿の儀の10月22日でしたので証明証の日付けは即位礼正殿の儀当日とさせていただきました。

記念品と致しましては2回目の読破者には「歴代天皇事典」、初めての皆勤完読者には本居宣長大人が古事記伝を完成させた後に弟子達の要望により書き上げた国学を学ぶ者の心得を諭された「うい山ぶみ」。皆勤に及ばずとも最後まで読破された方には「神と人と」という敬神生活実践の栞を差し上げました。

その後にこの会に参加されての感想や質問などお一人ずつスピーチしていただきました。

本当に皆さん長い間お付き合いいただきまして有り難うございました。
一言に完読と申し上げましても足かけ5年の3年間、月1回ですが忘れもせずに通われた事は偉業です。自信を持って「古事記を読んだ!」と胸を張って今後の人生を神様と共に生きていって充実した日々をお過ごし戴きたいと思います。

此の会はただ知識を得るための勉強会にあらず。我々日本人共通の祖先の物語に親しむことにより神様・祖先神との魂の交流を感じて戴きまして中今の現世をたくましく生きていく「よすが」となれば幸いです。

来年3月から新たなる「古事記に親しむ富山」が上巻から始まります。
1回読んだ方も2回読んだ方も再度ご参加されまして、一人でも多くのお仲間をお誘い併せていただき、高天原に届くような大きな声の素読会をエンドレスで継続して参りたいと思います。
私のライフワークとしまして天命の限りお供して参りますので来年3月またお会いいたしましょう!

10月19日鷹乃羽雅楽会奉納演奏

宮司です。恒例の秋祭りの宵の鷹乃羽雅楽会奉納演奏を実施いたしました。今年は3期生が神前・人前とも初披露ということで、皆さん緊張して居られたようですが、今までの成果を神様にお聞かせすると共に、何事も「締め切り」といいますか、区切りといいますか総括した方が課題と目標が明確になりますので。そしてインプットしたらアウトプットした方が身につくんですよね、何事も。

演目は平調の音取、越殿楽、五常楽急が全員で演奏。盤涉調の音取と越殿楽を1・2期生で演奏しました。私は楽琵琶にて加わりました。映像は鷹乃羽雅楽会のHPに置いてありますのでご覧ください。

30分の演奏を終えましたら、これも恒例ですが少し時期が早いですが忘年会を兼ねた納会をいたしております。三管の1期生から3期生が一堂に顔合わせすることは年に一度、この時だけなので簡単な自己紹介と感想などスピーチしていただいております。

それぞれにそれぞれの動機や御縁がありましてこの鷹乃羽雅楽会にて雅楽という音楽を通じて出逢っております。音楽をやる以上、上手い下手の技術的な向上を目指すのは勿論ですが、昔の人は殿上人であれ、武人であれ雅楽を嗜んだのは精神性の向上にあると思います。

雅楽を見たり聞いたりするだけでも魅了されますが、実際にみずから演奏をしてみること、みんなと合奏することが一番楽しいことです。自らが演奏することにより音楽への理解度が高まり、さらに見たり聞いたりする楽しみが倍増すること請け合います。
このような雅楽に触れる事が出来る場を提供するのが我々神社人の使命だと感じまして富山県神社庁雅楽講師である髙瀨神社の藤井秀嗣宮司、富山市・熊野神社の横越照正宮司にご協力を戴いてこの会が成立しております。お忙しい中、本当に有り難いことであり大変感謝いたしております。

「神皇正統記」(北畠親房著)より
「〜音楽は四学(詩・書・礼・楽)の一つで政治を行うときの根本である。現在音楽が芸能の様に思われるのは無念、世の悪風卑俗を変えるのに音楽より良い物は無い。〜」

私はいつもこの言葉を座右の銘に致しております。
また、鷹乃羽雅楽会入門の際にお渡ししておりますものに「楽道(がくのみち)の心得」という、いわゆる「おきて」があります。これは後白河法皇が記された「梁塵秘抄口伝集(りょうじんひしょうくでんしゅう)」という文献から私が抜粋して五箇条に整えた文章です。やはり雅楽も「道」として、音楽的な上手い下手も大事ですが、一生をかけて取り組む「ライフワーク」として音楽を通じて素晴らしい人生を過ごすお手伝いが出来ればこれに勝る喜びはありません。
今後もお仲間を増やしながら神様に通じるような音が奏でられるように精進して参りましょう。

鷹乃羽雅楽会 楽道(がくのみち)の心得 
(梁塵秘抄口伝集(りょうじんひしょうくでんしゅう))編者:後白河法皇より抜粋

(1)雅楽の楽器自体に極意が備わっている

三管の奏で方は、雅楽の楽器自体に極意が備わっている

その楽器にかなった心を持つために吹いたり唱ったりするときはその道の先達を志す気持ちで習練すること。

(2)どんなときでも、その楽器と心を一つにすること

声にも「気」があって、楽器を通じて奏でる五声は、みな腹の中の五臓から、声となって生じてくるもの。人としてこうした声を与えられたことこそが、人生なのだ。どんなときでも、その楽器と心を一つにすることが大事である。

音声の大小、強弱、太い細いは人それぞれの素質であるのでその人なりのやり方で習うと良い。

(3)くれぐれも謙虚になって稽古すべし

我流で色々と解釈して慢心し、教えを乱してまで一人で工夫して、歌ったり楽曲を吹いても何の意味もない。最初は師について、稽古のやり方を聞いて習うべき。まず慢心が立つ人は、そういう気風が歌声にあらわれてしまう。くれぐれも謙虚になって稽古すべし。

(4)人を尊重し、自分も尊重し、仁義礼智信の心をもって奏でること

人を尊重し、自分も尊重し、仁義礼智信の心をもって奏でること。まさに文学の道と同じである。心の驕りはみんな、歌声や音色に現れてしまうだろう。雅楽は指揮者をおかないので協調性も技量のうちである。

(5)先人の教えを乞い、怠けるべからず

音楽の調子※は心身の働きに即するものだから、ただちにあらわれてしまうものだと心得るべきこと、大極意である。調子は神の摂理に通じるゆえ、曲がったことは神に受けない。天地の神みな同根から生じるものならば上は帝から民にいたるまで、髪の毛一本にいたるまでこの摂理に支配されている。だからこそ、我執にかられると神に通じてしまうので何の意味もない。先人の教えを乞い、怠けるべからず。 (※調子=音楽の表現のぐあい、勢い、ありさま。)

 

 

令和元年度新川神社秋祭・天皇陛下御即位礼・大嘗祭御安泰祈願祭

宮司です。去る10月19日土曜日、恒例の秋祭に併せて10月22日の御即位礼と11月14日から15日の大嘗祭の御安泰祈願の祝詞を奏上申し上げ、諸儀式の御安泰と新しい御代の平和と弥栄を神々にお祈りいたしました。本来ですとそれぞれの当日に祭祀仕え祭るのが本義ですが、奉務神社秋祭や新嘗祭がそれぞれ予定がありますので、新川神社の秋の祭礼に併せて氏子総代皆様と共にお祈り申し上げた次第です。

当日は土曜日と言うことで会社勤めの方々も大勢ご参加いただきまして賑々しく斎行できました。
ご挨拶でも申し上げましたが、やはり神社の祭礼は人が多く集まってお祈りする事が大事だと言うことです。
私が座右の銘にしております金言です。
神は人の敬によりて威を増し 人は神の徳によりて運を添ふ

この文は北条泰時が貞永元年(1232)に評定衆に命じて編纂させた鎌倉幕府の基本法典「御成敗式目」の言葉です。全部で五十一箇条からなっているその第一条です。第一条は「神社を修理し、祭祀を専らにすべきこと」、その後に続くのがこの文です。

「いかなる神も人間の崇敬をうけてこそ、その御威光を輝かすのであり、御神意を高めるのは人の敬の力である。その人が人としての運、人としての生命を与えられるのは、神の徳によってである」という意味です。神道の立場での神と人との密接な関係が的確に述べられている言葉です。

新川神社は新庄御鎮座400年祭を経て大勢の参詣者がお参りいただくようになりましたので、かなり御神威が強くなったということになりますね。

 

10月13日鷹乃羽雅楽会温習

宮司です。台風19号が心配されましたが、富山の方は13日には通過しているとの予報でしたのでスケジュール通りに開催致しました。ですが、東北・信越・関東が今のような惨状になっているとは思いもしませんでした。

鷹乃羽雅楽会は本年3月から第3期生を募集して新しいお仲間が増えたところですが、愈々10月19日は新川神社秋祭の「奉納演奏」を迎えます。

3期生は初舞台、ということで緊張されるとは思いますが、1・2期生と一緒に演奏しますので大丈夫。練習の成果を神様にお聞かせいただければ宜しいのです。今現在がいたらなくとも、来年、再来年とじょじょに上手くなっていく様を神様が感じていただければそれで良いと思います。

御神前で演奏する事や人前で演奏する事が上達の原動力となります。女優さんも人に観られる職業だから自分を磨くことを怠らないように、我々も神仏に捧げる「音のお供え物」である雅楽を奏する喜びを楽しんでいただければ幸いです。
音楽を演奏する人にとって神前奉納とは名誉なことですからね。

演奏曲目は「平調音取」「平調越殿楽」「五常楽急」「盤涉調音取」「盤涉調越殿楽」ほかです。
午後7時から、本殿にて演奏です。ご自由に見学できます。