月別アーカイブ: 2013年1月

富山CityFMさんが「越中むかしものがたり」放送の取材に来られました。

禰宜です。久しぶりになりますね、更新。書きたいこと、いっぱい有るんですけれどね。お正月の後片付けなど、急いでやらないと次の仕事が出来ない状況にあります。家の座敷は社務所・装束管理室・着替え室・来客応接室・御神札梱包作業所・御守り管理室・雅楽練習所・コピー機部屋・御神札御守り倉庫・祭器具倉庫ですからね。十徳部屋ですな。あ〜もっと広い社務所が欲しい〜。
さて、松の内も遠に過ぎましたので境内も初詣の看板とのぼり旗を降ろして、奉賛会ののぼり旗を掲げました。ピンクのグラデーションでかわいらしい感じに仕上げてみました。まだ寒いですけれども、桜の花びらみたいな感じで華やかな感じがします。昨年は宮総代さん、お世話人の氏子の町内の方々に一軒一軒、ご寄付をお願いに廻って戴きました。本当に感謝です。まだまだ目標には遠いそうですが、平成28年までなんとかたどり着きたいものです。それで今年は崇敬者、もっと平たく言いますと地元の住民では無いけれど、新庄出身で地元を離れて住んでいらっしゃる「新庄育ち」の方々と新川神社の神様の純粋なファンの方々に御奉賛をお願いしたいと思い、お正月御祈祷を受けられました方には奉賛会の趣意書をお渡ししました。もっとわかりやすくご説明などしたかったのですが、お正月期間は待ち時間や大勢の方々の対応であまりくどくどとご説明するのも何かと思いまして思うようにお伝えできなかったことが今となっては悔やまれますが、何卒趣旨をお酌み取り戴きまして御協賛いただきますれば幸いです。
さて、本日夕刻、富山CityFMさんが「越中むかしものがたり」という富山の伝説を朗読する番組のなかで、富山の町の歴史を5分程度で紹介するスポットコーナーがありまして、新庄町の歴史を新川神社の由緒を交えて話して戴きたい、ということで取材をお受けいたしました。当社のHPを見ておられたご担当の方が来られまして、私の好き勝手な放談を録音していかれました。多分、編集が大変だと思いますが、上手いこと繋げて戴けることを期待しております。参考に番組を聴かせて戴きましたが、良いお話ですよ。とやまの昔話は私も好きで、今後は古事記の紙芝居に続いて子供達に伝えたい話です。今後は紙芝居化して広めていきたいと考えていましたので、私自身共感できる番組です。むかしばなしやおとぎはなしって、人と人との物語りもそうですが、動物や物の怪が出てきて人と交わる話なんですよね。昔の人は動物とも言葉を交わして情けを分かち合っていたという話が多く題材になっています。やんわりと倫理観や道徳を語り伝えるむかしものがたりはいつ聞いても心にしみる物があります。是非チェックしてみてください。毎週水曜日、18時30分、再放送は土曜日11時30分、日曜日21時30分。私の出番は2月だそうです。4回に分けて5分ずつ放送されます。
メインはむかしものがたりの朗読ですからね。私の話はおまけの耳汚しですから。是非朗読を聞いてください。チューニングは77.7です。ラッキーセブンですな。
富山CityFM  http://www.city-fm.co.jp

新川神社の成人式「元服祝(げんぷくいわい)」「髪上祝(かみあげいわい)」のご紹介

禰宜です。ようやく、一段落が付きました。本年の正月は天候に恵まれてスムースに事が進みました。昨年は色々と新しい事に挑戦、実施した実りの多い年でした。私自身、ここ近年の中では自分でも満足のいく取り組みを始められたことを実感できた、良い年でありました。今年は昨年始めた事柄をより煮詰めていく、磨きをかけていく年にしたいと思います。英語ではブラッシュアップ【brushup】と言いまして、最近よく聞く言葉ですが、靴にブラシをかけて磨き上げたり、お気に入りの楽器や道具をメンテナンスする時間というのは余裕があるときに楽しみながらしたい時間です。本年は大雑把に動かした活動を本来もっとこうしておきたかったレベルに上げる作業をしていきたいです。このHPもそうです。まだまだ未完成の部分が多いので、ブラッシュアップさせていきます。小学生のページと御祭神について、境内のご紹介など順次進めていきます。水面下で作業は進めていますので、乞うご期待ください。

さて、過日1月14日成人の日ですが、私事で恐縮ですが倅の元服式を執り行いました。一般的には二十歳の成人式ですが、新川神社の成人式は古式に倣いまして数え年15歳男子が元服祝、数え13歳の女子には髪上祝の御祈祷を実施しています。昔の成人は年が早かったんですね、寿命そのものが今より短いですからそうだったのかもしれません。
7〜8年前に富山県神道青年会の中で成人祭の在り方の見直しを課題にして研究した事があります。ご承知の通り、近年の成人式の荒れ様はすでに二十歳の成人祭の形骸化も伴って、あまり意味を成さなくなってきたように感じました。昔は神社へのお参りが多い時代がありましたが年々減少していきまして、今でも継続して実施している処もありますが、本人達が参加するのは稀です。そんな現状に対して神職としてどのように対処するかと議論いたしましたら、原点回帰、温故知新で本来の成人式である元服・髪上を復活させることにしました。ここ数年で年間数は少ないですが、お正月に親子でお参りされていきます。今日は私の倅の長男・信明の元服祝いの様子を紹介します。本当は髪上祝いも紹介したいのですが、何分肖像権の問題もありますので、いづれ協力してくれる方を見つけて、ご紹介します。元服式として男子には男親から金盃に御神酒を注いで貰いまして飲むまね(すこしなめても良い)をして戴きます。女子の髪上式は本来は髪の毛を結い上げる儀式ですが、現代では髪型がそれぞれですので儀式として実施が難しかったので、それに変わる儀式として舞妓さんが塗る口紅をお母さんに塗って貰う儀式をします。貝殻に塗ってある紅を小筆で口紅にさす時にはお祝いの女子に手鏡をもって、その様子を見て貰います。私が初めて奉仕した女の子なんですが、お母さんに塗って貰って大人びた顔をみて、やはり女の子なんですね、ほんとーに良い笑顔で微笑んだあの子のあの笑顔を私は忘れません。なかなか良い儀式ですよ、いつか写真で紹介しますね。

髪上祝には手鏡で紅をさす様子を見て貰います。これが良いんですね、なんとも。母親が娘に口紅をさして上げる様子はなんともいえません。

元服式の金杯。結婚式の三三九度と同じ台座で行います。

記念の御守りの内符。それぞれの銘に神璽印。

綺麗な錦袋。好きな柄を選んで貰います。この御守りは一生物で、お祝いの記念に永久に持っていて貰います。

内符を入れて紐で間口を絞って出来上がり。御守りも古式さながらの物にこだわってみました。

元服式の記念品として儀式で使った金盃を授与します。二十歳になったらこの金盃をもう一度出してきて一杯やってほしいですね。

同じく、口紅初差しの儀に使った京紅を記念品として差し上げます。

京紅のいわれが書いてある紙が同封されています。

今日は元服式ですので私の弟の同級生が42の厄年で奉納していただいた、「とっておき」の綺麗な案で執り行います。

本人着座。制服着用。

祝詞奏上。富山では元服立山登拜が伝統として今日まで継承されています。一応、倅は雄山山頂に登拜済みですのでまぁ、一応は元服を迎えられると言うことになりますかな。

御神霊拜戴・鈴振りの儀。神様の御神威を鈴の音に託してお分けする儀式です。

御神酒を金盃に注ぎます。

御神酒を舐めてみたら苦かったそうです。

倅が選んだのがこの柄。

内符を見せてから錦袋に入れます。

結んで完成。

大事にもっとれよ。

玉串拝礼。

式が終わって、昔の元服の話を聞かせました。昔は元服したら家の跡取りの資格が公に認められること、武士の子供は元服の時に切腹の作法を教えられ、責任の取り方を躾けられたこと、幼名から大人の名前に変わる、源義家は氏神である石清水八幡宮の御神前で元服をして「八幡太郎義家」と名乗った、などなど紹介して、満13歳はまだまだ子供だけど20歳の成人まで独り立ちできるように今日から大人として扱うからそのつもりで居れ、と伝えました。

あけましておめでとうございます。

奉賛会の芳名簿とのぼり旗を手水舎に設置いたしました。

本年より年越大祓ご参列者と正月参詣者に禰宜さん手製の注連飾りを先着100名に授与致しました。すべて無くなりました。早速玄関の扉や、輪をほどいて神棚の注連飾りにして戴いている家もありました。神棚に伸ばして飾ることも出来るので、お好みでどうぞ。

年越大祓式の様子。大祓詞を参列者にむかい、宣読(せんどく)します。

舞いを舞っているように見えますが、これは「祓え津物」といいまして、古代の貴重品なる幣帛(布・麻)を八つに裂く事によって罪を購う儀式です。今で云うと紙幣を破り捨てるようなものでしょうか。

ご参列の方の今年一年の罪穢れを祓い、来る年が良い年であることを祈る「年越大祓祈祷」をしたあと、おみやげに私が丹精込めて作製いたしました「笑門来福しめ飾り」をお分かち致しました。

ということで、新年を迎えました。新年の写真は、まだ余裕が無くて撮れていませんので、うちの年賀状なんぞでご挨拶申し上げます。本年も何卒よろしくお願い申し上げます。