月別アーカイブ: 2015年2月

平成27年度鷹乃羽雅楽会開催日程のお知らせ・新規入門者募集のご案内。

さて、告知が遅くなりましたが、ようやく日程が定まりました。サードシーズンになりますが第一期生が当初の目標である「平調五曲」を一応、吹けるようになりました。まだまだ荒削りですので今後さらに磨きを掛けて行く事に並行して、新曲にも取り組んでいきます。既に盤涉調五曲を課題曲に提示してありますが、今後、外部団体の雅楽研修会参加も見据えまして壱越調や舞楽なども取り組んで行ければと考えています。
それに加えて、新規第二期生を募集します。龍笛は温習日に合わせて今まで通り別部屋で行いますが、篳篥と鳳笙は日をあらためて設定して行いたいと思います。
吾こそはと思われる方は「たのもー」と、扉を叩いてください。参加要綱と日取りは下記PDFご参照ください。
鷹乃羽雅楽会の第一期生の様子は当ブログの過去の記事をご参考に。締め切りは3月末日とさせていただきます。

開催要項⇨ 新:H27鷹乃羽雅楽会開催要項
開催日 ⇨ HP募集平成27年鷹乃羽年間温習日

記念すべき第一回鷹乃羽雅楽会開催説明会の様子。平成24年9月15日

今となっては懐かしいですね。

2年間で祭典奉仕デビューを飾ることが出来ました。直垂を快く貸して戴きました多賀さんに感謝です。

稲穂に早乙女、雅楽の調べ。平成26年10月15日

第一期生の集大成、平成26年10月19日秋祭りでの奉納演奏

寒中みそぎ・鎮魂行法錬成会ご報告 其の参

お久しぶりの続きです。一昨日の19日は新川神社で祈年祭・鎮火祭が斎行されました。早くもこの年の豊作を祈るお祭りをする時期になったんだなぁと思いました。暦をみますと旧暦の1月1日となっていました。やはり旧暦の方が日本の四季の運行にかなっているような気がしませんか?暦の旧暦を見ながら過ごすと趣があってよろしいですよ、是非眺めてみてください。新川神社特製の「神社暦」、まだ若干在庫有ります。さりげなく宣伝。
さて、いよいよ水をかぶる段階のみそぎの報告です。

歩いて2〜3分ほどの近所にある薬師鉱泉で着替えて整列。振り魂で士気を上げます。実際寒いのですが振り魂をしていますと何とか居られるのは不思議です。

御幣を先頭にして「えいほ、えいほ」のかけ声と共に小走りで禊ぎ場へ進みます。幸い道路は凍結していませんでしたが濡れていました。多分皆さん、走れと言われなくても走りたくなるんじゃないでしょうか。

みそぎ場につきましたら、先ずは神前に拝礼、祓い詞の奏上。

先ずは鳥船行事。参加者全員で水槽を囲み、天之磐船(あめのいわふね)を心を一つにして漕ぐ作法です。「いえーっ、えい」と気合いを入れながら漕ぎます。途中で道彦(先導役)が和歌を文節ごとに別けて大声で歌います。いわゆる「コール&レスポンス」。黒人音楽のブルースやR&Bで歌い手と観客の間で行われる掛け合いですね。

鳥船を三段に分けて行った後、雄健(おたけび)、雄詰(おころび)と言いまして、神様の大御名を大きな声で奏する行事です。神様に見守って戴くような気持ちで真剣な気持ちに成ります。冷水を被る前ですから皆さん、真剣ですよ。

雄詰(おころび)は右手に天地開闢(てんちかいびゃく)の天之沼矛(あめのぬぼこ)を手刀に模して、國之常立命の大御名を奏した後、その手刀を・・・

「えーい!」の気合いと共に斜めに目前の空を・・・

なぎはらいます。手刀を元に戻して、繰り返すこと三返。私は己の小さな我心や邪心、邪念など、内なるくそったれな念を断ち切るような気持ちでやっています。

小さな我心を捨て去った後には天地大自然の気を自分の身体に取り込み、自然と一体化する為の「伊吹」という深呼吸のような呼吸作法をします。ただの深呼吸ではありません。このあたりは実際に伝授しないとなかなか説明しづらいところです。天地大自然と一体化すれば、自分は自然そのものですので水を被っても同化できる、というイメージをもって水を被るわけです。

みそぎ。水しぶきが清々しい。

学生も参加。

水しぶきが龍神に見えるショット。

当日の水温は1℃。よく冷えてます。朝方、水道凍って出ませんでしたからね。今回テレビの取材で前もって水を貯めていたことが幸いしました。

こうやって写真を見てますと、「気合いが入っている顔」は「笑顔」と似ているような気がします。

約45秒間水を被り、15秒間振り魂を三回繰り返します。

なかなか普段の生活でこんなに大声を上げたり、気合いを入れたりする事は無いのでは無いでしょうか。それが良い意味で鬱積したストレスの発散になり、みそぎのあとは清々しい気持ちになれるのだと思います。カラオケも良いですが、年に一度、神社の前で大勢の人と気持ちを合わせて気合いを入れる。これが鎮魂、魂の浄化と強化に繋がっているのでは無いかと感じました。

水を被った後も被る前の作法を同じように行います。身体を動かすことによって体温を戻します。小雪がちらついてきましたが男衆の身体からは湯気が上がっていました。

昨年も参加戴いた女子に加えて本年は総勢8名も参加戴きました。内面から磨きをかけた大和撫子は凜とした美しさが内面から輝くのではないでしょうか。

真剣な眼差し。

最後に集合写真。全員無事に修行を終えることが出来ました。行の最後にはみんなが一同に一拍手のあと、「おめでとう!」と声を掛け合います。色々な解釈があると思いますが、私は黄泉の国から帰ってきたイザナギの命がみそぎをした故事に倣っていますので、「よみがえり」、つまり行をした参加者全員が罪穢れを祓い清めて、新たなる自分に生まれ変わった「よみがえり」を祝っての「おめでとう」ではなかろうかと感じております。

全員、薬師鉱泉にて暖を取り、公民館にて直会(なおらい)です。春日事務局より「ご生還、おめでとうございます」で乾杯〜。いや、本当に。皆さん無事に終えることが出来ました。緊急のために担架と毛布、それにADEも一応、準備しておきましたから。御守りみたいなもんです。

新庄町の和食飲み処「浜木綿」特製の味噌海鮮鍋。今年は増量でうどん、おにぎり付き。鰤も具に入れて戴いたそうです。来年のこの錬成会は新しい参集殿、「鷹乃羽神道道場」での開催となると思いますので、来年もお誘い合わせの上多数のご参加をお待ちいたしております。

寒中みそぎ・鎮魂行法錬成会ご報告 其の貳

昼寝をして目が蘭々の禰宜です。昨日、以前から体験してみたかったことのひとつ、ヨガをやってきました。スッキリしました。なかなか年末から休みがとれなくて、そろそろ鬱積した疲れと云いますか、脳内誤作動が顕著になってきたようですので半日でも良いので休息を意識して取ろうと思います。初めてのヨガでしたが、どうやら私に合っているなと感じました。今まで自主トレとかしていましたがどうも続かなくて、コンスタントに続けるには最初はやはり「導師」が必要だなとあらためて感じました。

ということで、いよいよ本番の2月1日のご報告です。

昨年は35名参加で狭かったので、本年は二艘から三艘に増設しました。

大粒の綿雪が舞い散る日で、演出効果としては良い感じです、寒く無ければ。この御幣の竹は正月に鳥居に設置していた忌み竹の枝を落とした物で作成してあります。寒中禊で使った後はそのまま「田んぼ学校」の神饌田の水の入り口に立てる御幣として使います。伊勢の神宮も御正殿の棟持ち柱は20年後には表面を削られて鳥居の柱に、そのまた20年後にはまた削られて遠くの結界の鳥居に「お下がり」されますのでそれにちなみましてみなさんの「気合い」と「念」が籠もった御幣が田んぼに罪穢れが入り込まないように護ることでしょう。

これは昨年のみそぎで使った御幣です。このように、みそぎで使った御幣を田んぼに入る水口に立てて、悪しき物が田んぼに入らない様に施しました。なんとなく思いついたのですが、なんか良いですよね、すべての神事が繋がっていくようにしていければなぁと思います。昨年みそぎした参加者の念が籠もっていますので強力ですな。

参加者は最初にエントリー用紙に簡潔な問診項目に記入と、自己責任で行に参加する旨を書いて戴きます。

正式な手水の作法に則り清めてから本殿へ。

先ずは神様にご挨拶の拝礼。今回は参加者が多く本殿・拝殿では鎮魂作法は出来かねますので公民館で祭壇を組んで行いました。

先ずは小川代表から開式の挨拶。

早速、座学として鎮魂・みそぎの歴史と意義を解説いたしました。

先ずは基本姿勢の「魂振り」。不思議とこれをやっていれば極寒の中で裸でも堂々と立っていられます。

いよいよ鳥船行事の作法。これを大勢でやるかいら良いんでしょうな、みんなの気持ちが一つになって一緒の船を漕いでいるってかんじです。

雄ころび。手刀を指二本で作り、気合いを入れながら目前正面を斜めに振り下ろし邪念邪心をなぎ払います。

鎮魂作法は時間が無くなってきましたので修法としては出来ませんでしたが、概略の解説と作法の型を解説しました。来年は時間を取って修法したいとおもいます。これは「拝み足」を組んでいるところですね。両足の足裏を合わせて「合掌」しているような形で座ります。

次に「振り魂」です。十種の神宝を手に入れる前に「ひふみの祓い詞」で手の中を清めてから納めます。納めてから振っていくのですが、本年はここまででしたね。

まともにやると1時間くらいかかりますが、いつかじっくりと皆さんと一緒に修めてみたいと思います。続く。

 

寒中みそぎ・鎮魂行法錬成会ご報告 其の壱

ようやく一段落という感じの禰宜です。立春を過ぎて本当に文字通り穏やかな天気が続きました。富山では珍しいですね。
まだまだこれから如月、着物を更に着なければ行けない寒波もあるかと思いますが、とりあえず正月の締めくくりと言いますか、第二回寒中みそぎ・鎮魂行法錬成会が無事に終えることが出来てほっとしたのとスッキリしたのとで達成感で満たされた気持ちで居られるこの頃です。本当に大勢の参加者を戴きまして感謝感激です。みそぎの様子は、追々ここでも紹介して参りますが、すでにFacebookに参加者の方々がそれぞれに写真や動画など上げていただいていますし、同級生の武部君にはアルバムまで作って戴だいたのでそちらもご覧ください。

さて、今日は丁度一週間前に緊急告知いたしました富山テレビ取材の報告です。
本当に急でしたが、先方から県内の厄除けに関する場所を紹介する企画で、吉本興業のお笑いタレント・ハイキングウォーキングの鈴木Q太郎さんが42歳の本厄に当たるので実際に体験しながら厄落としをしていくという流れです。その一番最初に新川神社での寒中みそぎを生放送枠で放送したいので是非体験させていただきたいというオファーでした。ディレクターから電話で企画を粗々聞きまして、スケジュールもなんとかこなせるようでしたので快諾しました。新川神社は古来から新庄城下の災難除けの守護神であり、新庄城主が古来から「卯槌の儀」という厄除け神事を新川神社でおこなっていたという故事がありますので厄年の方には特に参加をお薦めしていましたし。

また、寒中みそぎ・鎮魂行法錬成会の取材依頼をテレビ・新聞各社にしてあったのですが、レポーター体験も受け入れる旨を記してありましたので逆に協力して上げなければならん、とも思いました。見世物的なイメージにならないように、取り上げ方と言いますか、扱いについても気になったところですが、ディレクターの方は以前に神道青年会のみそぎをカメラマンとして取材経験があり、一連の作法のことや体験することの厳しさを理解しておられましたのでそのあたりは大丈夫だろうと思いました。

みそぎの前日ですので当然参加者は居ません。私とQ太郎さんだけでみそぎが出来ないわけでは無いのですが、生放送という事と、限られた時間の中で厄年の説明も私がしなければ行けないと言うことで、急遽氏子の若衆に参加協力を依頼しましてQちゃんのみそぎに付き合って戴きました。本当に感謝いたします。

過去に田んぼ学校とか春祭りのどべの話とかテレビ等の取材経験から、まとまりの無い話でもちゃーんと切り貼りしてうまくまとめて戴けたので、いままではどちらかというと気ままにしゃべることが出来たのですが、今回は「生放送」ということで、時間の縛りがあり、また本番前のリハーサルなどあり、やはり緊張いたしました。ただそれ以上に制作側が大変な仕事だなぁ〜と思いました。私たちは出来る事をやって、知っていることをしゃべるだけですからね。

ですが、制作スタッフはやはりプロですな、短期間で取材をして要点をまとめてプログラムを組んで、台本を作って本番に持っていく。生放送ですから失敗したらそのまま全県下に放送されますからね、良く毎週これをやるな〜と感心しました。

以前に神社本廳の研修会で「メディア」について講義を受けたことがあります。「おまえらはメディアたるべき立場だー」と諭された記憶があります。「メディア」の語源は「ミディアム」で「中間」です。外国ドラマで霊能者のことを「ミディアム」と言うように、我々神職も神様と人の間に立って双方を繋げる、連絡をする立場の職種ですので同じ「メディア」であるわけです。そういう意味で何かと何かを繋げる職種と言うことで近い関係ですね、扱う対象が違いますけれども。

小雪ちらつく境内に一艘だけ水槽を設置しました。水温1℃。昨夜から水があってありますので若干フローズン状態です。

いよいよ本番に向けてスタンバイと同時に一連の作法が始まります。放送時間の頃に水を被る時間になるように逆算してスタートです。鳥船行事をやってからで無いと準備体操無しで水を被ることになりますから危険ですのでこの辺りはきちんとやりました。

ハイキングウォーキングの鈴木Q太郎さん。事前に水槽の水の水温をチェック。セットではありませんので温度調節などしません、当然に冷たい水道水のままです。その様子をうかがいましたので冗談で、近くに残雪がありましたのでスタバネタで「フラペチーノにも出来ますけれど、いかがされますか?」と聞きましたら苦笑いされました。

急遽参加戴いた有志の若衆。連日の方も居て、次の日も連ちゃんになります。

厄年は災難を受ける、悪い年回りだという悪いイメージで過ごすより、人生の節目に当たって過去を顧みて感謝と反省を、将来を見据えて御神前で今後の人生の展望を神様の前で誓い、御加護とお導きを戴く事が大事では無いかと常々参拝者にお話ししておりましたのでそのようなことを話しました。厄年は「誓いを立てる年」と捉えた方が前向きに過ごせて良い人生になるのでは無いでしょうか。

厄年の話が終われば即CM。90秒の間に私も白衣を脱いでみそぎに参加。

天地自然の気を身体に鎮め込む「伊吹(いぶき)」。このあと水を被る「みそぎ」になります。

水しぶきと真剣な気合いの籠もった表情。良い絵ですね。隣の若島さんも行者らしく良い感じです。

実は生放送ということで、放送事故があると行けないのでQちゃんの越中ふんどしは特別に施しがしてあります。生放送ではモザイク入れられませんからね。

オンエアーが終わり、締めくくりの一拍手、「おめでとう」の言葉。多分、みそぎをして新しい自分に「よみがえった」ので、生まれ変わりを祝っての「おめでとう」ではないかと私は解釈しています。これでみんな兄弟、ということです。

出演者一同で記念撮影。このあと、Qちゃんとは近くの銭湯・薬師鉱泉でゆっくり温まり、次のロケ地へ旅立たれました。Qちゃん自身、みそぎのあと、開口一番、「よかった、スッキリした。厄除けのお祓いなどしてなかったので本当に良い経験でした」と喜んで戴けました。このロケのために薬師鉱泉さんには通常よりも時間を早めて営業して戴きまして本当に有り難うございました。新川神社で寒中みそぎ・鎮魂行法錬成会ができるのは近くに銭湯があるからできる、と言い切っても過言ではありませんから。