寒中みそぎ・鎮魂行法錬成会ご報告 其の参

お久しぶりの続きです。一昨日の19日は新川神社で祈年祭・鎮火祭が斎行されました。早くもこの年の豊作を祈るお祭りをする時期になったんだなぁと思いました。暦をみますと旧暦の1月1日となっていました。やはり旧暦の方が日本の四季の運行にかなっているような気がしませんか?暦の旧暦を見ながら過ごすと趣があってよろしいですよ、是非眺めてみてください。新川神社特製の「神社暦」、まだ若干在庫有ります。さりげなく宣伝。
さて、いよいよ水をかぶる段階のみそぎの報告です。

歩いて2〜3分ほどの近所にある薬師鉱泉で着替えて整列。振り魂で士気を上げます。実際寒いのですが振り魂をしていますと何とか居られるのは不思議です。

御幣を先頭にして「えいほ、えいほ」のかけ声と共に小走りで禊ぎ場へ進みます。幸い道路は凍結していませんでしたが濡れていました。多分皆さん、走れと言われなくても走りたくなるんじゃないでしょうか。

みそぎ場につきましたら、先ずは神前に拝礼、祓い詞の奏上。

先ずは鳥船行事。参加者全員で水槽を囲み、天之磐船(あめのいわふね)を心を一つにして漕ぐ作法です。「いえーっ、えい」と気合いを入れながら漕ぎます。途中で道彦(先導役)が和歌を文節ごとに別けて大声で歌います。いわゆる「コール&レスポンス」。黒人音楽のブルースやR&Bで歌い手と観客の間で行われる掛け合いですね。

鳥船を三段に分けて行った後、雄健(おたけび)、雄詰(おころび)と言いまして、神様の大御名を大きな声で奏する行事です。神様に見守って戴くような気持ちで真剣な気持ちに成ります。冷水を被る前ですから皆さん、真剣ですよ。

雄詰(おころび)は右手に天地開闢(てんちかいびゃく)の天之沼矛(あめのぬぼこ)を手刀に模して、國之常立命の大御名を奏した後、その手刀を・・・

「えーい!」の気合いと共に斜めに目前の空を・・・

なぎはらいます。手刀を元に戻して、繰り返すこと三返。私は己の小さな我心や邪心、邪念など、内なるくそったれな念を断ち切るような気持ちでやっています。

小さな我心を捨て去った後には天地大自然の気を自分の身体に取り込み、自然と一体化する為の「伊吹」という深呼吸のような呼吸作法をします。ただの深呼吸ではありません。このあたりは実際に伝授しないとなかなか説明しづらいところです。天地大自然と一体化すれば、自分は自然そのものですので水を被っても同化できる、というイメージをもって水を被るわけです。

みそぎ。水しぶきが清々しい。

学生も参加。

水しぶきが龍神に見えるショット。

当日の水温は1℃。よく冷えてます。朝方、水道凍って出ませんでしたからね。今回テレビの取材で前もって水を貯めていたことが幸いしました。

こうやって写真を見てますと、「気合いが入っている顔」は「笑顔」と似ているような気がします。

約45秒間水を被り、15秒間振り魂を三回繰り返します。

なかなか普段の生活でこんなに大声を上げたり、気合いを入れたりする事は無いのでは無いでしょうか。それが良い意味で鬱積したストレスの発散になり、みそぎのあとは清々しい気持ちになれるのだと思います。カラオケも良いですが、年に一度、神社の前で大勢の人と気持ちを合わせて気合いを入れる。これが鎮魂、魂の浄化と強化に繋がっているのでは無いかと感じました。

水を被った後も被る前の作法を同じように行います。身体を動かすことによって体温を戻します。小雪がちらついてきましたが男衆の身体からは湯気が上がっていました。

昨年も参加戴いた女子に加えて本年は総勢8名も参加戴きました。内面から磨きをかけた大和撫子は凜とした美しさが内面から輝くのではないでしょうか。

真剣な眼差し。

最後に集合写真。全員無事に修行を終えることが出来ました。行の最後にはみんなが一同に一拍手のあと、「おめでとう!」と声を掛け合います。色々な解釈があると思いますが、私は黄泉の国から帰ってきたイザナギの命がみそぎをした故事に倣っていますので、「よみがえり」、つまり行をした参加者全員が罪穢れを祓い清めて、新たなる自分に生まれ変わった「よみがえり」を祝っての「おめでとう」ではなかろうかと感じております。

全員、薬師鉱泉にて暖を取り、公民館にて直会(なおらい)です。春日事務局より「ご生還、おめでとうございます」で乾杯〜。いや、本当に。皆さん無事に終えることが出来ました。緊急のために担架と毛布、それにADEも一応、準備しておきましたから。御守りみたいなもんです。

新庄町の和食飲み処「浜木綿」特製の味噌海鮮鍋。今年は増量でうどん、おにぎり付き。鰤も具に入れて戴いたそうです。来年のこの錬成会は新しい参集殿、「鷹乃羽神道道場」での開催となると思いますので、来年もお誘い合わせの上多数のご参加をお待ちいたしております。