前回の続きの続き(最終回)〜海の神、山の神にお仕えしてまいりました。

7月21日土曜日。霊峰立山の芦峅寺雄山神社の例大祭奉仕。あいにくの大雨。大雨警報がでたそうです。

「立山大権現」の社額。立山信仰の根本中宮の講堂にて、立山開山の祖・佐伯有頼公入定の地

雨で御輿渡御は中止に。ストリート系神主としては初めてのご奉仕でしたので楽しみにしていたのですが・・・。時間の余裕がありましたので社殿内の散策に。あっ、こんなところに鷹さんが。立山の神使おそろいの絵馬。

こんな処に龍さんまで・・。立派な木製立て屏風の彫り物。

修祓(しゅばつ:おはらいのこと)をする祓戸(はらえど)。なかなか趣がある祓戸です。御簾の奥に榊と鏡が設えてあります。その上には龍神さま。神々しいかぎりです。

かわいい巫女さんによる「立山の舞」。本来は外の石舞台で舞うのですが、本日は雨天にて本殿前にて。

本来は御輿渡御にお供して道中にお囃子をする氏子の方々。雨でしたのであいそもない、ということでしばし拝殿軒下で奉納演奏。

日が変わり、翌日。

翌22日、日曜日。曇り空ながら晴れました。昨日の本社の祭りに続き、立山大宮・立山若宮のお神輿渡御の日です。

立山若宮。神々しい苔むす巌石の上に鎮座まします。「神さびた」とはこのことをさして言う言葉ですな。

今回私に与えられたミッション(指令)は、雄山神社の神職と共に、御神霊をお神輿にお遷しする役目で、本来は宮司、もしくは本職の神職が奉仕すべき大変重要な役目です。二社のうち、私は立山大宮に御鎮まります伊邪那岐大御神の御神霊をお遷しすることになりました。緊張します。

私がお遷しする立山大宮の参道入り口。苔むす社標が渋い。

旧本殿。

若い衆集合。袴をたくし上げ、襷にわらじ。はっぴにふんどしなど大江戸スタイルが多い中、異色の衣装です。正直、かっこいいです。若侍たち、みたいな。鄙ぶりって感じで良い感じですね。

立山大宮の前に御神輿到着。今から御神霊をお遷しする祭儀を行います、私が。大体、悠長に写真撮っている場合じゃないっすよね。でもどうしても記録に残したくて撮りました。大御神様、すみません。

それぞれのお宮で御神霊がお移りになられた後に、出会いの儀式をして本宮にてお祭りをお受けになられます。普通の神社祭式とは違い、複雑な式次第ですが、御神霊をお祭りする真心の表れであると感じました。境内の中だけの渡御ですがお祭りする場面が二三転する躍動感がある、いい祭です。

御神輿は社務所前の舞台に駐屯します。衣装をあらためた巫女さんが御神輿の前で舞います。かわいい。

「立山の舞」昭和天皇様の御製を神楽にしたものと拝聴しました。可憐な舞振りですね。

手に取る物として扇、榊、鈴など持ち替えて舞います。

舞装束が雄山神社特製の衣装で、とても綺麗な色使いです。緑の袴が森林の緑とマッチします。装束に社紋の鷹の羽二枚が交差するのでは無く、並んで刺繍してあります。

いわゆる露払いの神・猿田彦神だとおもいます。うちで言うところの「どべ」ですね。子供が追いかけられてマジ泣きしてました。

祭儀無事終了。権現太鼓といわれる太鼓の奉納演奏がおこなわれていました。

新川姫神を祭るお社。常願寺川の神を奉る、ということで、昔から気になる神様です。新川神社ともなんとなく御縁がありそうな。

何気ない石にも苔がむし、何ともいえない「神さびた」ところです。やはり「神からならし」だからですな。