舩木家のお蔵出し 其の壱

舩木家のお蔵出し

禰宜です。おひさしぶりです。やりましたよ、ついに。禁断の扉を開きました。舩木家の蔵の整理です。昔は土蔵でした。かび臭くて暗い、いわゆる絵に描いたような土蔵ですね。私は小さい頃、絶対あの中にはミイラがいると思っていましたから。ですが家の建て直しに伴って30年前に古い土蔵から今の倉庫に移築されたのですが、その後、溜まりに溜まった30年間、親の管理下の元、カオス状態でしたし、親の私物がほとんどですのでわたしにゃ手が出せない「禁足地」でした。ですが、ですよ。親も年老いてきて、自分たちでは重い物も整理できない状況が来ましたので、私が整理しないと誰も手が出せない状態になっていました。ここは長年の垢を落とす意味と、親が元気な内に必要な物と不要な物を仕分けして、引き継ぎを受けておいた方が良い時期でもありましたので、「舩木家お蔵出し清掃事業」を実施したわけです。結果、この時期に思い切ってやって良かったです。「パンドラの箱」ではないですが、あれやこれや明らかにガラクタのような物達と格闘しながら整理を進めて行く末に、最後の最後に探し求めていた「希望の書」が出て参りました。新川神社の歴代宮司の系譜と神社の由緒です。思いっきり、出たぁぁぁぁぁ!と心の中で叫びました。毎日、蔵に入るのが楽しみです。他にも色々出てきました。今まで何で見つけられなかったかというと、二〜三代か前の分まで着物箪笥が所狭しと並べてあり、通路までを塞いでいましたので、古文献がある場所までたどり着けなかったのです。箪笥を乗り越えていっても、開くスペースが無いですし。灯台下暗し、といいますが、この機会に本当に思いきって整理しました。先ずはご先祖様に「申し訳ないですけれども、私たちも生きていかなければならないので、ある程度、御遺品を処分させて戴きます。」とお断りしてから、ビンテージ物の黒塗り箪笥他、役目を終えたのだけれども捨てられずに取り置きされた物達とお別れしました。まぁ、すごかったですよ。いつも正月にお祓いを依頼される「エイキ」にお願いいたしました。解体・産廃業者で、不用品の回収をして戴けるので助かりました。4トントラックに4杯、2トンに3杯だったそうです。お蔵出し、といいましても、そんなたいした「お宝」はありません。ですが、わたしにとりましてはお宮に関した貴重な資料、ご先祖縁の物たちが出てきましたので、改めて今後より良いコンディションを保つための管理の仕方を考えていきたいと思います。ここでもやわやわとお披露目して参りたいと思います。

蔵の入り口。

なんと、横笛が沢山出てきました。やはり、ご先祖様も雅楽を嗜んで居られたと言うことが、今回初めてわかりました。やはり、何かに導かれていたような気がしたのは気のせいじゃなかったのだ。