日別アーカイブ: 2012年5月29日

白山比咩神社初参拝

禰宜です。いつもこの「たかのたわごと」を見ていただきまして誠にありがとうございます。こんな私めの「たわごと」をいつもご覧戴いている御方がいらっしゃることは私の何よりもの励みとなっております。明日から日枝神社の山王さん祭りのご奉仕に泊まり込みで行きますので、連ちゃんでアップです。
さて、以前から念願だった石川県の白山比咩神社に初めてお参りいたしました。白山奥宮もまだ登拜したことが無いので、まずはお宮にお参りできて良かったです。
新川神社に白山社が合祀されていまして、御祭神・白山比咩命は日夜私どもがお仕えしておりますので神様の本宮、御実家ということになります。
今回初参拝に至りましたご縁は石川県神社庁主催の「雅楽研修会」の講習会場として白山比咩神社がご協力されました事に依ります。講師に雅楽の本家本元、宮内庁式部雅楽部の先生方をお招きしての研修会ですので、毎年参加しております。白山比咩神社の参集殿は大変立派で、気持ちよく研修が出来ました。
かんさびた境内、御神木に清められた境内は清々し初夏の風が吹き抜けておりました。

久しぶりに雅楽をみっちり練習しました。いずれは新川神社でも雅楽教場を開催する展望をもっておりますので近い将来実現すべく精進いたしております。

本殿正面

神々しいまでの威風を放つ御神木

切り株に至るまでかんさびた風情が

白山の遙拝所

大汝山は大己貴命をお祀りする山です。立山の最高峰も大汝山ですね。新川神社の御祭神です。

身を清める禊場。

招霊木(おがたま)の木と神楽鈴と一円玉 

お久しぶりです、禰宜です。以前にも書きましたが、当社にはおがたまの木が二本あります。いずれも御敬神熱心な新庄の氏子様から奉納されたものです。おがたまの木というのは神社にとって非常にゆかりのある木であります。その名前が示すとおりに、神様の御神霊をお招きする木ということで、今現在、地鎮祭などの神様をお招きする祭祀の時は神籬(ひもろぎ)ともうしまして榊の枝を使うことが多いのですが、その昔、榊が自生していない地区は、このおがたまの木が神宿るご神木であったのでしょうか。この木の枝は天に向かって真っ直ぐに伸びていこうとする枝っぷりなんですね、ですから神霊が降りてこられる木であるという由来はそこから来ているともいわれているようです。

ちなみに「ひもろぎ」の語源は「霊(ひ)」が天降(くだ)ることを古語で「あもる」と読みますので、「御神霊が天降りされる木」が「ひもろぎ」の表す意味となります。

もうひとつ、古事記・日本書紀に語られる天の岩戸開きで、あめのうづめの命が手に持ち神楽を踊ったとされる捕り物は、古事記では「天の香具山の笹葉」、日本書紀では「茅を巻いた矛」とありますが、このおがたまのきであるという説もあります。由来の出元が私自身わからないのですが、日本神話のふるさと、宮崎県高千穂町が町の木とされていますのでご当地に何か由来があるのではと感じています。

そしてこのおがたまの木は、神楽鈴、一円玉の木のデザインに似ているという共通点があります。実際の処一円玉のデザインは実在する木をモデルにしたわけでは無いそうですが、実は微妙に似ています。天に向かって真っ直ぐ伸びていく枝の形や、花のつぼみ、葉の形などそっくりです。「鈴生り」って言葉がありますが、これも神楽鈴からきた言葉らしく、神楽鈴の意匠はおがたまの花が咲いている様を現しているそうです。神楽鈴は「鈴なり」(豊作)、一円玉の円は「丸くおさまる」(円満)に繋がりますので、興味深いおはなしですね。

鳥居くぐって右側のおがたまの木

天に向かって伸びる枝が印象的

今まで気がつきませんでしたが、確かに実がなっている木に見えますな