6月30日夏越大祓斎行。

禰宜です、梅雨らしい毎日ですね。今年も恒例の夏越大祓、茅の輪神事を斎行いたしました。平成24年から当社でも初めて5回目ということになりますか。準備の要領もわかってきたようですが、茅の採取にはやはり気が抜けません。天候を見ながら、茅の生育を見ながら、6月30日にベストな状態で新鮮な茅の輪を作りたいと思いますので短期決戦です。本年は良い茅を採取できたので良かったです。毎年、採取場所や気候で茅の出来もまちまちですが、本年は良かった方だと思います。茅の輪守りは私が綯いますので、手の感触で茅の葉のみずみずしさと言いますか、弾力やコシが直に感じられます。この時期に茅の葉が生育して伸びてきますので本当に初物と言いますか、生き生きした茅の葉には邪気を祓う生命力が宿っているような気がします。長袖で扱わないと肌が負けてしまってかゆくなるんですよ。

本年は新庄遷宮400年祭のアニバーサリーバージョンで御神札に一筆書き加えました。皆さんの無病息災をお祈りいたします。基本的に私はテレビを見ないのですが(大学時代〜京都修業時代を通じてテレビを自由に見れる環境に無かったので、見る習慣が無くなりました。)、聞こうとしなくても色々な禍がちまたでは溢れて耳に入ってきます。半年に一度、世の中全体を祓い清めて魂の浄化を心がけてこの世をたくましく生きてきた先人の前向きな思いがこの大祓に託されているのではないでしょうか。(pict by kazuto kawashima)

参集殿事務所の接客用の机、鎮座。

待望の参集殿事務所の接客用の机、鎮座しました。家具作家で高岡の蕎麦屋・蕎文の今井武文さん作。いろんな展開が出来る新川神社オリジナルな机と椅子です。今井さんのアイデアとセンス、最高に気に入っています。使い込むほど良くなりそうな机です。

古事記に親しむ富山:6月27日第3回昼の部開催

禰宜です。昼の部も開催です。基本的に夜の部と同じ部分を素読いたしますので、補講が可能です。今回も神道の根幹に関わる事項である「みそぎ祓え」「天照大御神の生誕」「しらす」の部分ですので力が入ります。

古事記に親しむ富山:6月22日第3回夜の部開催

禰宜です。6月22日午後7時から9時頃まで古事記の素読会を開催いたしました。昼の部が都合悪い方は夜の部も補講できますので、夜の部も30名近く参加いただきました。

今回は古事記の中でも神道の根幹に関わる、国柄に関わる重要な、重要なやまとことばが顕されるところです。以後も何度も何度も繰り返し説明しますので、今回ご欠席だった人もご安心ください。イザナギの命のみそぎ祓えの部分で、天照大御神と月読命、須佐之男命が誕生する語りでした。原文を読むと、古事記が口承伝承の台本のようなものだということが直に感じられます。おびただしい数の神々がお生まれになるところは語り部の口調は「成り成りて〜」「生み生みて、生みの果てに〜」など、なんどもリフレインを繰り返すことによってその場を盛り上げます。

そして「しらす」という日本の国柄を顕す意味で重要な言葉の初見です。この解説はおいおいやっていきます。そして「けがれ」と「つみ」の違いにも若干触れました。

最後に神道で言う「カミ」とは何か?という、我々神職にとっても永遠のテーマに触れました。

「みそぎ」「天照大御神の生誕」「しらす」今回はこの3つの重要な事柄に触れて戴いたので次回から少しずつ深めていきたいと思います。

 

6月19日鷹乃羽雅楽会温習ご報告

禰宜です。間が空きましたが神仏かふぇ同日に行われた温習会のご報告です。
笙部会第二期生は越殿楽・五常楽の唱歌と、平調の音取り、気替えのレクチャーでした。平調の音取りは結構、指が大きく移動しますので難易度が高い方です。まだ、どの竹がなんという竹か身体に入っていない時期ですが、繰り返すことによって身体にしみこませるようにする事が大事ですのでひたすら反復練習です。
他の間もそれぞれに音取りと2曲に取組中です。
さて、一期生は盤涉調の音取り、越殿楽、白柱の練習に加えて今回より「千秋楽」にも手をつけました。「千秋楽」と聞けば大相撲や歌舞伎の公演最終日の意味が今日では一般に馴染んでいますが、もとは雅楽の曲名から来てるということです。
宮内庁の楽師先生のお話ではおめでたいときに演奏する曲だ、ということで文字の語彙からも豊作を愛でる曲のような気がしますし、メロディも歌い上げるようなフレーズがありますのでなるほどな、と思いました。
次回からは10月9日の「町新庄祭騒動」の練習を開始します。曲は平調越殿楽と朝日舞です。打ち物も皆さんにしていただきますので各自打ち物譜面をご持参下さい。

「神仏かふぇ」in 新川神社参集殿開催

禰宜です。久しぶりに出し切った感で充実した1日でした。朝から境内清掃、参集殿準備、地鎮祭2件(祝・新園町公民館の地鎮祭)、神仏かふぇで2時間30分トークセッション、そのあと鷹乃羽雅楽会で夜9時までということで完全燃焼しました。とても楽しかったです。神仏かふぇは四回目ということで前回までは35名から時間配分が難しかったのですが、今回は参加者が23名(賄い5名)ということで時間は余裕があるな〜と前半サービストークしすぎて結局時間は5分オーバーですんだものの、後半はやはり押し気味になってしまいました。すんません。ですが今回は前回と比較すると、より出し切った感が残りましたので良かったです。前回は不完全燃焼感が残っていたような気がしますのでそれが無いという意味では良かったなぁと自分的には感じました。色々な質問があり、我々も今回はどんな質問が来るのか、スリルを感じるところで、出たとこ勝負みたいなものです。双方、細かい打ち合わせも敢えてせずに、ライブで即興一発ジャムセッションな感じです、ほんと。

私は中でも宗派の話の質問の時に和尚がされた「いかだのたとえばなし」、わかりやすかったです。神道は教祖、教義がありませんので、その時代によって有様が変幻自在で、本質が掴みづらいのですが何故か今日まで発展しながら伝わっている、というところが「いかだのたとえばなし」とシンクロしていると感じました。そんなところも禅と似てるんでしょうね。私たちの祖先は、神道も仏教も時代に合わせて色々な「いかだ」を作ってより良い場所を求めて河を渡ってきたんだなぁ〜と思いました。腑に落ちたお話しでしたので今後は私も講話で使わせて戴こうと思います。

禅宗の信徒は約332万人(1994末)で、仏教の4%弱、NHKの調査(81年)では「神道を信仰している」という人は3%にすぎなといわれています。質問の仕方にもよるんでしょうけど、神道も禅も信仰心の枠組みの中での数字的にはマイノリティということになります。

「信仰心が無い」、と自他共に自信を持って公言し、認識している現代の日本人ですが、見方をかえますと、神様も仏様も大事にするんですけれども宗教的なドグマといいましょうか、何かに執着しない体質、というよりも執着出来ない体質を遺伝子レベルで持ってるんじゃ無いでしょうかね。よくわかりませんが。

今回も宿題がありましたので、宿題があったと言うことは我々にとっては大きな収穫でありまして神仏かふぇではその場でごまかすことはせずにわからないことはわからないので持ち帰ってお返事差し上げたいと思います。今回は雅楽の曲に「迦陵頻(かりょうびん)」があるが、仏教との関係もあるようなので由緒を知りたい、ということや、禅の食事作法に対する神道の食事作法があれば教えて戴きたい等、興味深い項目の質問がありました。

今回のかふぇのメニューは和漢茶の「阿羅漢」、MicTの珈琲「神仏かふぇBlend」主菓子は和尚セレクト「鈴木亭の特注どら焼き(美味!)」と「大沢野町・ユース丸(cafe)のパウンドケーキ」でした。

神仏かふぇブレンド By MicT

禰宜です、明日の神仏かふぇの為にブレンドされた「神仏かふえBlend」の登場です。
うちの近所の珈琲専門店、Mictさんによるブレンドです。最勝寺の和尚さんと奥様のケイさんとは以前からご縁があられるので、ご夫婦のお人柄やイメージと私の好みの豆とを習合(ブレンド)していただいたと聞きました。思いがけないサプライズに興奮してしまいました。なんせ、唯一無二が好きなもんで。明日たのしみだー。
神仏かふぇ。御用達の和漢茶「阿羅漢」を作者の高橋太郎さんから奉納いただきました。有り難うございます。
和漢茶の「阿羅漢」とオリジナルブレンド「神仏かふぇBlend」、最強の組み合わせで皆さんをおもてなしいたします。

満を持して開催、第4回神仏かふぇ。

禰宜です。いよいよ今週末に神仏コラボ企画、「神仏かふぇ。in 新川神社参集殿」の開催です。富山市蜷川の最勝寺の谷内良徹和尚と私が皆さんの普段から疑問に思うことやいまさら聞けないことなどを、お茶でも飲みながら気軽にお話ししましょう、というゆる〜い企画です。決して神主と坊主がメイドをするかふぇではありません。そんなん、誰もこんわ。参加者一人ずつからQ&A式で受け答えしながら進めます。特に無い人はパスして戴いても結構です。他人のQ&Aを聞いてるだけでも為になります。仏教の事は私も参加者側に座って聞いておりますので楽しいです。
意地悪な質問で神主と和尚がどう受け答えするのか、我々がたじたじになる姿を楽しむのも良いでしょう。いままでありそうで無かった、不思議な空間をご堪能戴ければ幸いです。
かふぇ。ですが、営業ではありませんのでメニューは選べません。すいません。ですが当方お薦めの和漢茶を提供いたしております。新川神社参集殿の接客用のお茶はこの「阿羅漢」「龍穴」を使用しております。先入観が無いようにいつも何も言わずに出すのですが必ずといっていいほど「美味しいお茶ですね、これ何?」と聞かれます。酔っ払いに出しても美味いと言いますのでなかなかのポテンシャルの味覚を有する一品です。
主菓子は今回は最勝寺和尚セレクトが提供されますのでお楽しみに。
珈琲も出します。近所の珈琲屋「MicT」さんの珈琲を段取りしております。
かふぇで参加費二千円は高いようですが、それに見合った時間をお過ごし戴ければと精一杯のおもてなしを致したいと思います。
参加ご希望は新川神社へ電話か、Facebookページでエントリーしてください。大勢のご参加をお待ちしております。

第16回お宮で飲もう会開催

禰宜です、前回からの続きです。御輿蔵清掃と先代神輿のお蔵出しという100年以上ぶりぐらいの快挙を成し遂げた後です。みんなのどが渇いてビールが美味かったです。今回は土曜日ということも有ってか、前回の55名には及びませんが32名の参加をいただきました。そのうち、新規参加もいらっしゃいまして若鷹会に参加戴いた方もいらっしゃり、嬉しい限りです。

今回のプチ神道話、テーマは「国と皇室と神社庁、並びに有名大社と氏神神社の相関関係」。むちゃくちゃむつかしいお題です。これは頭の小川氏のリクエストです。だんだん、テーマが高尚になってきました。とても15分では語りきれないテーマですがそれに挑むのが禰宜さんです。無謀とも言える事ですが、語ってみないとどうすれば伝えられるのか、実感できないのでとにかくトライしました。語りきれない事柄ですが、何か一つでも皆さんの記憶のスミに残る言葉をお届けできたのであればそれでオッケーだと思います。撒かれた種は何時か必ず芽を出す物と思っております。

若鷹会、御輿蔵清掃奉仕・先代神輿お蔵出し・第16回お宮で飲もう会開催

禰宜です。昨日は本当に長年のやりたかったことが若鷹会の協力の下、実現することができました。そうです、先代神輿のお蔵出しと御輿蔵の清掃です。御輿蔵の奥に実は古い神輿が置いてあったのです。多分、現在の神輿の前の物だと思われます。現在の神輿が明治34年(1899)4月新調されたもので117年ものヴィンテージですからそれ以上前の物には間違いないと思われますが、今まで調査するにも一度御神輿を出さないと調査できなかったので今回初のお蔵出しです。多分、117年以上ぶりでは無かろうかと思います。現在の神輿の裏に製作年月日と作者の銘が書かれていましたので、先代の神輿も裏書きが有れば何年物か判明するので、期待に胸を膨らませて裏を見てみましたが、残念ながら銘は書いてありませんでした。ですが、これを機会に何らかの方法で年代を調べる手がかりができましたので今後が楽しみです。若鷹会の協力があっての今回の作業が実現しました。本当に有り難うございました。夜に他の用事がある会員も作業だけでもということで駆けつけてくれた皆さん、女性会員もそれぞれ仕事や用事があるにも拘わらずに作業に来てくれてほんとにありがとうございます。新庄の未来は明るいぞ。

神饌田の様子。

禰宜です。神饌田の早苗も順調に育っております。神饌田の畦道を吉田さんと田添さんがコンクリートで舗装していただきました。これで除草の手間が省けます。よかった、よかった。

水口(みなくち)といいますが、川から田んぼの水を入れる場所には「御幣(ごへい)」という、棒に折り込んだ白い紙が挟んであるものが立っています。これは田んぼの安全を護るために邪なる物が入り込まないように霊力で防ぐはたらきをする物です。

実は毎年神饌田の水口に建てる幣串(へいぐし)は若鷹会主催の「寒中みそぎ・鎮魂行法錬成会」で使用した幣串を建てております。若い衆たちが身を清めるために祈りを捧げた幣串なら強力な力が籠もっているだろうと思ったからです。知らなかったでしょ。そりゃそうだ、内緒にしてたもん。

上井石庭さんより参集殿植樹の奉納ありました。

禰宜です。4月10日の参集殿の完成に伴い、正面の小庭にしだれ桜、裏手の植樹スペースにドウダンツツジを植樹していただいたのですが、上井石庭さんには心よりの御寄付をいただきました。本当にありがとうございました。奉賛金のやりくりが厳しい折、大変助かりました。つきましては奉納の標柱をたてさせていただきましたので、ここにお披露目申し上げます。

上井石庭さんには常日頃より境内樹木の手入れや、数多くの御神木の寄付、境内の石机や石椅子の奉納、招霊の木も奉納いただいております。また正月の除雪もこちらからなにも云わずとも率先してお勤め戴く事に関しまして感謝いたしております。

今回の奉賛事業の過程でたくさんの方々の献身なるご尽力をいただいております。みなさん、気持ちでしていただいているので、神主の立場として殊更にお披露目やご報告していいものかどうか、迷ったりしますが、折を見て記録として留めて置きたいと思います。

いずれにしましても、新川神社の神様はお見通しだと思いますので、御神徳が皆さんにかがふりますことをお祈りいたしております。

三輪晃久氏ご来宮。

ようやく念願が叶いまして、初代新庄城主・三輪飛騨守長職(ながもと)の御子孫に当たられる三輪晃久(あきひさ)氏をお招きする日が参りました。6月6日から7日にかけての御一泊で、今回の目的は参集殿に絵画の奉納をいただく為の下見が大きな目的です。

三輪晃久様は初代城主、三輪飛騨守から数えて15代目で、日本画家としてご活躍されています。祖父は洋画家三輪越龍、父は日本画家三輪晁勢氏で、新川神社が現在の社殿を改築した昭和46年にはやはり新川神社奉賛会の顧問として御寄付も頂戴しております。今回の四百年記念事業奉賛会にも顧問として就任いただき、御寄付として絵画を御奉納戴けるという次第です。絵画の奉納は実は私のたっての希望で、三輪山の風景画をリクエストいたしております。勿論、新川神社の御祭神、大己貴神のおしずまりになる大神神社の本殿にあたるお山だからです。

遠い神代の昔、大己貴神(おおなむちのかみ)が、 自らの幸魂(さきみたま)・奇魂(くしみたま)を三輪山に鎮め、大物主神(おおものぬしのかみ)の御名をもって祀られたのが大神神社のはじまりと伝えられています。そういうことで新川神社との重要な御神縁のつながりがあるのです。

詳しくは参集殿の参道ギャラリーに三輪氏家系図が掲示してありますのでチェックしてみてください。

6月5日鷹乃羽雅楽会温習ご報告。

禰宜です。爽やかな日々です。少し間が空きましたが前回の温習のご報告です。

今回は龍笛講師の藤井さんが風邪にて欠席ということで高澤講師に急遽お願いいたしました。氷見から来ていただきますので恐縮しておりますがいつも快くお越しいただけますので助かります。

今回も前回に引き続き二期生初心者は基本的な事と平調音取り、越殿楽、五常楽の唱歌と演奏に取り組んでいます。一期生は盤涉調の音取、越殿楽、白柱(はくちゅう)を合奏しました。白柱は笛のかけ吹きや、篳篥と音階が擦れるところがあったりして、演奏の難易度というよりは合わせる難易度が高い曲のように感じております。前半部分が特にずれやすく、空中分解しやすいのですが、なんとか完奏しました。えらいもんです。次回からは千秋楽と竹林楽に取り組みたいと思います。